
(私の評価:★★★★☆:買いましょう。素晴らしい本です)84点
●著者紹介・・・大崎 善生
1957年生まれ。日本将棋連盟に入り、「将棋マガジン」
編集部を経て、「将棋世界」編集長。
退職後は、作家活動に専念。
●村上聖(さとし)氏は、どこにでもいる元気な子どもでしたが、
3歳頃からたびたび熱を出すようになりました。
そして、5歳になった夏のある日、顔が風船球のように
おおきく膨れ、医者からネフローゼと診断されます。
※ネフローゼ
肝臓の機能障害により、血中の淡白が尿に排出され、
体内の淡白濃度のバランスが崩れ、水分が体の細胞に流出。
その結果、顔や手が異常にむくみだす病気。最悪の場合、
肺水腫などで死亡することもある。原因は不明。
●入退院を繰り返す聖は、6歳になって将棋を覚えます。
療養学校に入り、家族と離れた生活をしながら、
字もろくに読めないのに将棋の本を読み続ける毎日でした。
●9歳となると、将棋の本を読んでいるだけなのに、
大人にも将棋で勝つようになります。
もっと強くなりたい。そして名人になりたいと思うようになります。
・もっともっと強くなって、名人になりたい。
そう思った瞬間、聖の胸はわけもなく熱くなった。(p53)
●実家の近くの将棋教室では将棋の相手がいなくなり、
聖は、広島将棋センターに通い始めます。
そして将棋付けの日々。
●中学1年生になると、アマ名人を破るほどに強くなり
「奨励会に入り、プロになる」ことを望みますが、家族は反対。
ネフローゼという病気を理由に反対の両親は、
親族会議を開いて聖を説得しようとしますが、
逆に集まった親族は、聖の信念に逆に説得されてしまいます。
・「谷川(名人)を倒すにはいまいくしかないんです。
お願いです、僕を大阪にいかせてください」
その純粋で真摯な情熱を前に誰も口を開くことができなかった。(p71)
●聖は、病気でたびたび寝込むというハンディがありながら、
奨励会の階段を駆け上がり、17歳で四段昇級、
25歳でA級八段昇級を果たします。
●そして、平成7年11月7日、A級順位戦において、
聖は、念願の谷川浩司と対戦し、谷川を破ります。
名人がすぐそこに見えてきたのです。
※A級順位戦
順位戦は名人を頂点とするリーグ戦で、A級、B級1組、B級2組、
C級1組、C級2組の5クラスから成り、A級10名の中から
優勝した者が名人挑戦者となる。
●しかし、平成9年に膀胱がんであることが発覚。
手術をするも、がんが再発し、29歳で帰らぬ人となります。
●将棋に打ち込み、そして、目標である「名人」に
もう少しで手が届きそうな中で倒れた村山聖氏。
涙が流れました。
●病気とともに将棋の世界を駆け抜けた村山聖氏の人生に
★4つとしました。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・「いや、僕は結婚できないんです」
村山はきっとした目線を私に投げかけてきた。
「僕は病気で長生きできないから、先に死んでしまうのでは
相手がかわいそうです」(p255)
講談社 (2002/05)
売り上げランキング: 15,930

やはり泣けました
師匠(森信雄)も素晴らしい方です。
研ぎ澄まされた感覚の中で
読んでいただきありがとうございました!
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