「リンゴが教えてくれたこと」木村 秋則

| コメント(2) | このエントリーをはてなブックマークに追加

リンゴが教えてくれたこと (日経ビジネス人文庫)

【私の評価】★★★★★(95点)


■木村さんは、家族が農薬で体を壊したことを
 きっかけとして、リンゴの無農薬栽培に
 挑戦しました。


 その代償は、9年間無収穫というものでした。


  ・私のような栽培を来年からすぐというと、
   それはやはり難しい。・・・
   田んぼは三年かかります。・・・
   前年度の肥料や除草剤の成分が残っているからです。・・・
   リンゴは八年かかります。(p193)


■9年間の試行錯誤の中で見えてきたのは、
 現代の農業は、肥料で強制的に栄養を与え、
 害虫は農薬で殺す
という
 人工的なものであるということです。


 木村さんはこうした工業製品を作るような農業は、
 いずれ土壌の力を失わせ、
 環境汚染を発生させていると指摘しています。


  ・みんなが肥料、農薬、除草剤を使わなければ、
   川も海もきっときれいになります。・・・
   石灰ボルドー液による重金属汚染の広がりが心配です(p197)


■しかし、現実には肥料、農薬を使わないで、
 本当に農業が商売として成り立つのか
 心配する農家が多いそうです。


 木村さんは、その時は、
 収穫が少なくなるかもしれないけれど、
 農協に支払っている肥料や農薬代が減るので
 けっこう儲かるよ、と説明するそうです。


  ・私は農家の人にこう言います。
   「あなたがたは一万円の売上に七千円の経費をかけています。
   肥料、農薬、機械に七千円もかけているのです。・・・
   自然栽培は肥料、農薬を使いません。・・・
   半分の五千円の売り上げでも、
   経費を千円以下に抑えられます(p194)


■私が衝撃を受けたのは、
 肥料、農薬を使わなければ、
 害虫が発生しないということです。


 つまり、害虫は、
 人が食べてはいけない有害な野菜だけを
 食べてくれているということです。


 これは、映画「風の谷のナウシカ」で
 腐界やオームが地上の有害物資を
 取り除こうとしていることと全く同じことです。


 人間は、そうした自然の浄化能力を知らずに、
 オームのように農薬で虫を殺し、
 どんどん農薬と肥料をまき、
 環境汚染を進めているのです。


  ・バランスのとれた土壌で、農薬を投与しなければ害虫は
   発生しません。私は人が食べてはいけない有害物質を
   害虫が代わって食べてくれている
のだと思っています。(p184)


■農業関係者の方が読んだら、どんな感想を持つのか
 非常に興味深い一冊でした。


 農業経験がないので、見えないところがありますが、
 本の評価としては★5つとします。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・「家族がみんな、金持ちで幸せに暮らせますように」などと
   人間は願います。神様が木や鳥やすべての地球上の生き物の
   願いを聞きます。すると何のお願いが一番多いでしょうか。
   「人間が地球からいなくなった方がいい」(p5)


  ・イネが米を作っているんですよ。イネがあなたたちの生活を
   支えているんですよ。そのイネはどこで育ちますか?
   田んぼです。収穫が終わってから田んぼに行って
   一言でもお礼を言う気持ちになってください(p98)


  ・有機農業は施される堆肥を間違うととんでもないことになります。
   ・・・硝酸態窒素濃度の高い資料を与えたために、牛が死んだ・・
   未成熟堆肥を作物に使うと、家畜糞尿に含まれる硝酸態窒素が
   作物に入ってしまいます(p106)


  ・雑草を丁寧に取っていると、土が固まってしまいます。
   土をつくるために草ぼうぼうにしてください。・・・
   雑草の力はすごいです。(p159)


  ・土に温度の低いところがある場合、壊さないと何年やっても
   ダメなのです。・・・五十センチの穴を掘って、十センチごとに
   温度を測ってみます。・・・大麦はその層を壊していきます(p170)


▼引用は、この本からです。 

リンゴが教えてくれたこと (日経ビジネス人文庫)
木村 秋則
日本経済新聞出版社
売り上げランキング: 296,093

【私の評価】★★★★★(95点)


<


■著者紹介・・・木村 秋則(きむら あきのり)

 1949年青森県生まれ。高校卒業後、川崎のメーカーに
 集団就職するが、1年半で退職。71年に故郷に戻り、
 リンゴ栽培を中心とした農業に従事。
 家族が農薬で病気になったことをきっかけに78年頃から
 無農薬・無肥料栽培を模索。
 十年近く収穫ゼロとなるなど苦難の道を歩みながら、
 完全無農薬・無肥料のリンゴ栽培に成功する。
 現在、全国で農業指導を続けている。


楽天ポイントを集めている方はこちら



読んでいただきありがとうございました!

いつも応援ありがとうございます
人気ブログランキング
に投票する

人気ブログランキングへblogrankings.png


メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」
44,000名が読んでいる定番書評メルマガです。購読して読書好きになった人が続出中。
もちろん登録は無料!!
        配信には『まぐまぐ』を使用しております。



お気に入りに追加
本のソムリエ公式サイト一日一冊:今日の名言



この続きは無料メールマガジン 「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』:1ヶ月30冊を超える情報をe-Mailで」でお読みいただけます。

無料メルマガ購読 スポンサードリンク

コメント(2)

このメルマガから購入して感動した書籍は、
「リンゴが教えてくれたこと」木村 秋則です。


木村さんの執念と研究心には脱帽です。


死を覚悟するところまでいかないと、
新しい発見は出来ないのですね。

今通勤電車の中で木村秋則さんの「リンゴが教えてくれたこと」を読んでいます。

木村さんは高学歴者ではないけれど、とことん観察することによって自然の摂理を理解し、実行する科学者になられました。

お金を使わず、自然にやさしく、世のためになる農業を考え出されました。

日本だけでなく世界で農業指導されていますが、本を書いてくださったお陰で、家庭菜園も持たない私に「とことん観察し、とことん考えること」の大切さを教えてくださいました。

コメントする

QR_Code.gif
左記QRコードまたはこちらから、空メールを送信してください。
※空メールに返信がない場合、ドメインbookmag2.comを指定受信リストに設定してください。


全テーマ(カテゴリー)

>月別(2002年7月~)

最近のコメント

  • HA: 会社組織で仕事を上手く進めていく指南書。 わかりやすく、自分のためになる本であった。 また、他の人にも勧めたい。 続きを読む
  • ryo: 名言セラピーは、全部読みました。 とても好きな本です。 いつも私の知らない本の書評で、 読書の指標になってますが、 こうして読んだ 続きを読む
  • 本のソムリエ: 中国製を辞めて、PRC(People's Republic of China)とは、頭いいですね。 国際関係で誠意を期待してはいけ 続きを読む
  • haru: こんにちは。 中国関連本といえば、こちらもお薦めします。 『メイド・イン・PRCの恐怖』郡司和夫著。桜の花出版。 PRCって、なん 続きを読む
  • KH: Kindle読み放題が始まってから、先日ソムリエ様がまとめてご紹介下さった本を順番に読んでおります。 どれもいい本でしかも読み放題 続きを読む
  • sano: サラとソロモンを読んで、今まで以上に幸せな状態自分の心地良い状態とは一体どういったことなのだろう、何だろう?とさらに考えるようにな 続きを読む
  • (´・ω・`): 自分が買ったアイリスオーヤマの商品が2回連続で不良品の理由がこの概要でなんとなく理解できました、自分の場合は安物買の銭失いでした。 続きを読む