「読書をプロデュース」角田陽一郎
2020/04/09公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(81点)
要約と感想レビュー
中公文庫「世界の歴史」16巻を読む
「さんまのSUPERからくりTV」「中居正広の金曜日のスマたちへ」を手掛けたTBSプロデューサーの読書のすすめです。著者は高校生のとき、中公文庫の「世界の歴史」16巻を読んで、小説のようなおもしろさを感じたという。
著者は、読書で世の中の多様さを知ったことで、あえてテレビのバラエティの世界を選んだという。読書で生き方を変えた人として、宇梶剛士さんや野口健さんを紹介しています。世の中には、読書がきっかけで生き方を決めた人がけっこういるのですね。
読書することで「やりたいこと」が見つかる・・・チャップリンの自伝を読んで俳優を志すようになった宇梶剛士さんや、冒険家・植村直己の著書を読んで登山を始めた野口健さんの話は有名です・・(p74)
著者の本の読み方
著者の本の読み方は普通です。まえがきと第1章くらいまで読んで、「つまらない」と思ったら読むのをやめる。アウトプットしない。メモしない。(やりたければやる)読書は自分の成長とともに変わっていくものであって、その時に合った本を幅広く読んでいこうというものでした。
速読については、自分のペースで本を読むことが基本であり、速読して本の内容がわからないのであれば、逆効果であり、あくまで自分のペースで読むことが大事としています。速読するより、自分のペースで読むことなのです。
まえがきと第1章くらいまでは読みましょう・・・その上で、僕は「つまらないな」と思ったら、読むのをやめます(p44)
なんで本を読まないの?
読書をして悪いことはない。いいことしかない。なんで読まないの?という思いが伝わってきました。読書をして悪いことはない、は正しいと思います。自分のレベルに合った本を読んでいきましょう。
また、著者は他人の「つまらない」という悪いほうの評価は信用しないという。その理由は、その人にその本をおもしろいと思うだけの素養がなかった可能性があるからです。書籍は深いですね。角田さん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・仕事でもっとも大事な「想像力」は小説で磨ける・・・人間は感情で動きます。その感情は、ストーリーが原動力なのです(p121)
・テレビ業界には「ワイドショーは、くだらないゲスに毒々しくしないと視聴率が取れない」みたいなことを言うテレビマンがいますが、まさにこれが想像力の欠如だと思います(p178)
【私の評価】★★★★☆(81点)
目次
第1章 なぜ僕たちは今、本を読まないと死んでしまうのか?
第2章 どんな人にとっても、読書は「いいこと」しかない
第3章 仕事でもっとも大事な「想像力」は小説で磨ける
第4章 僕たちは今後、どのような読書をすればいいのか?
第5章 読む本に迷ったら、まず新書を手にしよう
著者経歴
角田陽一郎(かくた よういちろう)・・・バラエティプロデューサー、文化資源学研究者。1970年千葉県生まれ。東京大学文学部西洋史学科卒業後、1994年にTBSテレビに入社。TVプロデューサー、ディレクターとして「さんまのスーパーからくりTV」「中居正広の金曜日のスマたちへ」「EXILE魂」などを制作。2009年ネット動画配信会社goomoを設立。映画『げんげ』監督、音楽フェスティバル開催、アプリ制作、舞台演出、その他多種多様なメディアビジネスをプロデュース。2016年にTBS退社、フリーに。番組プロデュースや企業コンサルなどの傍ら、東京大学大学院・人文社会系研究科・文化資源学研究専攻・文化経営学修士課程へ入学。現在、東京大学文化資源学研究専攻文化経営学博士課程に在籍中。
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