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「イーロン・マスクの野望」竹内一正

2021/08/03公開 更新
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「イーロン・マスクの野望」竹内一正


【私の評価】★★★☆☆(70点)


要約と感想レビュー

 テスラで電動自動車を大量生産し、スペースXで宇宙ロケットを開発してしまった男を知りたくなって手にした一冊です。その男、イーロン・マスクは南アフリカに生まれ、カナダを経由してアメリカに渡りました。


 ところが、大学院2日目に退学し、弟とオンライン出版ソフト制作会社「Zip2」を起業しています。インターネットに未来の可能性を感じたのです。この会社をコンパックに300億円で売却し、その資金でインターネット決済サービス会社「Xドットコム」を創業します。この会社が「ペイパル」となり、eBayに1500億円で売却し、イーロン・マスクは170億円を手にすることになりました。


 この資金で2002年にスペースXを創業、2004年にテスラへ出資し、共同創業者となるのです。わらしべ長者の現代版ですね。


 イーロン・マスクの特徴は、電気自動車、宇宙開発といった誰もが「無理」と考える事業に解決策を持って取り組んでいることでしょう。


 電気事業者については、汎用の単3電池のようなリチウムイオンバッテリーを多量に接続することで低コスト化を達成。宇宙ロケットでは、小さなロケットを9つセットにして大きな推力の一段ロケットとし、この最も高価な一段ロケットを回収して再使用することで低コスト化しています。


 ただ、がむしゃらに起業しているわけではなく、既存製品とは違うアプローチを採用し、実用化している点はすごいと思います。


・ロケットの総コストの約4分の3は1段目ロケットが占めている(p167)


 イーロン・マスクの決してあきらめない精神力に驚きました。失敗の連続で、会社の資金がショートしたときも、自分の資産による保証を公表し、事業を継続しています。


 そして、それ以上に南アフリカ生まれの青年に投資するアメリカという国の許容性にも驚きました。NASAはスペースXと1600億円の契約を結んでいます。日本ならJAXAが6年目のベンチャー企業に主機の開発自体を外部に委託するようなことであり、私にはイメージできません。


 今もイーロン・マスクの旅が続いているという事実がすごいですね。


 竹内さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・大学生時代のイーロンはたびたび、「人類の将来にとって最も大きな影響を与える問題は一体何か」と考えていた・・・・辿り着いた結論が、「インターネット、持続可能なエネルギー、宇宙開発の三つ」だった(p6)


・8歳でブリタニカ百科事典を全巻読破、小学校の高学年になると10時間も本を読みふけることさえあった(p20)


・スペースXは2008年にはCRS(商業補給サービス)を契約・・・スペースXは12回の打ち上げで総額16億ドル(約1600億円)に上る巨額の契約内容を勝ち取った(p114)


・テスラ社はトヨタ自動車から5千万ドル(約50億円)やの出資を受けることになった(p131)


・スペースX社は、特許申請は行っていない・・・特許を出せば、中国人がそれを使ってマネするからだ(p147)


・ロケットの材料コストは開発全体のコストのたった2%・・・テスラ社の自動車なら20~25%、パソコンに至っては90%・・・イーロンは「従来のコストの10分の1でロケットを打ち上げる」と狂気とも思える目標を掲げ・・(p37)


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▼引用は、この本からです
「イーロン・マスクの野望」竹内一正


【私の評価】★★★☆☆(70点)



目次

1章 降臨―南アフリカから来た男
2章 難航―人生最悪の時
3章 前進―未来を見る
4章 信念―宇宙への道
5章 独創―PCの電池で車を走らせる
6章 異端―ロケット作りの革命
7章 野望―人類を火星に送り込む
8章 運命―地球を救え


著者経歴

 竹内一正(たけうち かずまさ)・・・1957年岡山県生まれ。徳島大学工学部大学院修了、米国ノースウェスタン大学客員研究員。松下電器産業(現パナソニック)に入社。その後、アップルコンピュータ社にてマーケティングに携わる。日本ゲートウェイ(株)を経てメディアリング(株)の代表取締役などを歴任。現在、ビジネスコンサルタント事務所「オフィス・ケイ」代表


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