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「小さく分けて考える 「悩む時間」と「無駄な頑張り」を80%減らす分解思考」菅原 健一

2023/05/15公開 更新
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「小さく分けて考える 「悩む時間」と「無駄な頑張り」を80%減らす分解思考」菅原 健一


【私の評価】★★★★★(95点)


要約と感想レビュー

分解思考とは

分解思考とは、会社や自分の課題などを分解することで課題を具体的にして、手をつけやすいより明確なものにすることです。例えば「売上10億円を目指す」のであれば、「10万人のお客様」×「1万円の商品」などと分解して考えてみるということです。コンサルタントであれば当たり前のことですが、分解して小さい項目に分けていくことで、それを解決するノウハウが見えてきます。具体的な行動が見えてくれば、あとは期間と担当者を明確にして実行していけばよいのです。


また、「自分の理想を実現する」というテーマなら著者はまず、「理想の人を何人でもいいから挙げてみましょう」とアドバイスしています。そしてなぜその人が理想なのかを分解するのです。分解してみれば、自分がなぜその人に憧れているのかが具体的にわかります。するとその人に近づくために、自分としてやれることが見えてくるのです。


・分解思考をしていく時に、「たとえば?」と問いかける(p261)


時給30万円の仕事はなぜ実現できたのか

著者は仕事は面白いのですが、めちゃくしゃ忙しくて自由な時間がなく、余裕が欲しくなったという。そこで、理想の仕事を考えてみました。年収3000万円で、月50時間労働。資料も作らず、嫌いな人とは仕事をしないというわがままな条件です。理想の条件を決めてみると、アメリカにアドバイザーという仕事があることに気づきました。コンサルタントでもなく、コーチでもなく、アドバイザーです。企業の問題や課題について、経営者の話を聞いてあげて整理するという仕事です。


著者はアドバイザーになるために何を準備すればいいのか分解していきました。3つくらいテスト案件に取り組んでみる。時給30万円の提案の仕方を学ぶためにコンサル会社に就職してみる。具体的な対処法が見えてきたら、あとは実行していけばよいのです。


実際に著者は、時給30万円で企業にアドバイスを行う仕事をしています。1時間30万円だと単価が高いので、話す相手は必然的に中小企業の社長か大企業の部長クラスだという。そして、著者は「壁打ち」と表現していますが、経営者の話を聞いてあげて整理するだけの仕事なのです。現在、年間約10社に契約しているというので、ここからは想像ですが、月1回1時間、時給30万円とすれば10社で、月10時間稼働で年間3600万円ということになるわけです。


・やりたいことが見つかったら、あとは要素に分解するだけ・・テスト案件に取り組んでみる・・時給30万円の提案の仕方を学ばないと・・コンサル会社に就職してみるのも一つ(p156)


マーケッティングのノウハウ

実は「分解思考」も大切なのですが、著者が説明してくれるそれ以外の思考法やノウハウが興味深いものでした。例えば、著者はフェイスブックでは経営者向け、インスタグラムではスモールビジネス向け、ツイッターではシングルマザー向けのマーケッティングのノウハウをアウトプットしているという。このように著者はメディア毎に投稿テーマを絞り込むことで、属性のはっきりした見込み客を集めているのです。


また、富裕層と貧困層に二極化している現在、商品開発では、単価を高くする高級路線か、単価を安く数を売るか方向性を明確にしなくてはならないという。著者は時給30万円の高級路線に進んだのです。さすがマーケティングのプロだな~と読みながら感心してしまいました。菅原さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・深い思考・・反対をとる・・あえて面白い企画の反対を考え、堅実な企画という視点・・面白い企画にも必要不可欠な要素が見つかります(p70)


・問題の解決や目標達成に必要な資源や条件を10個挙げてみる・・時間・資材・人員・能力・資金・制度(p94)


・僕は、問題や目標は大きければ大きいほうがいいと考えます・・最上位の視点が社会視点です(p107)


▼引用は、この本からです
「小さく分けて考える 「悩む時間」と「無駄な頑張り」を80%減らす分解思考」菅原 健一
菅原 健一、SBクリエイティブ


【私の評価】★★★★★(95点)


目次

第1章 小さく分けて考える「分解思考」
第2章 「分解思考フローチャート」で仕事の目標を達成する
第3章 「分解思考フローチャート」で自分の理想を実現する
第4章 目標達成・営業・マーケティング・スケジューリング・会議・提案・アイデア・チームマネジメント
付録 解像度を上げて、物事を考えるためのヒント―「考える」作業は一人で行なわなくていい



著者経歴

菅原健一(すがわら けんいち)・・・2018年7月よりMoonshot(東京・渋谷)代表取締役社長。取締役 CMOとして参画したスケールアウトをKDDI子会社のmedibaへ売却、そのままmedibaのCMOに就任。その後Supership(東京・港)でCMOを務める。2016年スマートニュースでブランド広告責任者とBtoBマーケティング責任者を務める。現在はスタートアップの企業経営とマーケティングの経験を活かし「企業の10倍成長を支援する」ことを目指すMoonshotを18年に創業する。1年間でクライアント10社、エンジェル投資先20社のプロジェクトを進めている。


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