「老後は非マジメのすすめ」立川談慶

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老後は非マジメのすすめ

【私の評価】★★★★☆(84点)


■立川談慶(たてかわ だんけい)さんは
 私と同じ53歳ですので、
 老後の入口に立っているのでしょう。


 落語家の視点から老後を
 どう生きるのかをテーマに
 一席ならず七章書いています。


 談慶さんが伝えたいのは
 「気楽にのんきに老後を
 生きればいいんじゃないの」
 ということなのでしょう。


・古今亭志ん朝(ここんてい しんちょう)師匠が『火焔太鼓(かえんだいこ)』のマクラで甚兵衛さんを評して「世の中をついでに生きている」と言っていますが、言い得て妙であります・・のんきさを如実に表した落語家らしい表現です・・(p136)


■各章の最初に一つの落語が紹介され、
 それをマクラに話がはじまります。


 例えば第二章は『芝浜』。
 芝の浜で42両をひろった飲んだくれの夫は、
 また酒を飲んで寝てしまった。
 起きた夫に「それは夢だよ」と
 妻は思い込ませることに成功します。


 「なんだ夢か」と夫は酒を絶ち
 仕事に打ち込み、店を持つまでに成功。
 そこで「あれ夢じゃなかったの」と
 妻が教えるというもの。


 やっぱりカミさんは大事にしたいし、
 酒は飲まないに越したことはないし、
 仕事はコツコツとやるものなのでしょう。


・おカネの一番の怖さとは、
 そのおカネを失くした時の怖さではなく、
 それと引き換えに
 人間関係を失う怖さなのです(p112)


■老後の話よりも、
 師匠である談志さんの話が
 面白いですね。


 落語家は笑いを追求していますが、
 人や世の中の本質を考える
 哲学者のような面もあるようです。


 談慶さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・落語の中では、老後に近い意味で隠居という言葉を用いています・・・昔のお年寄りは、今より敬意を持たれていたのかもしれません(p18)


・安政年間(1854~60)には、落語をはじめ講談や義太夫(ぎだゆう)などを聞かせる寄席が、江戸市中に300件を超えたと言われています(p106)


・ブッダがキリストに、「落語、おもろいでっか?」と、なぜか関西弁で問うたら、キリストだけに「イエス!」と答えたりして・・(p124)


・「体力の衰え」を指摘されたら「若い世代にチャンスを譲ってあげてるのよ」と伝えてあげましょう。「同じ話しかしない」と言われたら「いい話は何度聞いてもいいのよ、落語がそうでしょ」と笑いながら話してあげましょう。何を言われても「暖簾に腕押し」の与太郎的雰囲気(p233)


・談志が言い続けていた「与太郎はバカじゃない」説・・・「バカのフリをした利口」こそ、与太郎と言えなくもありません。談志は自らを、「利口のフリをした利口だから、タチが悪いんだ」と言っていましたっけ。ほんとめんどうくさい人でした(p219)


・談志はよくこんな感じで「話してみろ」と弟子たちにけしかけていたものです・・・「・・病気と話してみればいい。ガン細胞にも語りかけてみろ。向こうにも言い分があるはずだ。そういう会話を持たないで一方的に処理するところに今の医学の傲慢がある」とも言っていました(p135)


・談志は・・「現実が事実だ。そして現状を理解、分析してみろ。そこにはきっと、なぜそうなったかという原因があるんだ」(p65)


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■目次

第1章 究極の楽しみ方を「貧乏」にみつけたり エピソード1『長屋の花見』
第2章 家族のカタチ エピソード2『芝浜』
第3章 あっぱれ!老人力 エピソード3『小言幸兵衛』
第4章 人生はネバーエンディングストーリー エピソード4『死神』
第5章 古いものには文化がある エピソード5『火焔太鼓』
第6章 自分至上主義の痛快 エピソード6『権助魚』
第7章 人生はバクチだ エピソード7『文七元結』
最終章 スーパースター与太郎 エピソード8『与太郎噺の数々』



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