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インデックス投資がお勧め「父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え」ジェイエル・コリンズ

2021/01/20公開 更新
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「父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え」ジェイエル・コリンズ


【私の評価】★★★★★(90点)


要約と感想レビュー

 アメリカの投資の神様ウォーレン・バフェットは、10%債券、90%株式のインデックスファンドへの投資を推奨しています。著者はバフェットの推奨どおり、収入の範囲内で生活し、50%を貯蓄し、インデックスファンドに投資したことで仕事をしなくても生活できるようになったという。


 こうしたお金との付き合い方を娘へ伝えるために書いた著者のブログから、この本は作られたのです。


・2013年の株主総会におけるバフェットの手紙には、こう書かれています。「資金の10%を容易に現金化できる短期政府証券に投資し、残る90%は低コストのS&P500インデックスファンドに投資する(p228)


 著者の人生とお金の哲学は、次の3つです。収入より多く支出しない。借金をしない。余剰資金は株式インデックス投資する。著者は共働きの時期もあり、なんと収入の50%を貯蓄に回してきました。もちろん貯蓄は30%でもよい。大切なのは収入より多く支出しないといことなのです。


 また、株式インデックス・ファンドは上がり、下がりが予想されますが、30年、40年という長期にわたって保有し続けることを前提とします。そうすることで、株式の上がり下がりのリスクを最小限にすることができるのです。これは個人投資だからできるのであって、短期間に成果を求められるファンドマネジャーにはできない芸当なのです。


・本書は投資と人生の哲学について書いています。中心となるのは次の3つの原則です。支出は稼ぎより少なくする。余りは投資する。そして、借金をしない(p5)


 著者は仕事を転々としており、投資関係の調査をしている会社に就職したこともあります。そこで気づいたのは、いくら情報を集め、分析し、頭の良いファンドマネジャーを雇っても未来の株価を予想することは非常に難しいということです。もし、未来の株価を長期的に予想できる人がいるとすれば、ウォーレン・バフェットよりも大金持ちの投資家が何人もいるはずでしょう。でも、そんな人は存在しません。


・市場のタイミングをつかもうとするのは、長期的に見ると、勝てないゲームです・・・もしそれをできる人がいたら、ウォーレン・バフェットよりも大金持ちになって、彼の倍くらいもてはやされているはずです(p77)


 株式のインデックスファンドに投資するということは、その国を買うということと同じ意味なのでしょう。これからもアメリカが繁栄するとすればアメリカの株式に投資すればいい。日本が繁栄するとすれば日本の株式に投資すればいいのです。ただし、どの国がどれくらい繁栄するかは誰にもわかりません。


 収入の範囲内で生活するということは非常に禁欲的な生活となりますが、早期の経済的自立を目標とすれば必須の考え方なのでしょう。アメリカ人的な合理的な語り口が印象的でした。コリンズさん、良い本をありがとうございました。



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この本で私が共感した名言

・ダウ平均が19世紀末に66ドルで始まり、100年後に1万1400ドルになっているのに損をするなんて、どうやればできるのでしょうか・・・それは、うまくやろうとして、市場から出たり入ったりを繰り返したからです(p66)


・「すべての卵を1つのかごに入れて、そのことを忘れましょう」・・・入れるべき「かご」はVTSAXです・・・全米の約3700社すべての一部分ずつを所有しているということです・・・今から40年後には、道を少し平坦にするために、債券のインデックスファンドを加えたいと考えるかもしれません(p152)


・多くの投資アドバイザーは、よい結果を出してくれません。投資が複雑に見えるのは、金融業界が苦労して複雑に見えるようにしているからです・・・インデックス投資はシンプルであり、しかも、よい効果的なのです(p211)


・保険の商品は、手数料が最も高いグループに入ります・・・年金保険や終身保険には手数料が10%のものもあります。しかも、この手数料は投資の裏に隠されてしまうので、まったく気づかれません。このような詐欺行為が合法に行われている理由はわかりませんが、それが実態です(p216)


・コストをかけずに生活できる技を磨いて、多くの冒険にチャレンジしましょう・・・収入の50%以上を蓄えに回せば、目標達成はとても早くなります(p282)


・資産の4%で生活費をまかなえるようになったら、経済的に自立できたと考えてよいです(p283)


・現金はとても安全だと考えられています。しかし、インフレのもとでは、日々、価値が下がっていきます(p296)


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▼引用は、この本からです
「父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え」ジェイエル・コリンズ
ジェイエル・コリンズ、ダイヤモンド社


【私の評価】★★★★★(90点)



目次

はじまり
Ⅰ イントロダクション
Ⅱ たとえ話 ── 僧侶と大臣
Ⅲ これは引退後の話ではありません
Ⅳ 大切な注意書き
Part1 オリエンテーション
(1)借入金は、負ってはいけない重荷
(2)「会社に縛られないお金」が必要な理由
(3)誰もが大金持ちになって引退できるか
(4)お金についての考え方
(5)急激な上げ相場(あるいは下げ相場)での投資
Part2 資産形成の最強ツールをどうコントロールするか
(6)大暴落がやってくる ── 有名な経済学者でも助けられない
(7)市場はいつも上昇する
(8)なぜ市場でお金を失う人が多いのか
(9)とんでもない出来事
(10)あくまでもシンプルにいく ── 考え方と商品
(11)インデックスファンドはやる気のない人のためのもの?
(12)債券について
(13)資産を築いて維持するポートフォリオの考え方
(14)資産の配分を考える
(15)国際的なファンド
(16)あらゆる人々にとって最もシンプルな投資方法
(17)バンガードの商品を買えない場合
(18)バンガードとはいったいなんなのか
(19)ケーススタディ:最もシンプルな投資の実践
(20)投資アドバイザーを好まない理由
Part3 なぜ、ほかの投資はよくないのか
(21)ジャック・ボーグルとインデックスファンドに対するバッシング
(22)株式銘柄をうまく選択できない理由
(23)ドルコスト平均法を好まない理由
(24)マーケットの権威になってテレビに出演する方法
(25)あなたも騙されるかもしれない
Part4 たどり着いたあと、何をするか
(26)引き出す比率 ── 結局、いくら使えるか
(27)大富豪のように寄付をする
おわりに
(28)子供に示した道 ── 最初の10年間
(29)南太平洋のお話
(30)最後にリスクについて


著者経歴

 ジェイエル・コリンズ(JL Collins)・・・ファイナンシャル・ブロガー(ブログ「jlcollinsnh.com」)。1975年から投資を行っている個人投資家。何度も転職する中で、収入の範囲内で生活するようになり、気がつけば夫婦どちらも働かなくても暮らせるようになっていた。実践したのはシンプルな投資だけ。収入の半分を投資、借金をしない、バンガード創業者ジャック・ボーグルの教えに従ってインデックスファンドに投資する。2011年、娘に「お金と投資」についての手紙を書き、その内容をブログに発表し、注目される。


インデックス投資関係書籍

「父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え」ジェイエル・コリンズ
「元財務官僚が5つの失敗をしてたどり着いた これからの投資の思考法」柴山 和久
「サブプライム後の新資産運用―10年後に幸せになる新金融リテラシーの実践」中原 圭介
「アセットアロケーション革命」内藤忍


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