「「武士道」解題―ノーブレス・オブリージュとは」李登輝

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「武士道」解題―ノーブレス・オブリージュとは (小学館文庫)

(私の評価:★★★★☆82点)


旧制中学や旧制高校の学生たちは、
「死とは何か」「生とは何か」
「人生いかに生きるべきか」
といったことばかり考え続けていたのです。
それなのに、いまの日本の青少年には、
「人を殺して何で悪いのか?」などと、
馬鹿なことを言う者がいるという。


●いま日本人は
 なかなか死にません。


 戦争はないし、
 病気もほとんどなおります。


 平均寿命は、男性78歳、
 女性は85才だそうです。


●あまりに平和なために、

 「死とは何か
 「生とは何か」
 「人生いかに生きるべきか」

 ということを考える人は
 確かに少なくなっているようです。


 平和は人が幸福になるための
 ひとつの条件ですが、
 本当の幸福は人の思考の中にあります。


 平和を獲得した今、どう平和を維持し、
 どう幸福になるのか、
 それがこれからの課題ではないでしょうか。


─────────────────

■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・私が大陸の中国人のことを
 あまり評価しない裏には、
 同じ「孔孟の書」に接しながら、
 武士道に培われた日本人の・・
 「実践躬行」の精神が
 希薄だからなのです(p54)


・中国文化ははぜこうまで腐りきったのか。
 理由は極めて明快です。言行不一致。
 言っていることと、やっていることが
 全く違うからです(p54)


・私は、戦時中の日本の国家神道については、
 政治利用がなきにしもあらず
 であったと思っています。
 しかし、だからといって、神道や、
 ましてや日本の国そのものを
 否定する考えには反対です(p136)


・北京政府(中国)からちょっと強硬に
 何か言われると、もう「恥も外聞もない」 
 といった感じで何でも言うことを聞いてしまう。
 このように卑屈極まりない、そして
 自分の責任逃れのことしか念頭にない
 自称エリートたちばかりが霞が関や永田町、
 丸の内あたりにひしめき合っている・・(p212)


・「人間は正しくなければならない」とか
 「誠実であれ」とかいうような
 「武士道」精神の精髄(エスプリ)は、
 結局、教育を通じてしか
 伝え得ないのです(p291)


(私の評価:★★★★☆82点)



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