「オレンジだけが果物じゃない」ジャネット ウィンターソン
2017/10/22公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★☆☆☆(66点)
■キリスト教原理主義の母親に育てられた
著者の自伝的小説です。
キリスト教原理主義は、
キリスト教徒の間でも理解できないほど
極端な考え方のようです。
ただ、キリスト教の知識がないと
よくわからないというのが実感です。
■そして、著者はなぜかレズビアンであり、
母親から悪魔と言われ、
追い出されました。
なぜ私が悪魔扱いされるのか?
主人公の苦悩が伝わります。
それにしてもキリスト教原理主義とは
ひどく極端に感じました。
ウィンターソンさん
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・母の祈りの手順は判で押したように、いつも同じだった。まず、自分を今日まで生かしてくださったことを神に感謝する。つぎに、世界を今日まで滅ぼさずにおいてくださったことを神に感謝する。それから敵についての話になる。母にとっては、日々唱える型通りの教理問答みたいなものだった。「主は言いたもう、復讐するは我にありと!」(p14)
・わたしは、雨というのは雲が高い建物、たとえば教会のとんがり屋根や大聖堂などにぶつかって降るということも教わった・・町が信心深ければ深いほど、建物は高くなり、雨もたくさん降る。「だからごらん、異教徒の国はたいてい土地が乾いているだろう」母はそう言ってから・・(p32)
・「何かのことをずっと長いこと思いつづけていれば、いつかきっと本当のことになる」エルシーはそう言って、自分の頭をとんとんと叩いた。「すべてはここなんだよ」母は、何かのことをずっとお祈りしていれば、いつかきっと本当になると信じていた(p55)
・「選ばれしものは孤独なんだよ」母は言った。母にもあまり友達はいなかった。みんな、母の考え方が理解できないのだ(p76)
・この食器棚のことを母は"戦争戸棚"と呼んでいて、きたる終末戦争にそなえて、毎週何かしら缶詰を買ってきては、そこに蓄えていた(p90)
・女が女を愛すると、もそれだけで罪になるのだ。「男の真似ごとなんか」母はさも汚らわしいという風に言った(p204)
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【私の評価】★★☆☆☆(66点)