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「YOUR TIME ユア・タイム:4063の科学データで導き出した、あなたの人生を変える最後の時間術」鈴木 祐

2024/03/08公開 更新
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「YOUR TIME ユア・タイム:4063の科学データで導き出した、あなたの人生を変える最後の時間術」鈴木 祐


【私の評価】★★★★☆(84点)


要約と感想レビュー

未来のために行動を計画できない人

世界で活用されている時間術について教えてくれる一冊です。人はそれぞれ違いますので、各種の性格に合った時間術が紹介されています。例えば未来のために、今の行動を計画できない人。手をつけるタイミングが遅くなり、失敗するような人です。


こうした人には、将来の自分に手紙を書くという方法が効果的です。手紙を書くことで将来の自分を「わたくしごと」としてとらえることができ、より長期的に人生を計画することができるようになるのです。


また、効率的に仕事をすることばかり考えて、本来の自分の幸せにつながる「遊び」を計画するのが苦手な人もいます。こうした人には、事前に強制的に「遊び」のスケジュールを決めておく方法が効果的です。


休暇の予定を計画する際に「この選択をした場合に10年後の自分は後悔するだろうか?」と考えてみてください(p131)

計画を立てても行動できない人

世の中には、計画を立てても行動できない人がいます。こうした人へのアドバイスとして、私は次の3つに注目しました。


1つ目は、勉強や仕事などできないことに悩んでいる人へのアドバイスとして、逆にそれを他者に教えるという方法です。「教える人が一番学ぶ」と言われるように教えることが一番学べるのです。


2つ目は、計画どおり行動できなかったことを記録することです。例えば、YouTubeを見て予定を1時間オーバーした、スマホゲームをして運動できなかった、などとメモするのです。書くことで、その問題を認知し、何らかの対策をせざるを得なくなるのです。


3つ目は、自分が過去に成功した経験からうまくいった理由を考え、そこから得た教訓を新しいタスクに使う方法です。人それぞれ違うので、自分の成功体験を分析して、同じような成功体験を積み重ねるという作戦です。


アドバイス法・・誰かに助言することで「私は他者を助けている」といった感覚が脳に刷り込まれ、これが自己効力感の改善につながる(p191)

効率と人生の満足度

世の中には、時間術のやり過ぎで、自分で判断する力が弱くなり、自ら創造的な仕事をしようという気力がなくなってしまっている人がいるそうです。時間術を活用して仕事が効率的になったにもかかわらず、「人生の満足度」が下がってしまう人もいるのです。本当の時間術とは、効率的に仕事をすることではなく、生きがい感覚が持てる時間を増やすことだと思いました。時間術で自分らしい時間を減らしてしまっては、本末転倒なのです。


著者は自分の時間を取り戻すために、「退屈を突き詰める」ことを提案しています。退屈な時間を自分に強制することで、時間の中に余裕がある感覚をよみがえさせるのです。マインドフルネスのようなものなのでしょうか。そもそも自分の人生で本当に大事なことを明確にすることが、大事なのではないかとも感じました。鈴木さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・生きがい感覚が強い人ほどストレスに強く、免疫システムが健全で寿命が長く、人生の幸福度も高い(p215)


・「ほどほどの解」さえ採用しておけば、最適な答えは出せなくとも日常の用に足るだけの近似は出せます・・認知のリソースを使い尽くすよりはましでしょう。これが、満足化です(p272)


・ToDoリストがうまく機能するのは、やり残したことを外部にすべて吐き出したことで脳が安心し、持てる力をすべて発揮できるようになったからです(p89)


▼引用は、この本からです
「YOUR TIME ユア・タイム:4063の科学データで導き出した、あなたの人生を変える最後の時間術」鈴木 祐
鈴木 祐 、河出書房新社


【私の評価】★★★★☆(84点)


目次

はじめに―時間術の"不都合すぎる"真実
序章 時間術の罠に気づく―時間の使い方について誰もが間違う3つの真実
第1章 時間の正体を知る―あなたが時間をうまく使えない驚くべき理由
第2章 未来をやり直す―「予期」の精度を高める13の方法
第3章 過去を書きかえる―「想起」を正しく使いこなす11の方法
第4章 効率化から解き放たれる―時間を"うまく使いたい"気持ちが時間不足を起こす理由
終章 退屈を追い求める―あなたから時間の余裕を奪う最大の難敵
おわりに―ほどほどの誤りを受け入れる



著者経歴

鈴木 祐(すずき ゆう)・・・1976年生まれ、慶応義塾大学SFC卒。16才のころから年に5,000本の科学論文を読み続けている、人呼んで「日本一の文献オタク」。大学卒業後、出版社勤務を経て独立。雑誌などに執筆するかたわら、海外の学者や専門医などを中心に約600人にインタビューを重ね、現在は月に1冊のペースでブックライティングを手がける。現在まで手がけた書籍は100冊超。科学論文で得た知識を仕事の効率アップに活かし、1日に2~4万文字の原稿を量産するいっぽうで、ライター界では珍しい「100%締め切りを守る男」としても知られる。近年では、自身のブログ「パレオな男」で健康、心理、科学に関する最新の知見を紹介し続け、現在は月間250万PV。


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この著者の本


コメント(1)

非常に面白そうですね。
近年は科学的な視点からのアプローチが増え、信憑性が高まったと思います。
是非読ませていただきます。

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