「リンゴが教えてくれたこと」木村 秋則

リンゴが教えてくれたこと (日経プレミアシリーズ 46)

【私の評価】★★★★★(95点)


■木村さんは、家族が農薬で体を壊したことを
 きっかけとして、リンゴの無農薬栽培に
 挑戦しました。

 その代償は、9年間無収穫というものでした。


  ・私のような栽培を来年からすぐというと、それはやはり難しい。
   ・・・田んぼは三年かかります。・・・前年度の肥料や除草剤の
   成分が残っているからです。・・・リンゴは八年かかります。(p193)


■9年間の試行錯誤の中で見えてきたのは、
 現代の農業は、肥料で強制的に栄養を与え、
 害虫は農薬で殺すという人工的なものであるということです。

 木村さんはこうした工業製品を作るような農業は、
 いずれ土壌の力を失わせ、
 環境汚染を発生させていると指摘しています。


  ・みんなが肥料、農薬、除草剤を使わなければ、
   川も海もきっときれいになります。・・・
   石灰ボルドー液による重金属汚染の広がりが心配です(p197)


■しかし、現実には肥料、農薬を使わないで、
 本当に農業が商売として成り立つのか
 心配する農家が多いそうです。

 木村さんは、その時は、
 収穫が少なくなるかもしれないけれど、
 農協に支払っている肥料や農薬代が減るので
 けっこう儲かるよ、と説明するそうです。


  ・私は農家の人にこう言います。「あなたがたは一万円の売上に
   七千円の経費をかけています。肥料、農薬、機械に七千円も
   かけているのです。・・・自然栽培は肥料、農薬を使いません。・・・
   半分の五千円の売り上げでも、経費を千円以下に抑えられます(p194)


■私が衝撃を受けたのは、
 肥料、農薬を使わなければ、
 害虫が発生しないということです。

 つまり、害虫は、人が食べてはいけない有害な野菜だけを
 食べてくれているということです。

 これは、映画「風の谷のナウシカ」で
 腐界やオームが地上の有害物資を取り除こうとしていることと
 全く同じことです。

 人間は、そうした自然の浄化能力を知らずに、オームのように
 農薬で虫を殺し、どんどん農薬と肥料をまき、
 環境汚染を進めているのです。


  ・バランスのとれた土壌で、農薬を投与しなければ害虫は
   発生しません。私は人が食べてはいけない有害物質を
   害虫が代わって食べてくれているのだと思っています。(p184)


■農業関係者の方が読んだら、どんな感想を持つのか
 非常に興味深い一冊でした。

 農業経験がないので、見えないところがありますが、
 本の評価としては★5つとします。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・「家族がみんな、金持ちで幸せに暮らせますように」などと
   人間は願います。神様が木や鳥やすべての地球上の生き物の
   願いを聞きます。すると何のお願いが一番多いでしょうか。
   「人間が地球からいなくなった方がいい」(p5)


  ・イネが米を作っているんですよ。イネがあなたたちの生活を
   支えているんですよ。そのイネはどこで育ちますか?田んぼです。
   収穫が終わってから田んぼに行って一言でもお礼を言う気持ちに
   なってください(p98)


  ・有機農業は施される堆肥を間違うととんでもないことになります。
   ・・・硝酸態窒素濃度の高い資料を与えたために、牛が死んだ・・
   未成熟堆肥を作物に使うと、家畜糞尿に含まれる硝酸態窒素が
   作物に入ってしまいます(p106)


  ・雑草を丁寧に取っていると、土が固まってしまいます。
   土をつくるために草ぼうぼうにしてください。・・・
   雑草の力はすごいです。(p159)


  ・土に温度の低いところがある場合、壊さないと何年やっても
   ダメなのです。・・・五十センチの穴を掘って、十センチごとに
   温度を測ってみます。・・・大麦はその層を壊していきます(p170)


▼引用は、この本からです。 

リンゴが教えてくれたこと (日経プレミアシリーズ 46)
木村 秋則
日本経済新聞出版社
売り上げランキング: 168
おすすめ度の平均: 5.0
5 たいへん劇的な成功物語。
5 大地の力と向き合う
5 奇跡のリンゴとNHKプロフェッショナルで伝えてないこと
5 たかがリンゴの話に、心打たれるのはなぜ?
5 やがては地球を救う・・・かもd^^;

【私の評価】★★★★★(95点)


■著者紹介・・・木村 秋則(きむら あきのり)

 1949年青森県生まれ。高校卒業後、川崎のメーカーに
 集団就職するが、1年半で退職。71年に故郷に戻り、
 リンゴ栽培を中心とした農業に従事。
 家族が農薬で病気になったことをきっかけに78年頃から
 無農薬・無肥料栽培を模索。
 十年近く収穫ゼロとなるなど苦難の道を歩みながら、
 完全無農薬・無肥料のリンゴ栽培に成功する。
 現在、全国で農業指導を続けている。


─────────────────

■関連書評■

a. 「奇跡のリンゴ」石川 拓治
【私の評価】★★★★★

b. 「ニンジンから宇宙へ」赤峰 勝人
【私の評価】★★★★☆

c. 「日本の食と農」神門 善久
【私の評価】★★★☆☆


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このメルマガから購入して感動した書籍は、
「リンゴが教えてくれたこと」木村 秋則です。


木村さんの執念と研究心には脱帽です。


死を覚悟するところまでいかないと、
新しい発見は出来ないのですね。

今通勤電車の中で木村秋則さんの「リンゴが教えてくれたこと」を読んでいます。

木村さんは高学歴者ではないけれど、とことん観察することによって自然の摂理を理解し、実行する科学者になられました。

お金を使わず、自然にやさしく、世のためになる農業を考え出されました。

日本だけでなく世界で農業指導されていますが、本を書いてくださったお陰で、家庭菜園も持たない私に「とことん観察し、とことん考えること」の大切さを教えてくださいました。

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