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「芸能人はなぜ干されるのか?」星野陽平

2021/05/12本のソムリエ メルマガ登録
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「芸能人はなぜ干されるのか?」星野陽平


【私の評価】★★★☆☆(78点)


要約と感想レビュー

 タイトルの「なぜ、芸能人は干されるのか?」の答えは、芸能界ではタレント引き抜き禁止の協定があり、タレントが勝手に独立したら業界として潰しにかかるからです。


 何十年も活躍しているタレントがいるかと思えば、一時ブレイクしたタレントが知らないうちに消えていることもあります。そうした消えたタレントの中には業界から干された事例が少なくないという。


・たとえば、吉本から独立とか移籍したタレントがいれば、吉本は徹底的に潰しにかかりますよ。その手段というのは、基本的には共演拒否です(p218)


 面白いのは日本の芸能プロダクションとタレントの報酬の分け方でしょう。


 アメリカではエージェンシー制度といってタレントがエージェント、マネジャー、アシスタント、弁護士などを個別に雇う形となっています。エージェントの取り分は10~20%ですが、仕事が取れる高給タレントが顧客なのでこの程度でもエージェント側は利益が出るのでしょう。


 一方、日本のプロダクションは日本の会社と同じように、売れるタレントから売れないタレントまで抱えているため、ギャラの半分以上は取っている例があるらしい。特に吉本興業では、芸人が「うちの事務所は『ピン(1割)ハネ』やなしに『ピンクレ』や!」と冗談を言うくらい薄給だという。


・アメリカのエージェンシー制度・・・エージェントの取り分は一般的にタレントのギャラの10~20%程度だ。なお、マネジャーの取り分は15%程度だという(p255)


 芸能界の真実はなかなか報道されませんが、時々報道されているものを集め、整理すると、芸能界の実情が浮かび上がってくるようです。2014年とやや古い本ですが、芸能界という世界の雰囲気を感じることはできました。芸能界には暴力団の影もちらちらと写りますが、そうしたことが明確に表に出ることはないようです。星野さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・AKBのメンバーはオーディションに合格すると、まずAKSに所属し、その後、売れ始めると、前出のような音事協系プロダクションに移籍するのが通例となっている(p117)


・セインがR&Aを退職すると、R&Aは執拗にセインを潰しにかかったようだ・・・「R&Aに無断でセインを起用するな」・・「この業界にいられなくしてやる」などと言って、恫喝(p34)


・中小プロダクションが大手プロダクションから引き抜かれるのが当然なのに、一方で大手事務所が加盟する音事協においては引き抜き禁止というカルテルがあり、それによって競争が制限されている(p113)


・とんねるずの独立劇の裏では、芸能界の重鎮2人が仲裁に入って、妥協案を示し、とんねるず側が事務所に13億円の手切れ金を支払うことで決着したという(p115)


・バーニング系列とされるプロダクションは50あるとも60あるとも言われ、その影響力は極めて大きく、以前からドラマなどのキャスティング権を牛耳っているとされています(p10)


・1999年末のレコード大賞の時に周坊が、「今年はお前たちだ」と言って、GLAYにレコード大賞獲得を示唆した。だが、GLAYの所属プロダクション側は「もう結構です」と固辞した。最終的にGLAYはレコード大賞を獲得したが、この前後からバーニングからの金銭要求が激しくなった・・・2001年にはGLAYの事務所がバーニングに対し、2億6000万円の貸金返還を求める訴訟を起こす(p240)


・芸能人の中には在日コリアンや被差別部落出身者も少なくない。「大晦日の『紅白歌合戦』は、われわれ(在日韓国人)がいなかったら成り立たないんですよ」と『コリアン世界の旅』で語ったのは、韓国から帰化した「スター」にしきのあきらだった(p283)


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▼引用は、この本からです
「芸能人はなぜ干されるのか?」星野陽平
星野陽平、鹿砦社


【私の評価】★★★☆☆(78点)



目次

プロローグ 北野誠事件
第1章 干された芸能人
第2章 「芸能プロダクション」とは何か?
第3章 抵抗の歴史
第4章 「ナベプロ帝国」の落日
第5章 ジャニー喜多川の少年所有欲求
第6章 「免許のないテレビ局」吉本興業
第7章 バーニングプロダクションと暴力
第8章 韓国、ハリウッド、声優業界
第9章 芸能と差別


著者紹介

 星野陽平(ほしの ようへい)・・・フリーライター。1976年生まれ。東京都出身。2001年、早稲田大学商学部卒業


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