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「逆算力 成功したけりゃ人生の〆切を決めろ」高岡 浩三、おち まさと

2018/06/22公開 更新
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逆算力 成功したけりゃ人生の〆切を決めろ


【私の評価】★★★★☆(82点)


要約と感想レビュー

 著者はネスレ日本に就職するのですが、それまでネスレ日本の社長はごく限られた外国人キャリアーが就任してきました。その中でプロパー初のネスレ日本社長になったのが著者の高岡さんなのです。


 高岡さんはネスレのマギーブイヨンを日本一売る男、受験生の友「キットカット」のキャンペーンを打ち出した男として有名人だったのです。高岡さんはそれまでのテレビ広告ではなく、「キットカット=きっと勝つ」という語呂合わせで受験生向けのキャンペーンを考えだしたのです。キットカットは、受験向けに爆発的に売れたのでした。


・売れないマギーブイヨンをとにかく日本一売る新入社員になろうと思って、いろいろと動き始めたのです。それが入社直後の23歳、24歳の頃でした(p59)


 高岡さんは何事にもチャレンジし、成果を出してきましたが、その理由は「42歳で死ぬ」と決めたからです。それは、父も祖父も42歳で亡くなったからです。


 「42歳で死ぬ」のだから何でも挑戦できる。そう考えて行動していたら、ネスレ日本の社長になってしまったということです。武士道とは死ぬことと見つけたり、ではなく、サラリーマンは死ぬことと見つけたりだったのです。


・ちょうど10歳の誕生日に父が亡くなりました。42歳でした。実は父の父親、つまり祖父も42歳の時に亡くなっています。私が42歳を人生の終着点と考えて、そこから逆算する人生を考え始めたのは、このことがきっかけでした(p18)


 驚くべきことは、ネスレの営業利益率が15%もあるということです。高岡さんはホワイトカラーの生産性に、その秘密があると指摘しています。日本の会社の事務屋さんは、キットカットのように甘い環境にいるということでしょうか?


 高岡さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・自分で42歳が自分の寿命だと決め、人よりも凝縮した人生を送ろうとしたことによって、失敗を恐れずチャレンジすることができました。どのみちもういなくなってしまうと考えれば、なんでもできるのです(p13)


・どうせやるからには、「高岡が入れたコーヒーが一番おいしい」と言われたい。そのためにはどうすればいいかを考えたのです。お茶くみのようなちょっとした仕事であっても目標を決めてやる、そういう積み重ねが、最終的に大きな仕事に結びつくのだと思います(p73)


・ネスレには「Think globally, act locally」という思想が浸透しています・・食品や飲料は、地域特性が非常に大きい商品です。同じブランドであっても、地域の特性を考えて売り方などを考えなければなりません(p82)


・ネスレ日本でも最近、採用していいなと思う人材は、アジアの国から日本に来ている留学生です。英語は話せるし、日本語も話せる。加えて、グローバルな考え方ができる・・日本の学生もこのような人材と勝負していることを意識してほしいと思います(p88)


・議論はする。でも、議論したうえで決まったことは絶対にやる。私はそれがベストな方法ではないかと思っています(p106)


・自分のブランドを育てていけば、「高岡はああゆう人間だし、高岡が言うならしようがない」となっていくのです・・役員であっても部長であっても新入社員であっても、自分のブランディングを考えないといけません(p130)


・社内でキットカットに100円のCDを付けて売ったことがあります。当時、私は本やCDの再販制度に疑問を持っていました・・・本とCDにはなぜディスカウントがないのかと思ったのです(p143)


・ネスレの売上高(2012年)は約922憶スイスフラン(約7兆8800億円)と食品メーカーとしては世界最大の企業です・・・営業利益率は15%超です。ほとんどの企業が1ケタ台の営業利益率しかない日本の食品メーカーと比べると、その強さがお分かりいただけるのではないでしょうか(p181)


・なぜこんなに日本企業の営業利益は低いのでしょうか。おそらく生産性という言葉が工場内でしか生きていないのではないかと思います。例えば、人事部門はどうでしょう。財務部門はどうでしょう・・21世紀はビジネスモデルそのもののイノベーションが必要です(p175)


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目次

第1章 42歳で死ぬと思えば何でもできる
第2章 最強の「サラリーマン」を目指せ
第3章 「受験にキットカット」が生まれた秘密
第4章 ネスレの強さと日本復活の条件


著者経歴

 高岡 浩三(たかおか こうぞう)・・・ネスレ日本株式会社代表取締役社長兼CEO。1983年、神戸大学経営学部卒、ネスレ日本株式会社入社(営業本部東京支店)。ネスレコンフェクショナリー株式会社マーケティング本部長として「キットカット」受験キャンペーンを成功させる。2005年、ネスレコンフェクショナリー株式会社代表取締役社長に就任、2010年、ネスレ日本株式会社代表取締役副社長飲料事業本部長として新しいネスカフェ・ビジネスモデルを提案・構築。同年11月ネスレ日本株式会社代表取締役社長兼CEOに就任。


 おち まさと・・・1965年12月23日東京都生まれ。プロデューサー。数多くのヒット番組やWEBサイトの企画、ファッション、企業ブランディングまでジャンルを越えて活躍。「対談の名手」として雑誌や書籍のインタビュアーを務めることが多く、またブログやツイッターが高いアクセス数を誇り情報キュレーターとしても信頼度が高い。企業・学校などでの講演活動も展開。厚生労働省イクメンプロジェクトメンバー、経済産業省「クール・ジャパン戦略推進事業・企業マッチンググランプリ」総合プロデュースも務める。


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