光文社 (1999/03)
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私の薄っぺらい芸術概念を打ち砕きました
ガツンとやられました!
50年近く前の本とは思えない感動を与えてくれた本●「芸術は爆発だ!」というのをテレビで見て、“なんだこのオッチャンは”
と思っていましたが、実は岡本太郎のあの独自の作風は、まじめに考え、
悩みに悩んで到達した結果だったのです。
●岡本太郎は、18才でパリに渡りソルボンヌ大学に学びながら、10年間
芸術運動に参加しますが、そこで多くの芸術家と出会い、芸術について議論
しています。
・日本に帰り、滞欧作品だといって披露すれば、当時では画壇的な地位も
定まり、万事おめでたかったのです。私にはそれができなかった。そん
な絵を描こうとすれば、絶えがたい空虚感で、どうにもならなかった。
・・・形式的な、あるいはたんに感覚的なデフォルマシヨン(変形)
をやってみても、何になるだろう。(p85)
●そうしたなかで、自分らしさを追及した結果が、あの作風というわけ
です。「爆発」とはつまり、自分自身の感性を爆発させていたのです。
・「自由に描いてごらん」「かってに描いてみろ」と言われて、しかも
そのほうが、はるかにむずかしくて、描けなくなる。(p163)
●優秀な人は優秀に見えますが、優秀が突き抜けるとアホに見えると
言います。そういう意味では岡本太郎は突き抜けていたといえる
でしょう。
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・どんなに遊んでも、そのときは結構たのしんでいるようでも、なにか
空虚なのです。自分の生命からあふれ出てくるような本然のよろこび
がなければ、満足できない。(p19)
・自然主義とうのは、ほんとうは、西欧十八世紀までの、実生活から浮いて
しまった貴族文化の絵空事を拒否する精神からおこったのです。(p32)
・封建的な家元制度で抑えつけられた芸ごとは、新しくどんどん伸びて
ゆく力はなくて、内に内にと固定し、形式化してゆくのです。(p209)
「今日の芸術」岡本太郎、光文社(1954/01) ¥520
(評価:★★☆☆☆)
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