「国連専門機関の事務総局長が"勝つ"ための国際交渉術教えます!」内海 善雄

|

国連専門機関の事務総局長が

【私の評価】★★★★☆(83点)


■ITU(国際電気通信連合)において8年間、
 事務総局長として、国際交渉の場にいた著者が、
 国際社会の実情を教えてくれる一冊です。

 ITUでのエピソードが
 国際社会の現実をリアルに教えてくれます。


■エピソード1

 2002年、イギリスはITUの選挙に立候補
 しました。そして、「イギリスがITUに支払う分担金を増額する」
 という公約で、選挙戦を戦ったのです。

 しかし、結果は残念ながら落選。

 そして、イギリスはどうしたかというと、
 公約とは逆に「分担金を引き下げた」のです。


  ・英国代表は、「ITUに多大な貢献をしている英国を
   選ばない国に対して、思い知らすために分担金を
   引き下げるのだ」と説明した(p23)


■エピソード2

 ITU最高幹部が帰国することになりました。

 ところが、国連の規定どおりの手当てをもらったにもかかわらず、
 「赴任したときよりも金額が安い」と文句を言い出しました。

 さらには、家族ぐるみの付き合いだったにもかかわらず、
 「妻は、お前を憎んでいる」と捨て台詞を残して、
 それから関係はなくなってしまいました。


■エピソード3

 ITU事務総局長になった著者は、
 ITU運営についての改善の意見や、
 注意点を教えてほしいと職員全員にメールを送りました。

 しかし、返信されたメールには、
 人事についての個人的苦情ばかり。

 さらには、総局長が「密告」を推奨していると
 問題になりました・・・。


■こうしたエピソードから見えるのは、
 いかに国際社会が、公正と信義のない社会であるのか
 ということです。

 約束は守らない、法外な要求をする、
 自分の利益だけを考える・・・これが現実なのです。


  ・国際社会は、現日本国憲法が前提としている、
   国連を中心とした条理と平和愛好民族で成り立っている 
   わけではありません。むしろ、皆が倭寇であり、海賊である
   と考えたほうがよほど現実に近いのです。(p18)


■著者が提案しているのは、海外の担当者を
 人事異動で頻繁に変更しないことです。

 海外では組織ではなく個人プレーが基本なので、
 長期間、担当者が変わらないことが
 国際社会で戦っていく基本になるのです。


■海外で仕事をしている私も
 納得の一冊でした。
 「K国だけでなく、どこでもそうなんだ・・・」

 海外で仕事をする人や、外国人と仕事をする人、
 そして、非武装中立がいいなどと思っている人には
 最適の一冊ではないでしょうか。

 本の評価としては★4つとします。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


  ・あまりに法外なことを要求すれば、国際社会でも無視されますが、
   かなりの要求をしても「法外」になりません。「だめもと」で
   努力することが重要です。(p64)


  ・会議を有利に進めるためには、自分自身が顔役にならなければ
   なりません。それには、百戦錬磨の経験と顔が必要です。・・・
   日本政府の代表は、役所の頻繁な人事異動のため、会議出席の
   経験が浅く、まことに惨めな状況に立たされています(p122)


  ・分からないジョークに愛想笑いをしない!
   分からないのは相手の能力がないから。
   分からなければ聞けばいい。(p52)


▼引用は、この本からです。

国連専門機関の事務総局長が
内海 善雄
日刊工業新聞社
売り上げランキング: 6883
おすすめ度の平均: 5.0
5 各国別性格チャートだけでも十分価値有りますよ
5 「日本人は超お人よし」ということが良くわかった

【私の評価】★★★★☆(83点)


■著者紹介・・・内海 善雄(うちうみ よしお)

 ITU(国際電気通信連合)事務総局長。
 郵政省国際部長、総務審議官、郵務局長などを歴任。
 ITU京都全権委員会議長の采配ぶりから、
 1998年ITU事務総局長に選出される。


─────────────────

■関連書評■
a. 「鷲の人、龍の人、桜の人 米中日のビジネス行動原理」キャメル・ヤマモト
【私の評価】★★★★★

b. 「エコノミック・ヒットマン」ジョン・パーキンス
【私の評価】★★★★★


楽天ポイントを集めている方はこちら



読んでいただきありがとうございました!

この記事が参考になった方は、クリックをお願いいたします。
↓ ↓ ↓ 
人気ブログランキング
に投票する

人気ブログランキングへにほんブログ村 本ブログへ


メルマガ「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』」
40,000名が読んでいる定番書評メルマガです。購読して読書好きになった人が続出中。
もちろん登録は無料!!
        配信には『まぐまぐ』を使用しております。



お気に入りに追加
本のソムリエ公式サイト



この続きは無料メールマガジン 「1分間書評!『一日一冊:人生の智恵』:1ヶ月30冊を超える情報をe-Mailで」でお読みいただけます。

無料メルマガ購読

>月別(2002年7月~)