【書評】「サブプライム後の新資産運用―10年後に幸せになる新金融リテラシーの実践」中原 圭介
2008/11/13公開 更新

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【私の評価】★★★★★(92点)
要約と感想レビュー
投資は分散させる
2年前に米国の住宅バブルを指摘し、サブプライム問題を予測したファイナンシャルプランナーの一冊です。実際に投資する人の立場にたったアドバイスをしており、非常に論理的、分かりやすい内容になっています。
資産運用については、一般的に株式・債権への分散投資、長期投資などがよく言われています。しかし、この本のお薦めポートフォリオは、そうした常識にしばられず、円預金+外貨預金を基本としています。
さらに、もしリスクが取れるならば、国内株式、その次に海外株式を組み入れていきます。
ユーロを中心に据えて、残りを米ドル、ポンド、オーストラリアドル、ニュージーランドドルなどにバランス良く分散(p170)
手数料の安いものが基本
特に、「債権よりは外貨預金」というところは、私もなんとなく感じていた手数料の高い債権への別のアプローチとして、一つの新常識というものでしょう。
つまり国内債権の金利は少なく、海外債権の金利は高い分、手数料が高いので、リターンは小さいのです。であれば、外貨を持つだけで、最低限の国際分散になるのです。
また、株式投資をするならば、手数料の安いインデックスファンド、EFTを勧めており、こうした的確なアドバイスが、著者の信頼性を高めていると思います。
伝説の投資家であるウォーレン・バフェットも、「ほとんどすべての投資家にとっての最良の方法は、最も手数料の安いインデックスファンドを持つことである」と述べています。(p78)
円と国内株式と外貨預金
著者のおすすめは、円預金(現預金)・国内株式・外貨預金・の3つの金融商品に分散させることです。よりリスクを取るなら、外国株式を加えていくという保守的なものです。
投資関係のアドバイス本としては、強くお薦めする一冊です。というよりも、この本を参考に、外貨預金を積み増すことにしました。本の評価としては★5つとします。
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この本で私が共感した名言
・あなたが仕事を持っていれば、資産運用より仕事を大事に考え、頑張るべきです。そして、仕事が忙しいときには、できるだけ変動リスクが大きい株式などの金融商品の保有を減らす自制心を身につけるべきです。(p269)
・外貨預金を7、国内株式を3にした場合が、最もリスクの低減効果があるとされています(p125)
・外国株式を売買するときは、ETF以外は利用しないことをおすすめします。そうしないと、コストが大きすぎるからです。(p234)
【私の評価】★★★★★(92点)
目次
序章 破綻寸前の日本の現状
第1章 資産運用の基本1 リスクのコントロール方法を身につける
第2章 資産運用の基本2 世界経済と相場のトレンドの掴み方を身につける
第3章 「外貨預金」で資産を守る
第4章 「株式投資」で資産を増やす
著者経歴
中原 圭介(なかはら けいすけ)・・・ファイナンシャルプランナー。エコノミスト。金融コンサル会社「アセットベストパートナーズ株式会社」ディレクター。サブプライム問題を2年前に予測。
インデックス投資関係書籍
「敗者のゲーム」チャールズ・エリス
「父が娘に伝える自由に生きるための30の投資の教え」ジェイエル・コリンズ
「元財務官僚が5つの失敗をしてたどり着いた これからの投資の思考法」柴山 和久
「サブプライム後の新資産運用―10年後に幸せになる新金融リテラシーの実践」中原 圭介
「アセットアロケーション革命」内藤忍
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