【書評】「エコノミック・ヒットマン 途上国を食い物にするアメリカ」ジョン・パーキンス
2008/02/18公開 更新
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【私の評価】★★★★★(90点)
要約と感想レビュー
エコノミック・ヒットマンの使命
著者は、スパイとして採用され、その後、コンサルティング会社でEHM(エコノミック・ヒットマン)となった人です。
EHM(エコノミック・ヒットマン)の使命は、途上国に借金をさせて発電所や道路などを作らさせて、その借金を利用して、その国を支配することです。
日本でもODA(政府開発援助)というものがあり、同じ種類のものですが、日本の場合は利率も安く支配するつもりは小さいと思います。
EHM(エコノミック・ヒットマン)もまずは恩恵を施す。それは発電プラントや高速道路、港湾施設、空港、工業団地などのインフラ設備を建設するための融資という形をとる。・・・数年後に債務国は債務不履行に陥ってしまう。そうなれば・・・わが世界帝国にまたひとつ国が加わったということだ。(p19)
その国を支配する方法
この仕組みがおいしいのは、自国の企業が仕事を請け負うので、資金が外部に流れずに、借金だけがその国に残るからです。そして借金の形に基地の使用権を取得したり、資源の利権を獲得したり、国連での投票に協力してもらうのだという。
しかし、経済的にその国を支配しようとしても、うまくいかないときがあります。そのときには、NGOなどに資金を供給して、政府の転覆を図るのです。中央アジアでよく起こっているチューリップ革命のようなものですね。
1951年・・・モハンマド・モサデク首相は、イランの石油産業を国有化した。・・・そこで、米政府は海兵隊を派遣するかわりに、CIA職員のカーミット・ルーズベルトを送り込んだ。・・・暴動や過激なデモを起こさせ、モサデク首相は不人気で無能だというイメージをつくり出した。(p52)
民間企業と軍事産業が協力
さらに、それでもうまくいかない場合・・・最終的には、「ジャッカル」による実力行使がなされます。つまり軍事攻撃です。政府と情報機関、民間企業と軍事産業が協力し合う国家アメリカの怖さを再確認しました。
こうした時代だからこそ、奪うだけの国家の時代が終わり、誠意を持って活動する日本の時代が来るような予感も感じさせる一冊です。★4つとしました。
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この本で私が共感した名言
・EHM(エコノミック・ヒットマン)はイラクとベネズエラでは失敗したが、エクアドルでは成功した。そして今、その国のすべてを食い物にしようとしている。(p23)
・私はつねに本当の目的を念頭に置いていた。米企業への支払いを最大にして、サウジアラビアがしだいにアメリカに依存するよう仕向けることだ。(p152)
・もしEHM(エコノミック・ヒットマン)の働きかけが失敗したら、私たちが「ジャッカル」と呼んでいる、かつての帝国のやり方をそのまま踏襲する、さらに邪悪な人間たちが介入してくる。・・・彼らが現れると国家の指導者が追放されたり、悲惨な「事故」で死んだりする。(p25)
・ロルドスの死が事故ではないのは、私には疑いようがなかった。あらゆる点が、CIAの仕組んだ暗殺であると示していた。・・・ロルドスの死から二ヶ月後、オマール・トリホスの悪夢が現実になった。彼は飛行機事故で命を落とした。1981年7月31日のことだ。(p256)
▼引用は、この本からです。
東洋経済新報社 (2007/12/14)
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【私の評価】★★★★★(90点)
目次
第1部 1963年から1971年まで
第2部 1971年から1975年まで
第3部 1975年から1981年まで
第4部 1981年から現在まで
著者経歴
ジョン・パーキンス・・・1971年から1981年まで国際的コンサルティング会社チャールズ・T・メイン社にチーフエコノミストとして勤務。2001年9月11日の同時多発テロ事件をきっかけに、自分の人生の闇の部分を公表することを決心する。
国際人材関連書籍
・「国連専門機関の事務総局長が"勝つ"ための国際交渉術教えます!」内海 善雄
・「鷲の人、龍の人、桜の人 米中日のビジネス行動原理」キャメル・ヤマモト
・エコノミック・ヒットマン」ジョン・パーキンス
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