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「「グチ活」会議-社員のホンネをお金に変える技術」仁科雅朋

2020/11/04公開 更新
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「「グチ活」会議-社員のホンネをお金に変える技術」仁科雅朋


【私の評価】★★★★★(93点)


要約と感想レビュー

 「グチ活」会議とは、コンサルに入った会社で最初に行う社員のグチを話してもらう会議です。出てきたグチの扱いは匿名ですが、上司や社長に報告されます。「グチ活」会議では、出てきたグチを重要と緊急で整理したうえで、重要度大のグチについて問題解決会議を行うのです。


 本音のグチが出ることが大事であり、社員自ら問題解決案を作ることが大事だのです。この「グチ活」会議とは、会社の現場・現実を把握するためのツールなのでしょう。


・最適な人数は4~6人・・・2~3人ですとグチを言った個人が特定されやすいので、グチがあまり出てきません(p85)


 著者の経験と余裕がわかるのは、1回の「グチ活」会議では、解決策が順調に実施されることは少ないと断言しているところです。1回目で課題が解決できるくらいなら、会社の業績が悪くなることはないのです。2回目の「グチ活」会議で、なぜ解決策を実行できなかったのか、本音の議論を行うことで、やっと本音に近づき、部門間の垣根も低くなってくるという。


 このように部門間の悪口を明らかにし、部門間で共有し、その課題を解決しようとする全社的な取り組みが会社を変えるのです。それまで言えなかったことを、いかに言ってもらうのかが大事なのです。本音を引き出すことがいかに難しいのか、ということでしょう。


・解決策が実行に移されなかったり、行動が遅かったりする・・・2回目の『グチ活』会議の振り返り時には、「できなかった理由」をグチとして吐き出し、より本音で語り合うように勧めることが重要です(p115)


 気楽に会社の課題を言ってもらうために「グチ活」会議とはよいネーミングだ、と思いました。組織を変えるコンサルタントは、組織の本音、実態を引き出す人だということです。著者の経験の深さが伝わってきましたので★5とします。


 仁科さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・メンバーたちは、ただ素直に会社への不満を口にしているだけなのですが、その不満を裏返せば、そこに見事な改革案が浮かび上がってくるのです(p29)


・不満ばかり言う社員は問題社員のように思われるかもしれませんが・・・会社に対する不満は、会社に対する愛情の裏返しなのです。会社に期待しているからこそ、グチも出てくるのです(p33)


・本当に不満だらけですよね・・・ただし、不満には勢いがあります。これは変革の大きなチャンスです(p76)


・メンバーがたとえできていなかったとしても、「何でできないんだ」などと責めるのではなく、「できないのが普通」であることを大前提にしてください・・・どうしたらできるようになるかを考えるのです(p158)


・なぜ、人は決めたことを実行することができないのでしょう・・・これまでと変わらない空間にいたほうが、心理的に一番安全なわけです。そのため、そこから出ようとすると、無意識に引き戻そうとする心理的作用が働いてしまいます(p110)


・例えば、腕立て伏せを100回やれるようになるためには、毎日の目標は1回で構いません・・・明日の目標も「1回」です。明後日の目標も「1回」です(p120)


・「あなたの不満を50円で買い取ります」・・・株式会社不満買い取りセンターといい、一般消費者が、電話やメールでこの会社あてにグチるだけでお金をくれるという不思議な会社です・・・不満を集め、その内容を・・企業に売っているのです(p31)


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▼引用は、この本からです
「「グチ活」会議-社員のホンネをお金に変える技術」仁科雅朋
仁科雅朋、日経BP 日本経済新聞出版本部


【私の評価】★★★★★(93点)



目次

第1章 堂々と不満を言える会社ですか?
第2章 『グチ活』会議のすすめ
第3章 『グチ活』会議を始めよう
第4章 アクションプランとチームPDCAが変革のエンジン
第5章 部署間の悪口をすべて吐き出したら超売り上げアップ
第6章 良い『グチ活』 悪い『グチ活』


著者経歴

 仁科 雅朋(にしな まさとも)・・・株式会社ジーンパートナーズ代表取締役。1966年生まれ。東京都町田市出身。中央大学法学部卒。大学卒業後、食品会社に就職。営業部に配属となり、戦略的商品のシェア拡大により入社最短年数で社長賞を獲得。 1997年、31歳で独立起業。企業研修の営業からスタートし、2005年、当時最大級の2500人規模の新入社員研修を100社の競合を押さえて受注。その後、人材育成のHR部門から営業部門の業績支援に移り、組織変革コンサルタントとして数々の企業変革に携わる。20年のコンサルティング実績は業種を問わず、10億円の中堅企業から1兆円を超えるグローバル企業までと幅広い。業績向上を狙いとした「本音を語れる組織づくり」を組織変革のベースとしている。


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