「がん外科医の本音」中山 祐次郎

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がん外科医の本音 (SB新書)

【私の評価】★★★☆☆(73点)


■39歳の現役がん外科医による
 がん治療にに係る情報です。


 若手ということもあって
 患者はお客様という視点から
 傲慢な医師を徹底批判しています。


 セカンドオピニオンを考える患者に
 激怒したり、「失礼でしょ」などという
 医師は失格と切り捨てています。


・「失礼だ!」・・医者はなぜこんな言葉を
 使うのでしょうか?・・「治療してやって
 るんだから、敬いなさい」という考えが 
 透けて見えます。このような医者は、
 すぐに替えた方がいい(p107)


■踏み込んでいるところは、
 教授や学会の役員が製薬会社と
 密接につながっている点を
 書いているところでしょうか。


 つまり、学会の役員などになると
 製薬会社との付き合いや、
 学会の方針に従って、
 思ってもいないことを
 言うこともあるようなのです。


 とはいっても、そうしたことは
 多くの書籍で指摘されており、
 想定の範囲内の内容だと思います。


・医学界の重鎮による意見は、
 偏っている可能性がある・・
 重鎮とは、教授や○○学会の理事などです。
 たとえば、「本当は○○はあんまり
 すすめられないんだけど、理事をやって
 いるナントカ学会はこれを推進しているしな」
 というようなもの(p177)


■医師といってもガイドラインに
 従って治療するしかないわけで、
 自由度は小さいのだと思いました。


 どちらかといえば、
 医師の人間性や接客態度のほうが
 医師としての差が大きいのでしょう。


 つまり、患者に医師がどれだけ
 寄り添っているように感じさせるのか
 ということが大事ということです。


 出版前に多くの医師に原稿チェックを
 お願いしているとのことで
 常識的な内容でした。


 中山さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・良性と悪性の線引きは実はあいまいです。
 良性でも勝手に増えたり、周りを壊したり、
 遠くに移ったりすることがあります(p39)


・がんに関するガイドラインの作成委員と
 呼ばれる専門家たちの多くは、
 抗がん剤を作っている複数の製薬会社から
 お金を受け取っています。ただし、お金と
 いっても賄賂ではありません。多くは、
 講演の謝礼金と研究助成費です(p61)


・週刊誌の医療・健康情報は「タイトルも
 内容も、過激さに重きを置きすぎている」・・
 中には、すでに自分のストーリーを取材前に
 作っていて、そこにハマるせりふを医者に
 言わせたいだけの人が少なからずいます(p194)


・緩和ケアを早くから始めたがん患者さんは、
 そうでない人と比べて生存期間が伸びたという
 研究がありました(p67)


・病院側としては「見捨てている」
 意識はありません。が、
 「これ以上ここでできる治療はない」
 ということをお伝えすると、
 「もう来ないでください」
 というふうに伝わってしまう
 のかもしれません(p114)


・オススメしたいのは、「始めの段階で、
 相性が悪いと感じたら医者を替えた
 ほうがよい」ということです(p89)


・セカンドオピニオンに行くタイミング・・・
 いろいろな検査をし終えた後、「あなたは
 ○○がんのステージ○でした。治療方針は
 まず抗がん剤をやり、その後手術を考えて
 います」というタイミング(p102)


・セカンドオピニオンを患者さんが申し出た
 ところ、激怒する医者がいる・・・
 そういう小者の医者からはぜひ離れる
 べきです。ダメな医者ということが
 わかってラッキーだった、くらいに
 とらえていただければよいでしょう(p105)


・怒る医者に限って、治療方針に自信がなく、
 自分の能力が足りないことを他の医師に
 露呈することが我慢ならない人です。
 もしくは、医者の権威にすがることで
 自らを高めたい哀れな人たちです(p105)


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■目次

第1章 医者から見る「がん」とはどんな病気なのか
第2章 がん治療と薬の本音
第3章 主知医と病院の本音
第4章 がん予防の本音
第5章 がん検診の本音
第6章 患者生活の本音
終章 がんになるということ



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