「12歳から始めるあがらない技術」鳥谷 朝代
2022/07/19公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(78点)
要約と感想レビュー
準備・練習で克服できる
著者は12歳の頃から人の前で本を読むと緊張するようになり、声がふるえて、息苦しくなってしまうようになったという。それ以来、著者は人の前で話をすることを避け、大学への進学もあきらめて就職したのです。ところが社会人になっても人前で話す機会が多く、よく会社を休んでいたのです。
そこから「話し方講座」との出会いであがり症を克服した著者は「あがり症・話しベタさんのためのスピーチ塾」を立ち上げ、同じようにスピーチに苦しんでいる人を何万人も助けてきました。著者のスクールで教えているのは、大勢の前で話をするときに緊張するのは当然で、たくさん準備・練習してスピーチに慣れることで克服できるということです。
ひとつめの原因は、「なれていないから」(p24)
自分の話し言葉で話す
スピーチのコツは、事前の準備によって自分の話し言葉で話すこと。普通の1.5倍くらいゆっくり話すこと。目線を上げて、姿勢をよくすること。著者のスクールでは、そうした点を注意しながら、その様子を録画して自分で見るワークをしています。
本番と同じような環境で話す練習を繰り返すことで、自然と人前で話すことに慣れていくのでしょう。そして慣れてくると、ゆっくり話すこともできるようになり、聞き手の顔を見ながら話せるようになってくるのです。
そうした余裕が持てるようになると、話が長くなることもないし、頭が真っ白になってしまうこともなくなるのです。さらに自己紹介や、最初のツカミ、最後のシメの言葉などパターン化できるうようになれば、話し上手に近づいていくのでしょう。
実際に自分が話している姿を、録画して見るというワークをやっています(p125)
人前で話す機会を増やす
最近はオンラインでの会議やセミナーが増えており、オンラインの"無反応"を恐れている人が増えているという。これもオンラインが"無反応"であることが当たり前であることを理解するまで慣れることが必要なのでしょう。
事前の練習によって「あがり症」を克服できるということだと思いました。そして、克服した体験を積むことで人はスピーチを怖れなくなるのです。本を読むだけでは、スピーチに慣れることはありませんので、できるだけ人前で話す機会を増やすこと、著者の話し方教室のようなところで訓練を積むとよいのでしょう。鳥谷さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・おおぜいの人を前にすると、本能的に身に危険を感じるように、私たちの体には、代々の遺伝子が残っている(p21)
・準備・練習をしっかりすれば、悪い未来を良い未来に変えることができる(p34)
・自分にとっての合格点を下げる(p194)
・ここまで準備・練習してきた自分をほめる(p215)
・話が長くならないコツは、あらかじめ「シメの言葉」を決めておく(p68)
【私の評価】★★★☆☆(78点)
目次
第1章 どうして、あがっちゃうの?
第2章 おどろくほど簡単にあがらなくなる
第3章 すぐに緊張がとける方法ってなに?
第4章 どんな場面でもあがらずにふるまえる
第5章 あがりやすい人に始めてほしい習慣
第6章 本番でベストをつくすために必要なこと
著者経歴
鳥谷朝代(とりたに あさよ)・・・一般社団法人あがり症克服協会代表理事。中学1年の国語の教科書読みで手と声が震え出したことであがりを自覚。名古屋市職員となった以降も症状は悪化。精神内科を受診し催眠療法を試みたものの効果はなく、役所を辞める覚悟をしていた頃に話し方講座と出会い、17年間のあがり症を克服。2004年「あがり症・話しベタさんのためのスピーチ塾R」を開校。メンタルだけでなく体から誰でも楽にあがりを改善する方法を確立。2014年、全国初の元あがり症によるあがり症のための協会「一般社団法人あがり症克服協会」を非営利団体として発足、理事長に就任。全国各地のカルチャースクール、学校、団体で年間200回以上の講演活動を行う。
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