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「自分の時間を取り戻そう―ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方」ちきりん

2019/04/24公開 更新
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自分の時間を取り戻そう―ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方


【私の評価】★★★★★(91点)


要約と感想レビュー

労働生産性の本質

働き方改革とは、労働生産性を高めるということ。この本では、ちきりんさんが労働生産性の本質について、本音で解説する内容となっています。では、どうすれば生産性が上がるのか。ちきりんさんの答えは、時間を制限するということ。そしてその時間内に成果を出すよう工夫していくということです。


例えば、ちきりんさんは事前に休暇の予定をたてます。すると「どうすればこの厳しい締め切りを守れるのか?」と考えざるをえなるのです。そうるすと、24時間のうち「一定レベル以上の集中力で頭を動かすことが可能な4時間」を大切にするようになるという。具体的には、午前中に頭を使う仕事をするのです。


「投入する時間を制限する」ことが、生産性を上げるための鍵であることは間違いありません(p151)

資源の有効活用

また、最近のIoTの本質とは、情報技術を活用して使われていない資源を有効活用するということです。つまり、まったく生産していないものを価値あるものにしている。生産性を高めているのです。


例えば、学校のグラウンドや校舎、歯科医院や美容院の店舗、レストランなど営業時間以外はまったく活用されていない資源を有効活用できればいいのです。


これからはあらゆるムダが有効活用できないか、試行錯誤が繰り返されることになるのでしょう。特に、これまで規制で縛られていた業界が狙い目だと思います。


逆の視点でいえば、ガラガラの美術館、ヒマな人しか訪れない公共温泉施設、交通量の極めて少ない立派すぎる高速道路などの生産性は低いのです。どうやら公共の施設には、生産性の点から不要なものもあるということなのでしょう。


これまで活用されないまま放置されていた3つの資源が有効活用され、価値に置き換え・・・Uberが有効活用を始めた「自家用車の空き時間」・・・Airbnbが有効活用を促した「空いている部屋や家」・・3つめの資源が、車や部屋を所有する人のヒマな時間です(p30)

大切なものにお金をかける

個人の人生での判断においても、生産性という考えが重要です。同じお金を使うのでも、映画に使うのか、フィットネスクラブにつかうのか、ゲーム課金につかうのか、人によって効果はそれぞれです。自分にとって何が大切で、大切なものにお金をかけているのか、そうした視点が大事なのでしょう。


ちきりんさんが、もっともお金を有効に使えた(=得られた価値が大きかった)のは、ラオスでひとり旅をした際の、ラオス人のガイドを雇うために支払ったガイド料だったという。ガイド料は1週間で数万円でしたが、とても満足できたという。


また、ちきりんさんは書籍を構想するために、ビーチリゾートに出かけていくという。昔の作家は温泉旅館に行きましたが、ききりんさんはリゾートなのです。人によって「生産性の高いストレス解消法」は異なるのです。


これほど生産性について突き詰めた本ははじめてでした。ちきりんさん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・全部をやろうとすると、ほとんどの人が最初に「やれば終わる仕事」に手をつけます・・・そういう仕事をやっている間に時間はどんどん減っていき、結果として最後に残った難しくて重要な仕事に割り当てられる時間は、ごくわずかなものになってしまいます(p181)


・「りょうかい」とタイプして変換を押すと、「了解いたしました。よろしくお願いいたします。」と出てくるよう登録してあります(p186)


・最近、洋服をスマホで買う若い女性が増えています。このトレンドは「実店舗で洋服を売る店員の提供価値が大して高くなかった」という厳しい現実を明らかにしました(p93)


・テレビ番組を観る若者が減っているのも、頭出しもできず、自分の空き時間にサクッと観ることもできない、あまりに生産性の低い(時間という希少資源を有効活用するどころか、視聴者の貴重な資源を無駄にする)システムだからです(p47)


・働いている人の中には、その仕事の価値がゼロ以上の人と、マイナスの人がいます。たとえば生産性の低い産業を守るために余計な規制を作っているような人-こういう人は働かないでいてくれたほうが、社会全体に生み出される価値が大きくなります(p43)


・グローバル企業が税金を払いたがらないワケ・・グーグルが1000億円を自分たちで人工知能やゲノム解析や自動運転車の研究開発に使うのと、アメリカ政府に納入して無人攻撃機や爆弾代として使われたり、日本政府に納めて地域再生の資金としてバラまかれたりすることを比べたら、お金という資源の生産性はどちらが高いでしょう?(p39)


▼引用は下記の書籍からです。
自分の時間を取り戻そう―――ゆとりも成功も手に入れられるたった1つの考え方
ちきりん
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 4,267


【私の評価】★★★★★(91点)


目次

序章:「忙しすぎる」人たち
1章:高生産性シフトの衝撃
2章:よくある誤解
3章:どんな仕事がなくなるの!?
4章:[インプットを理解する]希少資源に敏感になろう
5章:[アウトプットを理解する]欲しいモノを明確にしよう
6章:[生産性の高め方1]まずは働く時間を減らそう
7章:[生産性の高め方2]全部やる必要はありません
8章:高生産性社会に生きる意味
終章:それぞれの新しい人生



著者経歴

ちきりん・・・関西出身。バブル期に証券会社に就職。その後、米国での大学院留学、外資系企業勤務を経て2011年から文筆活動に専念


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