「これからの「正義」の話をしよう」マイケル・サンデル

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これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

【私の評価】★★★★☆(85点)


ハーバード大学で政治哲学「Justice(正義)」として
 教えられている授業を基にした一冊です。


 「徴兵と傭兵はどちらが正しいのか」

 「代理出産契約は正しいのか」

 「売春は道徳的か否か」

 といった、身近な問題をテーマについて
 議論が進みます。


・古代ローマでは、コロセウムでキリスト教徒をライオンに
 投げ与え、庶民の娯楽としていた。・・・
 この恐ろしい見世物から十分な数のローマ市民が
 十分な快楽を得るとしたら、功利主義者が
 この見世物を非難できる根拠はあるのだろうか(p52)


■議論においては、
 「最大多数の最大幸福」の功利主義や、
 自由至上主義、カント、アリストテレスなどが
 引用されていきます。


 これまでの哲学の本よりも、
 興味深いものでした。


 たぶん、身近なものの議論のために
 哲学を使うことができるんだ!
 と発見があったのだと思います。


・売春は道徳的か否かという問題に対しては、
 カントはどのような条件があれば、性的能力の利用は
 道徳的と見なされるのかと問いかける(p170)


■「哲学」とは、判断基準だとわかりました。


 人は人生を生きるなかで、
 自分の哲学を作り上げるものなのでしょうが、
 自己流だけでなく、他の人の考えも参考にしてみると
 また、一つ発見があるのだと思います。


 哲学の面白さを再発見させてくれる
 一冊とういことで、★4つとしました。


 サンデルさん、良い本をありがとうございました。


━━━━━━━━━━━


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・アメリカの金持ち上位1パーセントが
 国中の富の三分の一以上を保有・・・
 アメリカの上位10パーセントの世帯が
 全所得者の42パーセントを手にし、
 全資産の71パーセントを保有している
・・・。
 これは正しいのだろうか(p78)


・連邦議会がジョーダンにバスケットボール・コートへの復帰
 (シーズンの三分の一にしても)を強制することが
 許されないならば、バスケットボールをして
 手に入れる収入の三分の一を諦めるよう
 ジョーダンに強制できるのは、
 どんな権利によるのだろうか?(p89)


・テキサス州の保安官は最近、国境の監視に役立つ
 インターネットの新たな利用法を開発した。
 不法は越境が頻発する地点にビデオカメラを設置し、
 そのカメラがとらえた映像をウェブサイトで生中継するのだ。
 国境の監視を手伝いたい国民はウェブサイトに接続し、
 「仮想のテキサス州保安官代理」になることができる(p298)


・アメリカの一流企業のCEOが平均して
 年間1330万ドルを手にしているのに対し、
 ヨーロッパのCEOは660万ドル、
 日本のCEOは150万ドルである
 (2004-2006年のデータを使用)(p28)


これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
マイケル サンデル
早川書房
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【私の評価】★★★★☆(85点)




■著者紹介・・・マイケル・サンデル

 1953年生まれ。ハーバード大学教授。
 専門は政治哲学。
 ハーバード大学の学部科目「Justice(正義)」は
 その人気から一般公開され、
 2010年NHK教育テレビで「ハーバード白熱教室」として放送された。


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