「中国の「核」が世界を制す」伊藤 貫

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中国の「核」が世界を制す

【私の評価】★★★★★(94点)


●米国で、国際政治アナリストとして活躍する伊藤さんの分析は
 現実を直視しています。


 その冷徹なロジックに、私は気持ちが悪くなってきました。


 まず、アメリカにしろ、中国にしろ、ロシアにしろ、
 過去から現代に至るまで、
 国益を最優先としている事実があります。


 憲法における「諸国民の公正と信義に信頼して・・・」というのは、
 幻想にすぎません。


 ・われわれ日本人は、「米中露・三覇権国に包囲された環境で
  生きていかなくてはならない」という厳しい地政学的環境に
  置かれている。(p43)


●そうした環境の中で、中国が経済の発展とともに
 核兵器を含む軍事力を強化しており、
 2020年にはアメリカに並ぶ力を持つ可能性があります。


 中国は貧富の格差、汚職による社会不安により崩壊するという
 予想をする人もいますが、共産党独裁体制のまま
 国力が増大していく可能性も捨て切れません。


 ・筆者は若い頃、アメリカとヨーロッパの大学で学ぶ中国人の留学生
  たちとつきあったことがある。彼らの大部分は、優秀であり、
  勤勉であり、真剣であり、とても意志力の強い人物であった。
  中国を軽視し中国人の能力を過小評価する人が多いのは、
  危険な傾向である。(p89)


●中国は、軍事力を強化しながら、アメリカ、韓国、日本国内において、
 反日工作、スパイ活動を行っており、

 その活動が成功していることは、各国での反日活動を見れば、
 その効果は明らかでしょう。


 ・中国はまた、最近の韓国政府と言論界においても活発な反日工作・
  反米工作
を行い、韓国人が熱望する将来の「統一朝鮮」が中華
  支配圏に入るように誘導している。この工作も大成功である。(p108)


●このように軍事力を強化してきた中国は、
 核保有国のアメリカにさえ、先制核攻撃を脅しの手段として
 当たり前に使っている事実があります。


 ・核武装国アメリカに対して、中国政府は何度も「台湾紛争に介入すれば、
  中国はアメリカを先制核攻撃する用意がある」というニュークリア・
  ブラックメールを突きつけている。(p253)


●中国が、アメリカへの先制核攻撃能力を獲得した以上、
 アメリカが核戦争のリスクを犯してまで
 日本を守るはずがありません。


 したがって、著者は、日本の自主防衛のために巡航ミサイルによる
 日本の核武装を提案しています。


 巡航ミサイルであれば、弾道ミサイルのように先制攻撃はできませんが、
 報復攻撃は十分にできるわけです。


 ・アメリカの政治家・外交官・軍人の大部分は、今後、アメリカが
  日本を守るために核武装した中国と戦争をすることはありえない
  ことを承知している。・・・しかしそこのと(その真実)を
  日本人の前であっさり認め、「だから日本には、自主的な核抑止
  力が必要なのだ」と、本当のことを言ってくれる米政治家は、
  そう多くない。(p125)


●読んでいて吐き気がしてきましたが、
 今、中国が、「○○に従わなければ、大阪に核攻撃を行う。」と
 脅してくれば、日本が何もできないのは事実でしょう。


 私の少ない経験からは、共産国家は最低の仕組みです。


 国民のやる気をなくさせ、自由のない社会です。


 ロシアに支配された歴史を持つカザフスタンで実感しました。


 どうせ支配されるならば、共産国家よりも、資本主義、
 民主主義国家に支配されたいというのが私の考えです。


 ・日米両国が「中国の台頭」を処理することに失敗すれば、
  そのコストは膨大なものになるだろう。アジア地域が
  「中華勢力圏」になってしまえば、「宗主国」中国の影響を受けて、
  アジア諸国からも自由主義・法治主義・民主主義は
  消滅するだろう。(p155)


●しかし、中国によるアメリカ、韓国、日本、その他の国での反日工作は
 浸透しており、すでに手遅れかもしれません。


 今こそが、日本が普通の国となる最後のチャンスではないか
 という警告を発する本として、★5つとしました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


 ・「メコン河流域開発計画」-インドシナ半島における中国の支配権を
  強化するプランをファイナンスしているのはアジア開発銀行・・・
  アジア開銀の黒田東彦総裁は記者会見で、
  「中国には、この地域で覇権を狙う意図はない」と述べて・・・
  費用を支払うことを正当化した。(p107)


 ・「親日的」な外交ポーズをとるアメリカ政府にも、日中・日韓の
  二国間資源紛争や領土紛争に軍事介入してまで、
  日本の味方をする意図はない。東シナ海地域の領土と資源は、
  いずれ中国の所有物となってしまうだろう。(p98)


 ・筆者の唱える「自主的核抑止力」とは、小規模で安価な、
  必要最小限度の核抑止力のことである。
  具体的には、小型駆逐艦と小型潜水艦をベースとする
  核弾弾頭付き巡航ミサイルを、200~300基配置すること(p133)


▼引用は、この本からです。

中国の「核」が世界を制す
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【私の評価】★★★★★(94点)


■著者紹介・・・伊藤 貫(いとう かん)
 
 1953年生まれ。東京大学卒業。コーネル大学で米国政治史、
 国際関係論を学ぶ。その後、ワシントンのビジネス・コンサルティング
 会社で国際政治・米国金融アナリストとして勤務。
 米国の新聞、TV番組などで外交評論、金融政策分析を解説する。


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