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「ハッキリ言わせていただきます! 黙って見過ごすわけにはいかない日本の問題 」前川 喜平 谷口 真由美

2019/02/16公開 更新
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ハッキリ言わせていただきます! 黙って見過ごすわけにはいかない日本の問題 (単行本)


【私の評価】★★☆☆☆(65点)


要約と感想レビュー

前川喜平氏は日教組とよい関係

日本政府とアメリカの批判ばかり報道し、南シナ海、東シナ海への中国軍の進出についてはまったく報じない「サンデーモーニング」に出演する谷口真由美さんを知るために手にした一冊です。対談相手が出会い系バーで女性の貧困調査を行っていた前川喜平氏ということで、内容はだいたい想像できましたが期待を裏切らない内容でした。


前川喜平氏は中学の日本会議系の教科書に、問題があると批判しています。また、文部省と日教組は対立関係にありましたが、日本社会党の村山富市が総理大臣であったとき与謝野文部大臣を使って、文部省と日教組で手打ちをして良い関係をつくったのに、自民党が日教組を敵視しぶち壊したと前川氏は言っています。


前川喜平氏は元文部科学省事務次官ですから、教科書の文句を言うなら事務次官の時に対応するべきですし、反日組織の日教組が自由に行動できるようにしてしまった状態を良しとするのは前川氏の思想を疑います。


・前川・・2019年の4月から中学校で使われる日本会議系の教科書には、幾つかの問題のある教材が入っているんですけど、そのうちひとつは残業に関するものなんです・・・忙しいのは自分だけではないと気づき、食事の後は自分も友人も会社に戻って仕事をしたという話なんですねどね、・・残業のススメなんですよ・・谷口 最低ですね(p111)


前川喜平氏の主張は論理が破綻している

前川氏は、「安倍さんや菅義偉さんの話し方は、本当にひどいですね。まともに答えずに、ちゃんとした批判ではなくて人間性の攻撃みたいなことしかしない」と発言しつつ、自民党は、もう今は極右政党で「安倍党」と言ってもいいとまで発言しています。自分が人間性の攻撃みたいなことを発言しているのに、論理が破綻しています。こんな事務次官がいたことが信じられません。


また、加計学園の獣医学部の問題も文部科学省が設置を門前払いしていたのを、関係者が10年以上の時間をかけてやっと1校設置することができたことに対して、前川氏は「勝手に決めるな」と発言しています。「勝手に決めて」天下りできていたのに、勝手に決められて天下りもできなくなり、文部科学省としてとんでもないことだと思いますが、本を読んでいる国民を舐めているとしか言いようがありません。


・前川 決められない政治、なんて言われることもあるけれど、勝手に決めるなよ、と。どんどん決められる政治も逆に怖い(p36)


「安倍政権は極右だ!」と言う二人

谷口さんの「安保法制、共謀罪、選挙、モリカケ問題、大阪都構造、沖縄米軍基地問題など、みんな食い止めるために頑張った。だけど思うようにいかない。結局、安倍一党は継続され、ますますやりたい放題」という発言を見るとマスコミや活動家を使った一連の工作活動が、うまくいかないことに苛立っているように感じます。


こういう人たちの発言の特徴は、そのまま逆にすると正しい内容になるのです。
「勝手に決めるな!」と言うのは、これまで自分が勝手に決めていたのが否定されて切れているだけ。
「安倍政権は極右だ!」と言うのは自分が極左で、工作活動がうまくいかず切れているだけ。
「メディアと教育が支配されたら洗脳される」は今までメディアと教育を支配していたのに、うまくいかなくなってきたということなのです。
語るに落ちたとは、このことです。


また、不思議なのは二人は「日本会議」を特に意識しているところでしょう。左翼の後ろには中国、韓国がいる。同じように右翼の後ろには日本会議がいる、などと考えているのでしょうか?印象を操作しようという、意図的なものを感じます。


・授業や部活動を地元の人たちに手伝ってもらう・・・谷口・・でもそんなになったら、日本会議系とかが集団で道徳の授業に行きよるんやろうな。お金にものを言わせて。前川 そっちのほうが危ない(p157)


左翼がメディアと教育を支配/h3>

前川氏は、「メディアと教育が支配されたら、国民は全部洗脳されて全体主義に行っちゃいますよ」と語っています。谷口氏は、日教組が政治活動しにくくなっている点について、「意見表明の権利を大人も行使できない社会。公務員である前に人間だから、自分がどんな政治的信条を抱いていようと勝手なわけじゃないですか」と語っています。どうやら左翼勢力がメディアと教育を支配していたのに、その工作活動が無効化されつつあることに、脅威を感じているようなのです。


わかりやすい一冊でした。前川、谷口さん、良い本をありがとうございました。



この本で私が共感した名言

・前川・・日本がアメリカと一体となって、ついにはいっしょに戦争するような事態にならなければいいんですけどね。私はアメリカという国をもともとあまり信用していません(p223)


・JAXAにも・・「はやぶさ」は旧文部省系で、偵察衛星を打ち上げているのは旧科学技術庁です・・・「はやぶさ」なんて、実用としては役に立たないんです。(p141)


ハッキリ言わせていただきます! 黙って見過ごすわけにはいかない日本の問題 (単行本)
前川 喜平 谷口 真由美
集英社
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【私の評価】★★☆☆☆(65点)


目次

第1章 「お上意識」が日本をダメにする
第2章 ヤンキーとカオスとラグビーで批判力を磨く
第3章 教育が直面している厳しい現実
第4章 政治が直面している厳しい現実
第5章 憲法が想定した人間を目指す
第6章 批判に疲れた人たちへ



著者経歴

谷口真由美(たにぐち まゆみ)・・・法学者で、大阪大学非常勤講師および、大阪芸術大学の客員准教授。1975年生まれ。大阪府大阪市出身。国際人権法、ジェンダー法などが専門分野、非常勤講師を務める大阪大学での「日本国憲法」講義で、「共通教育賞」を4度受賞。TV、ラジオ、新聞のコメンテーターを務める。


前川喜平(まえかわ きへい)・・・1955年、奈良県生まれ、東京大学法学部卒。禁止されていた天下り斡旋の違法行為による停職相当の懲戒処分を受けて文部科学事務次官を退職。貧困問題の調査のために出会い系バーで女性に小遣いを渡していた。


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