「世界のビジネスエリートを唸らせる 教養としての書道」前田 鎌利
2024/08/07公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(74点)
要約と感想レビュー
書は七難隠す
いつも優しい目で見守っていてくれた今は亡き伯父さんが、「般若心経(しんぎょう)」を写経していたことを思い出して、手にした一冊です。著者は書家として、書道塾「継未-TUGUMI」を主催しています。
やはり書道のよいところは、「書は七難隠す」というように、字を上手に書ける人は一目置かれるところでしょう。著者は、名刺に書を添えたり、贈り物を送るときに、小さいサイズの一筆箋に、一筆添えているという。
戦後、GHQが書道教育を廃止しますが、1951年に小学校の必修科目として復活しています。GHQが廃止するくらいですから、書道は大切なものなのです。
書は七難隠す・・履歴書は手書きでした(p137)
書を極めた人たち
タイトルの教養と入っているように、書家の紹介が面白く感じました。
「弘法も筆の誤り」というように、空海(弘法大師)は書が上手で、狸の毛を愛用したという。
中村不折(ふせつ)(1866~1943)は、夏目漱石の「吾輩は猫である」の挿絵(さしえ)を書いたことで有名ですが、多くの書を残しました。
また、明治天皇の家庭教師であった山岡鉄舟も、多くの書を残しています。
当時はすべて筆で書いているわけで、書を極めれば、書くだけで作品となるので、うらやましい限りです。
山岡鉄舟は剣と禅と書の達人・・その一つが東京銀座にある老舗のパン屋「木村屋」の看板の書です(p175)
御朱印と御陵印
神社やお寺で「御朱印」を集めている人も多いと思いますが、著者のお勧めは、御陵印を集めることです。御陵印とは、124代歴代天皇の96個の御朱印のことで、5か所で全て集めることができるという。次は御陵印が面白いかもしれません。
書道の世界は面白いと感じました。書道は簡単にはじめることができますので、時間ができたら「般若心経」を写経するかもしれません。前田さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・名刺に書を添える・・発祥は中国。訪問時に相手が不在である際に、訪れたことを名刺を渡して伝えたのが始まりという説が有力です(p132)
・ヤギの首のあたりの毛・・・「細光鋒」という名称で細くて毛並みも良く筆には最上のものとされています(p40)
・相撲・・番付表の文字を相撲字といいますが、流派としては「根岸流」・・芝居文字(勘亭流):歌舞伎の看板・・寄席文字(橘流):落語の看板(p203)
【私の評価】★★★☆☆(74点)
目次
第1章 外国人が知りたい日本の伝統文化 書道への質問
第2章 これだけは知っておきたい日本の伝統文化「書道」
第3章 なぜ今、書道が注目されるのか
第4章 知っていると一目置かれる 日本書道の歴史
第5章 知っていると広がる書道の世界
第6章 知っていると自信が持てる 書道の作法
第7章 知っていると旅が楽しくなる 書道道具の聖地
著者経歴
前田鎌利(まえだ かまり)・・・書家/プレゼンテーションクリエイター。一般社団法人 継未 代表理事。株式会社 固 代表取締役。東京学芸大学 教育学部 書道科を卒業。独立書家として、現在全国にて700 名が登録する書道塾 継未-TUGUMI- を展開。2022 年より、福井県鯖江市のPR 大使に任命され、2023 年から鯖江市にサテライトオフィスを展開。二拠点生活を送りながら日々作品制作を行っている。
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