「絶対に後悔しない家の売り方」齋藤智明
2023/01/03公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(80点)
要約と感想レビュー
高齢化が進む中で、親や自分の持っている不動産を売りたい!処分したい!という人は多いのではないでしょうか。本のソムリエの両親は元気ですが、あと30年もすれば、そうした問題が顕在化してくるはずです。この本では、タイトルどおり不動産を売るときに注意すべき点を教えてくれます。
まず、基本的なことですが、不動産を売るならまず声をかけるのはお隣の不動産を持っている人です。隣接地であれば、駐車場として使えるかもしれないし、マンションを建てるなら土地は広い方が有利だからです。そして売値については、その土地の相場観を持つことが絶対条件です。相場観を持つためには、駅前の不動産屋の店頭広告を眺めるだけで十分だという。仮に徒歩圏内に不動産屋がないなら、近くの不動産屋に直接電話して相場を聞いてもよいとのことです。
・戸建てや土地の場合、買主として最初に声をかけるべき相手はお隣さんです。不動産には「隣の土地は借金してでも買え」という格言がある(p20)
次に実際に不動産を売ろうとするなら、いい営業マンのいる不動産屋に売却依頼しなくてはなりません。では、どうやっていい不動産屋を見分ければよいのでしょうか。そのポイントは、不動産屋の店頭広告が情報が常に入れ替わっているかどうかです。仮に同じ格安物件がずっと貼り出してあるところは、物件に問題があるか、「おとり広告」の可能性があります。店頭の情報を常に入れ替えている不動産屋は誠実であり、管理がしっかりしていると考えられるのです。
また店頭広告を観察するなかで、不動産屋の社員や事務所の雰囲気、整理整頓・掃除などの管理方法を見ていれば、その不動産屋がどういった会社なのか感じられるはずです。こうして信頼できそうな不動産屋を決めたら、一社だけに依頼する「専任媒介」で依頼することを著者はオススメしています。「専任媒介」にするのは、複数の不動産屋に依頼する「一般媒介」では、不動産屋にやる気がでないからです。「専任媒介」とすれば、不動産屋は、家を高く売ることで手数料が増えるわけで、売主と不動産屋の利害が一致し、前向きに不動産を売ろうとしてくれるのです。
・誠実で、お客様第一主義の営業マンは「ブレーキが踏める」・・・「この不動産は売らないほうがいいですよ」と言える営業マン(p96)
不動産屋は手数料商売ですので、ノルマに負われる厳しい商売です。そのためノルマ達成のために、「3200万円で売れます」と断言する営業マンも少なくないという。その一方で、「この不動産は売らないで別の方法もあります」と売主ファーストで提案してくれる不動産屋もいるという。
そうしたよい不動産屋に出会えるかどうかは運かもしれませんが、不動産の相場観を持って騙されないように準備し、不動産屋を見極める目を持つことは運ではないと思いました。基本的な内容でしたので、仮に不動産を売る可能性があるのであれば、これくらいの知識は持っておきたいものです。齋藤さん、良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・早く売りたいか、高く売りたいかで、売り方が変わる(p18)
・家屋を取り壊すことで、同じ土地にかかる固定資産税が5~6倍になる(p52)
・銀行からの事前承認を取っていることが確認できて、はじめて買主だと認定しましょう(p60)
・1つの不動産に4つの評価基準がある・・・1公示価格・・2路線価(相続税路線価)・・都市部では4の実勢価格より評価額が低いエリアが多い)・・3固定資産税評価額・・4実勢価格(p128)
【私の評価】★★★★☆(80点)
目次
第1章 あなたの家はいくらで売れるのか?
第2章 いい営業マンを見極めて、最高の売却を目指す
第3章 売るとき、「こんなこと」でもめやすい!
第4章 とくに実家を売るときに注意したいポイント
第5章 売ったあとも肝心! 「第2の家」はどうする?
著者経歴
齋藤智明(さいとう ともあき)・・・実父の不動産に関する相続・投資での失敗を目の当たりにした際、自分が何もできなかったことを機に、不動産のことで困っている人のための「駆け込み寺」になりたいと思い不動産コンサルティング業に従事する。宅建資格の講師も勤めている。
家の売り方関連書籍
「絶対に後悔しない家の売り方」齋藤智明
「悩める売主を救う 不動産エージェントという選択」大西 倫加 , 長嶋 修
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