【書評】中間管理職なら読みたい「ミドルマネジメントの正解」作佐部孝哉
2020/09/04公開 更新

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【私の評価】★★★☆☆(74点)
要約と感想レビュー
自ら動く組織
「働き方改革」コンサルタントが中間管理職向けに書いた一冊です。「働き方改革」とは短い時間で成果を出すということですから、自ら動く組織を目指しているようです。
そのためにはゲーム化、試行実践、言いたいことが言える雰囲気、チームのまとまりを重視しています。例えば、リーダーはメンバーにどうなりたいかを問い続けて、自ら動くようにしてもらうのです。
数字に追われ、メンバーが「やらされ感」で動いている組織に未来はありません(p3)
人間関係のチェックリスト
セミナーでも使えるように、組織のあり方から個人の心構えまで幅広くカバーしています。
興味深いのは人間関係のチェックリストでしょう。ダメなチームは、ミスすると非難される。意見が異なると拒絶される。チャレンジが許容されない。周りから邪魔される。意図的に貶めようとする。好き嫌いで評価するなどの傾向があるという。
私はそうしたチームで働いたことがあるので、説得力が感じられます。
特に議論するテーマがなくても1週間に一度30分程度顔を合わせて雑談するだけでもチームとしてのまとまりが変わってきます(p77)
仕事のゲーム化
個人的にはゲーム化に興味がありました。効率化の取り組みをゲーム化するのです。例えば、改善提案を出してくれたメンバーには、社内の「ありがとうポイント」を渡したり、実際に採用して効果のあった案を出したメンバーをポケットマネーで食事に招待したりしている事例があるという。
コンサルタントだけあって理論中心の一冊でした。「働き方改革」という時流にあった一冊なのでしょう。
会社経営を行うパートナーとして、自らの工夫を教えてもらえるともっとよかったかもしれません。作佐部さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・計画重視から試行実践へ(p37)
・仮に相手を論破したとしても、そこで相手が心から納得することはあり得ません・・・相手に恥をかかせない、相手のプライドを傷つけないのは、優しさであり、強さです(p220)
・私は、土日にメールを送らないようにしています・・・ネガティブな話、例えば課題の指摘や、資料の修正依頼といった話についも夕方以降にはしないようにしています。(p83)
・「人に10をお願いしたら、1やってもらっただけでも感謝する」、そういうマインドセットでいれば、イライラとは無縁でいられます(p213)
・ベテランにまず相談するメリット・・・何かメンバーから反発があったときも、「なだめ役」に回ってくれます(p193)
・何か悪い結果が起きたとしても、そこで落ち込むのではなく、今回の悪い結果をうまく使うことで、「災い転じて福となす」とするにはどうしたら良いかと考え、良い結果に変えていけばいい・・(p208)
・コンサルティング業界では、一定の離職率があることは組織として健全と考えています(p147)
・現時点で優先度が高い3つのタスクを書き出して片付ける・・・「やるべきこと」や「やりたいこと」を眺め、来週やることとして組み入れていく(p144)
【私の評価】★★★☆☆(74点)
目次
はじめに あなたは間違った頑張り方をしていないか
第1章 組織のあり方をアップデートしよう
第2章 リーダーとしての心構えをアップデートしよう
第3章 仕事の進め方をアップデートしよう
第4章 メンバーの伸ばし方をアップデートしよう
第5章 自分のあり方をアップデートしよう
著者経歴
作佐部 孝哉(さくさべ たかや)・・・PwCコンサルティング合同会社パートナー。組織・人材の生産性向上をテーマについてコンサルティング活動に従事。リーダー育成やチーム力強化において数多くの変革プロジェクトを手掛ける。社内コンサルタント向け研修講師で、年間No.1の満足度を達成。近年は、政府・中央省庁のアドバイザーとして、厚生労働省が主導する「働き方改革」領域をはじめ、数多くのプロジェクトで統括責任者を務める
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