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「地球の未来のため僕が決断したこと」ビル・ゲイツ

2023/11/29公開 更新
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「地球の未来のため僕が決断したこと」ビル・ゲイツ


【私の評価】★★★☆☆(73点)


要約と感想レビュー

地球温暖化防止にはブレークスルーが必要

読書家といわれるマイクロソフト創業者ビル・ゲイツは、地球温暖化をどのように考えているのでしょうか。まず、IPCCの報告書の中でどれだけのペースでどれだけ気温が上がるのか、確実にわかっていないと記載されていることや、地球温暖化シミュレーションモデルの限界を指摘しつつ、大気中の温室効果ガスの増加を止めなければ、地球の気温は上がりつづけるだろうとしています。


また、温暖化によって、短期的には農作物の収量が増え、寒冷地では暖房の費用が下がり、寒冷地特有の病気が減る可能性を指摘しつつ、地球全体としてはマイナスの影響のほうが大きいであろうとしています。多くのプラス・マイナスの情報を咀嚼し、地球温暖化を止めるためにはブレークスルーが必要であることも理解し、そのうえで多額の資金を温暖化防止に投じるべきであると考えているのです。


・気候変動の事実を受け入れている人でも、それに対処するブレークスルーに多額の資金を投じるべきだという考えに必ずしも賛成するわけではない(p72)


クリーンなエネルギーを安い値段で提供

では、具体的に地球温暖化防止のために、ビル・ゲイツはどのようなブレークスルーに投資していこうとしているのでしょうか。例えば、原子力は有望なクリーンエネルギーです。しかし、原子力には事故のリスクや使用済み燃料の問題があります。そこで、安全な次世代原子炉を開発しているという。


また、太陽光や風力は不安定エネルギーです。そのためバッテリーに蓄えておく必要があり、蓄電装置の開発が必要となります。それ以外では、ヒートポンプの活用、二酸化炭素を発生させないセメント、空気中の二酸化炭素を固定化する技術、などあらゆる角度、視点で可能性のありそうな技術を紹介しています。


ビル・ゲイツは現実主義であり、経済性がなければ人は動かないことを理解しています。ビル・ゲイツは、クリーンなエネルギーを安い値段で提供し、すべての国のすべての人が化石燃料なしで生活できる世界を目指しているのです。


・中国やすべての豊かな国と同じように・・石炭火力発電所を選べば、気候にとっては大惨事になる。しかし、それが最も経済的な選択肢だ(p103)


地球温暖化への取り組みはベンチャー的

地球全体で見れば、二酸化炭素の半分を中国とアメリカが排出しています。排出量3%の日本がいくら頑張っても中国とアメリカの排出増加を止めなければ、二酸化炭素の濃度上昇を止めることはできません。こうした地球温暖化防止のハードルの高さをビル・ゲイツは理解したうえで、試行錯誤を繰り返せばブレークスルーが起きる可能性があるのではないか、と考えていることがわかりました。
 

地球温暖化への取り組みとは、うまくいくかどうかわからないけれど、やってみるという新規事業(ベンチャー)的な考え方が必要なのだと思いました。うまくいくかどうかわからない、しかし、やる価値があるとビル・ゲイツは考えているのです。ゲイツさん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・原子力に問題があるのは周知の事実だ・・想像してもらいたい・・「車のせいで人が死んでいる。危険だ。運転はやめて、自動車は使わないようにしよう」。当然、そんな意見はばかげている(p119)


・エアコンは環境に悪いから熱波で何千という人が死んでも仕方ないというのはおかしい(p18)


・ジオエンジニアリング・・非常に細かい粒子を大気の上層部にまく方法・・・火山が噴火したときには同じような粒子が噴出して、地球の気温が目に見えて下がる(p239)


▼引用は、この本からです
「地球の未来のため僕が決断したこと」ビル・ゲイツ
ビル・ゲイツ、早川書房


【私の評価】★★★☆☆(73点)


目次

はじめに 510億からゼロへ
第1章 なぜゼロなのか
第2章 道は険しい
第3章 気候について論じるときの5つの問い
第4章 電気を使う――年間510億トンのうち27%
第5章 ものをつくる――年間510億トンのうち31%
第6章 ものを育てる――年間510億トンのうち19%
第7章 移動する――年間510億トンのうち16%
第8章 冷やしたり暖めたりする――年間510億トンのうち7%
第9章 暖かくなった世界に適応する
第10章 なぜ政府の政策が重要なのか
第11章 ゼロ達成に向けた計画
第12章 一人ひとりにできること
おわりに 気候変動とCOVID-19



著者経歴

ビル・ゲイツ(Bill Gates)・・・技術者、経営者、慈善家。1975年、旧知のポール・アレンと共にマイクロソフト社を設立。現在はビル&メリンダ財団の共同会長を務めている。また、クリーンエネルギーやそのほかの気候変動に関わる技術の商業化を目的とするブレークスルー・エナジーを立ち上げた。3人の子どもがいる。


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