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【書評】「ある日突然40億円の借金を背負う―それでも人生はなんとかなる。」湯澤 剛

2017/02/22公開 更新
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ある日突然40億円の借金を背負う――それでも人生はなんとかなる。


【私の評価】★★★★★(93点)


要約と感想レビュー


実家の居酒屋チェーンを継ぐ

キリンビールのサラリーマンから実父の突然の死により実家の居酒屋チェーンを継ぐこととなった湯澤さんの一冊です。


居酒屋チェーンの経営は年間売上げ20億円に対し40億円の借入金。店舗も問題が山積みで、板前がマージャンをしていたり、売上をチョロまかすなど放置状態でした。


しかし著者は、板前を叱ることができませんでした。この業界では経営者や会社が気に入らないと、店舗の全員が示し合わせて突然休んだり、退職してしまうからです。


一体何をしているのかと思い、席を立って2階に上がって行くと、板前が4人でマージャンをしていた(p78)

5年でダメなら会社を清算しよう

お店の問題や資金繰りに右往左往する日々の中で、精神的には限界がやってきます。ある日、地下鉄を待っているとき、身体が勝手に線路に飛び込みそうになったのです。


ここまで追い詰められて、著者は覚悟を決めました。5年で状況が変わらなければ、会社を清算しようと決断したのです。


まず、緊急事態への「当面策」と、問題の根本原因にメスを入れる「根本策」を、並行して行おうと決めました。そして、「根本作」として、一店舗にお金を集中して「成功モデル店」をつくることにしたのです。


"最悪の最悪"の場合にはいったいどんな酷いことになるかを、できるだけ具体的に、思いつくかぎり紙に書き出してみた(p100)

最悪を想定し、期限をつけ、日記をつける

これでもか、というくらいの苦境の中で、どうやって持ちこたえることができたのでしょうか。


追いつめられた状況で、心が弱っているときに意思決定をすると、自分都合の逃げやごまかしで、気付かないうちに、意思決定をしてしまうことがあるのです。


まず、気を楽にするためには、最悪を想定したり、仕事に期限をつけたり、日記をつけることが有効です。


決断するときには、自問自答しながら、自分の精神状態を客観的に意識ことが有効です。しかし、口で言うのは簡単でも、その場で対応できるのか、分からないとうのが本音です。


人生、不条理なことが山ほどある。そんなことばかりだと思う日もある。でも、朝の来ない夜はない。あきらめるのはまだ早い(p6)

何のために経営するのか

著者の苦悩と世の中の不条理と、その中で著者が精神的に成長し、事業も改善されていく経験を感じることができました。


最終的に著者は、借金もなく、何の制約条件も何の義務感も何もなかったとしたら、自分はいったい何のために経営するのかと、自分に問い、人材が一番重要と考えるに至るのです


湯澤さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言


・多少の金利の高さは、いざというときの保険である・・私にとって信用金庫は、本当に頼りになる味方であった(p92)


・今、自分はどのような心の状態か?・・ということを、常に客観的に意識するようにしていた・・自分の感情を認識すると楽になる。(p175)


・自分にないものに目を向けるのではなく、強みや、すでに持っているものに集中すべきだったのだ・・ターゲットを中高年男性客に絞りなおした(p117)


・東京の繁盛店の視察に行った・・・目指すべきものが具体的に描けるようになったことで、自分たちでわくわくしながら動き始めた(p206)


ある日突然40億円の借金を背負う――それでも人生はなんとかなる。
湯澤 剛
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【私の評価】★★★★★(93点)


目次


序章 屈辱と混乱の日々―眩しく見えた元同僚
第1章 青天の霹靂―ある日突然、40億円の借金を背負う
第2章 どん底の、さらに底―逃げる気も失せるほど過酷な現実
第3章 「5年だけ」の勝負―瀕死の飲食店を立て直せ
第4章 天国の先は、すぐまた地獄―過去最高益、からの新聞沙汰
第5章 後悔も迷いも消えた日



著者経歴


湯澤剛(ゆざわ つよし)・・・株式会社ユサワフードシステム代表取締役。1962年神奈川県鎌倉市生まれ。早稲田大学法学部卒業後、キリンビールに入社、国内ビール営業を経て、ニューヨーク駐在、医薬事業本部海外事業担当などに従事。1999年、創業者であった父の急逝を受けて、株式会社 湯佐和を引き継ぐ。40億円という莫大な負債を抱え、倒産寸前の会社を再生、2018年に株式会社ユサワフードシステムを設立した。現在は神奈川県下で海鮮居酒屋を経営するかたわら、「あきらめなければ道は拓ける」をテーマに、全国各地で講演活動を行っている.


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