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「中国は民主化する」長谷川慶太郎

(2020年5月 8日)|本のソムリエ メルマガ登録
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【私の評価】★★★☆☆(70点)


■共産党を脱退し、エコノミストとして
 ソ連崩壊、トランプ勝利を予想し、
 2019年9月に亡くなった長谷川さんの一冊。


 中国経済は減速し、
 共産党員の汚職と海外送金は続き、
 負債のデフォルトも頻発している。


 中国の経済減速の結果、
 国民の暴動が発生。


 それを押さえられなければ、
 人民解放軍の軍区別に中国は
 分裂するだろうというのが
 長谷川さんの予想です。


・私はGDPの約6倍の借金が中国にはあると見ています。金額にして600兆元。一方、日本の負債はGDPの2倍弱で、中国は日本以上ひどい状況にあるといえます(p93)


■また、長谷川さんの意見は、
 習近平は世界制覇を目指している
 のではなく、人民解放軍が暴走
 しているだけだというものです。


 いずれ人民解放軍を含む反対派を
 習近平が粛清すれば、習近平は
 親日になるという見立てです。


 ということは、中国が4月に
 南シナ海に行政区を設置したのも
 人民解放軍の暴走?なのでしょうか。


 また、新疆ウイグル自治区で
 100万人単位でイスラム教徒を収容所に
 収容しているというのも
 人民解放軍の暴走なのでしょうか。


・習近平が軍の行動を抑え込もうとしたら国内でクーデターが起こる可能性があります。つまり習近平が世界制覇を考えているのではなく、人民解放軍が南シナ海で軍事基地を建設するなど勝手に動いているだけだと長谷川さんは言っているのです(田原総一朗)(p4)


■エコノミストの話は、
 事実と解釈をわけて読む
 必要があると感じました。


 だれでも中国経済の減速や、
 汚職の蔓延や人民解放軍の暴走、
 中国共産党内の権力争いを
 知ることはできます。


 その結果、何が、いつ起こるのか
 予想するのはその人の考えしだいであり、
 非常にばらつきが大きく、精度が低い。


 もし正しく予想できるのなら、
 投資で大金を稼ぐことができる
 のですから、エコノミストを
 やっているはずがないのです。


 長谷川さん、
 良い本をありがとうございました。


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■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・中央政府はGDP成長率が6.0%台をキープしていると発表していますが、実態はもっと低い数字、具体的には2~3%、悪ければマイナスではないかと私は見ています(p81)


・今の時点では、言論の自由を封じ込まなければならないのです・・・民主化を狙っている習近平にとってこれは真逆の政策ですが、民主化が実現できるまでの臨時処置だと考えられます(p42)


・2012年に習近平政権が発足する直前に周永康と薄熙来の両氏はクーデターを画策したとの疑惑をもたれ・・・2017年10月の第19共産党大会で、中国証券監督管理委員会主席の劉士余が、郭伯雄中央軍事委員会副主席グループと、クーデターを企てていたことを明らかにしました(p22)


・シャドーバンキングは、軍事費の流用から始まりました・・・ピーク時、約3万社もありました・・経済の減速を背景に、投資資金が回収できていない・・・人民解放軍は返済資金を調達するためにさらなる理財商品を発行する「自転車操業」状態に追い込まれております・・(p64)


・インフレが進むなどして食べものが手に入りづらくなり、国民の生活が不安定になった途端、中国全土で暴動が起きると私は予想しています。これまで賄賂や汚職でいい思いをしてきた共産党員に対する不満がここで一気に爆発すると思うのです(p122)


・近い将来、北朝鮮では食べられなくなった国民が暴動を起こすでしょう・・・中国が北朝鮮を制圧することに対し、アメリカが出した条件は二つあります。一つ目は人民解放軍による北朝鮮の占領を短期間にすること。二つ目は金正恩以外の国民を守り、現状を維持することです(p139)


・偶発的な衝突が起きる・・人民解放軍と連絡を取り合うホットラインの開設が必要です。しかし、今のところ日本の自衛隊と中国の人民解放軍の間にそれはありません(p68)

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▼引用は、この本からです。

長谷川慶太郎、SBクリエイティブ


【私の評価】★★★☆☆(70点)


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■目次

第1章 なぜ、習近平は権力を集中できたのか
第2章 共産主義は人類を幸せにしない
第3章 民主化後の中国
第4章 中国は北朝鮮を捨てる
第5章 私の予言


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