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「落語に学ぶ粗忽者(そこつもの)の思考」立川 談慶

2021/06/30公開 更新
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「落語に学ぶ粗忽者(そこつもの)の思考」立川 談慶


【私の評価】★★★★☆(82点)


要約と感想レビュー

 粗忽者(そこつもの)とは、一般に軽率でそそっかしい人です。落語にはそんな「ドジ」で「間抜け」なキャラクターが出てきます。


 著者が教えるのは、落語という笑い話の中に、人口過密な江戸の世の中を生き抜いてきた先人の智恵が詰まっているということです。そんなバカでドジな人間がドタバタしながらも、本人は真剣に、お門違いなことをしていることが笑いを誘う噺が多いのです。


・"バカ正直"な男・・・ひどい状況に陥ったにもかかわらず、そこで夢中になって努力し続けてしまう、愛すべき"粗忽者"(p178)


 日本人はすぐに謝る、自己肯定感が低いと言われますが、実は、そうした人のほうが江戸時代は生きやすかったんではないのか、と著者は推測しています。つまり、過密な江戸でご近所さんとお付き合いしていくには、ちょっとしたトラブルにもすぐに謝ったほうがいい。そして、失敗してもあまり気にしない間抜けのほうが生きやすいのです。


 それにちょっと心配性のほうが気配り目配り心配りで失敗するリスクが極限まで低くなって、これもまた世の中を渡りやすいということなのでしょう。確かに日本の世の中は、絶対に失敗しない心配性の人のほうがうまくいくのかもしれません。


・人口過密な"長屋"というコミュニティで生き抜いていくには、自己肯定感をできるだけ低く保ち、うまく謙遜し、世辞を言い合うのが賢い処世術だったのです(p5)


 聞かずに放っておいた落語のCDがあったので、この本で紹介されていた「品川心中」「孝行糖」を聞いてみました。今はYOUTUBEで落語は簡単に聴けるようです。いい時代になりました。こうして聞いてみると、落語というのは江戸時代のオーディオブックだったのではないかなんて思いながら聞いておりました。


 この本を入り口にして、皆さんも落語の世界を楽しんでみてはどうでしょうか。立川談慶さん、良い本をありがとうございました。



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この本で私が共感した名言

・「とりあえず謝っちまえよ。誤ってれば、小言は頭の上を通り抜けていく」・・・江戸っ子たちは「腰の低さ」や「謝りグセ」こそが人間関係を円滑にしてくれたり、自分を守ってくれたりする・・(p114)


・「自信がなくて自分のことを嫌いなくらい繊細な人のほうがむしろ高感度は高い」という事実を知ってください(p55)


・"心配性"でちょうどいいんです。小さな「気疲れ」を積み重ねていれば、不思議なもので、突然大きなトラブルに見舞われるリスクを最大限に減らせます(p20)


・「理不尽な目に遭ったのは人のせい」「恥をかいたのは、周囲のせい」と割り切って、負の感情をひとりで背負いこまないようにしたいものです(p182)


・雄弁じゃない。流暢でもない・・・それでいいじゃないですか。言葉を丁寧に取り扱う人が失言する確率は、限りなく低いことでしょう(p29)


・メタ認知能力・・・「俺みたいな"並"の男に、みんなが優しく接してくれるのは、肩書きの力なんだよなあ。」もし謙虚にそう認識していれば、セクハラ、パワハラなどの問題なんて起こりません(p135)


・「単独で心ゆくまで何かを楽しめるか」が、実は"教養"というものの正体なのです(p86)


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▼引用は、この本からです
「落語に学ぶ粗忽者(そこつもの)の思考」立川 談慶
立川 談慶、WAVE出版


【私の評価】★★★★☆(82点)


目次

第1章 粗忽者に学ぶ「人との関わり方」
第2章 粗忽者に学ぶ「自分の許し方」
第3章 粗忽者に学ぶ「仕事の考え方」
第4章 粗忽者に学ぶ「ひとりの過ごし方」
第5章 粗忽者に学ぶ「生き方の哲学」
第6章 気持ちがふっと楽になる落語10選



著者紹介

 立川談慶(たてかわ だんけい)・・・1965年、長野県上田市生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、株式会社ワコール入社。3年間のサラリーマン経験を経て、1991年、立川談志の18番目の弟子として入門。前座名は「立川ワコール」。2000年、二つ目昇進を機に立川談志に「立川談慶」と命名される。2005年、真打昇進。


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