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「花のタネは真夏に播くな ~日本一の大投資家・竹田和平が語る旦那的投資哲学」水澤 潤

2009/04/12公開 更新
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【私の評価】★★★★☆(89点)


要約と感想レビュー

日本一の大投資家といわれる竹田和平さんを紹介する一冊です。竹田和平さんは、タマゴボーロで有名な竹田製菓のオーナーであり、さらに、百社以上の上場会社の大株主でもあります。竹田さんが株式投資をはじめたのは、本業で余剰資金があったからです。


本業では設備投資が一巡すると、お金が余ることがあります。そのお金を遊ばしていても仕方がありませんので、銀行からの借金を減らそうとしましたが、銀行は優良企業からの返済をよろこびません。そこで、竹田さんは優良な他の企業の株式の購入をはじめたのです。そうした株式投資をしているうちに、投資の考え方が確立していきました。それは、安値にある優良株を長期所有するという考え方です。ウォーレン・バフェットのようですね。


・とにかく現在の数字を吟味して、割安に叩き売られた優良株を見つけて買うのです。そして首尾よく買えたなら、旦那になった気持ちで持ち続けるのです(p137)


竹田さんのこうした投資の考え方だけでなく、お金についての考え方もとても参考になります。お金とは感謝の代わりであって、相手に喜んでもらえばお金が集まってくるという考え方です。だから、相手に喜んでもらえるサービスを考えたり、相手にとって魅力的な人間となればよいのです。


そして、お金はある程度貯まったら、一人で使い切ることは難しいのです。だから、投資や寄付によって、人のために使うしかなくなると竹田和平さんは語るのです。お金を持っているということは、そのお金をどう使うのか、どう使うと最も有効なのか決める責任があるということなのでしょう。


・どうすれば相手の人に喜んでもらえるかということをいつも考える習慣が、お金持ちになるための一番のキーワードなんだ。(p24)


竹田さんも本業を安定させるまでにはいろいろ苦労されたようです。その苦労から得た知恵を500円で教えてもらえるというのは、ありえません。でも本の価格は500円です。お金持ちになりたいなという方は、この本でお金持ちの考え方を学びましょう。本の評価としては★4つとしました。


この本で私が共感した名言

・昔の庄屋さんや名主さんは、いちいち田んぼの値段なんて気にしていませんでしたよね。彼らにとって重要なのは、今年の収穫はどうなのか・・・現代の旦那にとって、株の一株一株が田んぼの一枚一枚に相当します(p142)


・自分を否定しようとする人が現れたら、そんな時、これはきっと何か自分を発奮させるための意味があるんだろうと、僕は考えるようにしています。(p166)


▼引用は、この本からです。


【私の評価】★★★★☆(89点)


目次

第1章 お金持ちになるための、たったひとつのキーワード
第2章 こうして日本一の大投資家が誕生した
第3章 投機から投資へ、そして日本一の花咲じいさんへ
第4章 日本一の大投資家が語る、株式投資の極意とは
第5章 竹田和平さんの、幸せになる極意
第6章 竹さんのすすめる、貯徳人生



著者経歴

竹田 和平(たけだ わへい)・・・日本一の個人投資家1933年生まれ。名古屋で竹田製菓を創業し、「たまごボーロ」などヒット商品を開発販売。現在は上場企業100社の個人大株主である。


水澤 潤(みずさわ じゅん)・・・1960年生まれ。大手出版社に勤務。1995年に独立し、生活経済アナリストとして主に雑誌媒体で活躍。


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