「会社は毎日つぶれている」西村 英俊

会社は毎日つぶれている (日経プレミアシリーズ)

【私の評価】★★★★☆(82点)


■日商岩井とニチメンが合併した双日の社長に就任し、
 リストラを敢行した西村 英俊さんの一冊です。

 当時、日商岩井は膨大な不良債権を持ち、
 株価も低迷していました。
 実質、破綻していたようです。


■日商岩井の不良債権の処理をするなか、
 西村社長が気づいたのは、
 社長が会社を潰すということです。

 つまり、海外の不良債権のほとんどは、
 社長が方針として掲げた「海外一流企業との連携」を
 達成するために契約されたものだったからです。

 しかし、実際には、自社に実力が伴わないため、
 不利な条件で提携したケースが多く、
 そうした契約が、時間とともに不良債権化していったのです。


  ・不良債権・・・社長の一斉号令で「今や海外との連携の時代だ。
   各国の一流企業との連携を深めよ」ときたもんですから、
   無理やり背伸びをしてやってしまったというのが経緯です。(p166)


■そうした不良債権も、早期に発見し、
 処理していけば、傷は浅く済みます。

 しかし、実際には
 担当者は失敗を報告したくありませんので、
 投資失敗の情報は社長までなかなか届かないのです。


  ・投資事業開始にあたって検討を重ねるいわゆる
   「入口審査」はしばしば全社を挙げて厳格に実施する・・・
   入口審査の重さがかえって事業運営開始後の管理を甘くし、
   本当のリスクを招くというのは困ったことです(p78)


■社長になると悪い情報は入りません。

 そうした中で、
 部下からの「問題ありません」という報告の中に、
 問題を発見する力が社長には求められているのでしょう。


  ・事故や失敗に関する情報の中で「大丈夫」という報告ほど
   信じてはいけない情報はないのです。・・・あなたが「大丈夫」と
   思ったその時から、誰も会社がつぶれるのを止められなくなる(p138)


■西村さんは双日のリストラと不良債権処理を実施して
 社長を退きました。

 そして、そうした仕事から得たことは、
 会社をつぶさないためには
 社長の判断が非常に重要であるということです。
 (当たり前のようですが・・・)

 「問題ありません」という報告の中に、
 いかに悪い現状のタネを
 見つけるかが勝負なのだと思いました。

 社長の苦労が伝わってきましたので、
 ★4つとします。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・逡巡したりしている時に、「いやまだ社長、今日でなくても」
   「社長が出なくても」と言ってきて、気持ちを弱らせるおべっか
   軍団の部下たちを全部まとめてやっつけてくれるのが社長、
   あなたの高い志に他なりません。(p201)


  ・会社をつぶすもう一つのリスク、そして社長が自ら
   立ち上らなければ断ち切れないリスクに、反社会的勢力との 
   対決があります。・・・その昔は特殊株主と言ったものです(p210)


  ・社外取締役の役割の第一は社長の交代時期を提案することと、
   交代社長候補の品定めです(p216)


▼引用は、この本からです。

会社は毎日つぶれている (日経プレミアシリーズ)
西村 英俊
日本経済新聞出版社
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5 ハードボイルド・マネージメント
3 社長たるもの。
3 良本なのに残念なことです
5 修羅場で大手商社を再生させた著者のメッセージから経営者は学ぶことはたくさんある

【私の評価】★★★★☆(82点)


■著者紹介・・・西村 英俊(にしむら ひでとし)

 1942年生まれ。65年日商(日商岩井の前身)入社。
 取締役、常務を経て、2002年から社長。
 2004年に日商岩井とニチメンが経営統合した
 双日のCEO就任。05年辞任。


─────────────────

■関連書評■
a. 「人は仕事で磨かれる」丹羽 宇一郎
【私の評価】★★★★★

b. 「中国人に会う前に読もう」泉 幸男
【私の評価】★★★★☆

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