「ビジネスについてあなたが知っていることはすべて間違っている」アラステア・ドライバーグ
2013/01/13公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(79点)
要約と感想レビュー
イギリス人コンサルタントが教える普通の組織はどのようにして間違うのかという事例集です。優秀な人で構成されたまじめな組織が、どうして間違ってしまうのか?
それは真面目な人ゆえに、間違うのです。利益を増やしたい。だから、費用を削減する。これは正しいことです。ただ、将来への投資や新商品への投資さえも削ってしまう場合があるのです。
・私たちは成長するために必要な支出を削減することによって、成長に歯止めをかけた・・・採用を中止して経費削減するように、と私たちは言い渡された。(p108)
また、会社全体では利益となるのに、一部分しか見ずに反利益の行動をしてしまう場合もあります。若干の広告を打てば利益があがるのに、広告費を削減しようとする人も多い。
若干の追加費用で発電所の停止期間を短くすれば利益があるのに、費用を削減しようとする人もいるのです。
・予算がどのように機会をつぶすか・・・1000ポンドで広告を載せることにした。その効果があって、1か月で6000ポンドの売上が上がった・・・広告にもう1000ポンド使いたいのだが、と頼んでみた・・・「それは無理だ。今年のマーケティング予算は もう使い果たしているから」(p134)
営業でも、シェアを拡大するために、安易な安売りに走ってしまう場合もあります。「こんな価格では売れませんよ」と言いながら、安売りするのが、従業員にとっては一番楽なのです。
そんなことはありえないと思うかもしれませんが、それが現実です。それは従業員がシェアで営業が評価され、営業に価格決定権が与えられており、利益を評価基準としていないために起こるのです。
・報奨制度は往々にして間違ったやり方で取り入れられる・・・広告収入を確保するように強いプレッシャー・・・値引き率が大きくなっていく・・・(p220)
やや翻訳に難があったので、★3つとしましたが、内容はしっかりしたものです。
ドライバーグさん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・壊れてしまったものは、修理するな(P164)
・損失を出す寄生虫・・・ありきたりの商品(コモディティ)になってしまっている・・・そもそも価格設定が間違っている・・・(p90)
・プロジェクトAは来年100万ポンドの投資を必要とし、120万ポンドの収益を生む。プロジェクトBは来年100万ポンドの投資を必要とし、200万ポンドの収益を生む。プロジェクトAはすでに500万ポンドが投資され、プロジェクトBにはこれまでまったくコストがかかっていないというようなことは重要だろうか?(p169)
・スタッフをつねに忙しくさせておくのは、ただ顧客に迷惑をかけるだけではない・・・周囲で何が起こっているかを考える時間も奪う(p195)
・ナンシー・レーガンの時間管理法・・
1 価値の低い活動にはただノーと言う。
2 他の人がもっとうまくできることにはただノーと言う。
3 複雑な解決方法にはただノーと言う。(p179)
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【私の評価】★★★☆☆(79点)
著者経歴
アラステア・ドライバーグ(Alastair Dryburgh)・・・イギリスを拠点とするビジネス・コンサルタント会社、エイクンハースト・コンサルタンツ(Akenhurst Consultants)のCEO。イギリスのビジネス誌『Management Today』のコラム執筆者。ケンブリッジ大学で数学を専攻後、アーンスト&ヤングの見習い会計士としてキャリアをスタートさせ、大手出版社ピアソンの内部コンサルタント、チャーチル・コミュニケーションズ・ヨーロッパのコマーシャル・ディレクターなどを経て独立。
目次
1:なぜ行き詰まるのか、どうしたら抜け出せるのか
2:価格設定
3:コスト削減
4:業績評価
5:予算と事業計画
6:行動原則
7:動機づけ
8:思考について考える
9:次にすべきこと
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