【書評】「最強組織の法則―新時代のチームワークとは何か」ピーター・M.センゲ
2013/01/14公開 更新

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【私の評価】★★★☆☆(71点)
要約と感想レビュー
組織が大きくなると社員が働かなくなる
どんな組織でも、規模が大きくなると、社員が一生懸命働かなくなってきます。目の前に問題があるのに、解決することができなくなってきます。
さらには、組織が大きいことが原因となり問題を作り出してしまうことさえあるのです。組織は規模によって一長一短があり、それぞれの段階に合ったマネジメントが求められるのでしょう。
米国車の場合は・・・三種類のボルトが必要だった・・・デトロイトの設計組織には三つの技術者集団があって・・・日本企業ではひとりの設計技術者(p28)
組織の問題は人の問題
経営者はそうした組織の問題を解決しようと、努力をします。そうした努力がうまくいく場合もあるし、うまくいかない場合もまた多い。
それは、問題の本質が見えにくいこと。解決策がわかっていても実行できないこと。これを大企業病というのでしょう。組織の問題は人の問題であり、それを解決するのも人なのです。
名案だというアイデアはどういうわけか実行されないことが多い・・・心の奥底には世界の仕組みに関して深く秘められた各自のイメージが存在し、それが新しい見識と相容れないせいで実行の段階にまで進めないのだ(p190)
ビジョン共有と自己学習
そうした組織の問題の解決を目指すのが、この本の目指すところです。その方法は、システム思考であり、自己学習であり、ビジョンの共有です。
組織が大きくなってくると、小手先の対策では、なかなか効果は出てきません。 組織に共有すべきビジョンを作り、地道な共有する努力と、協力しあえる仲間づくりが必要なのです。センゲさん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・見やすい解決策はほとんど役に立たない・・・小さくてもツボを押さえた行動は、適切な場所でなら、重要な持続する改善を生むことができる(p85)
・「原因」と「結果」は時間的、空間的に接近しているとはかぎらない・・(p84)
・自分個人の習熟度を高めようとコツコツ努力する人は驚くほど少ない。(p16)
・アメリカの製造業界は、低コストと高品質は二者択一だと長い間考えていた・・・彼らが考慮しなかったのは、時間をかけてば品質向上とコスト低減をともに実現できるさまざまな工夫だった(p8)
・自分たちの行動は相互に無関係だと事業単位はそれぞれ考え、自分の部門や他の部門の将来が台なしになる可能性を見落としてしまう・・・各事業単位の意思決定者に対するアメとムチが短期的視野を助長して、「共同食卓」を危機に陥れることが多い(p300)
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【私の評価】★★★☆☆(71点)
目次
第1部 最強組織の条件‐ラーニング・オーガニゼーションとは何か
第2部 システム思考革命‐ラーニング・オーガニゼーションの中核ディシプリン
第3部 ラーニング・オーガニゼーションの構築
第4部 創造への課題
第5部 組織学習の新しいテクノロジー
著者経歴
ピーター・M・センゲ(Peter M. Senge)・・・マサチューセッツ工科大学(MIT)経営大学院上級講師、組織学習協会(SoL)創設者。MIT スローンビジネススクールの博士課程を修了、同校教授を経て現職。旧来の階層的なマネジメント・パラダイムの限界を指摘し、自律的で柔軟に変化しつづける「学習する組織」の理論を提唱。20 世紀のビジネス戦略に最も大きな影響を与えた1人と評される。その活動は理論構築のみにとどまらず、ビジネス・教育・医療・政府の世界中のリーダーたちとさまざまな分野で協働し、学習コミュニティづくりを通じて組織・社会の課題解決に取り組んでいる。
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