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「自治労の正体」森口 朗

2019/02/15公開 更新
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自治労の正体 (扶桑社新書)


【私の評価】★★★☆☆(72点)


要約と感想レビュー

 自治労とは、地方公務員の組合です。組合員数は80万人。地方公務員は地方公務員法により、一定の政治的行為が制限されています。ところが、自治労は組合活動を通じて政治活動を行っており、反沖縄基地、反政府活動にも組合員を派遣しています。警察庁でも労働組合に極左グループが潜伏していることを確認しており、自治労にも浸透していることが伺えます。


・全国の自治労支部は辺野古座り込みに人を派遣しています。例えば、自治労東京都本部はホームページにおいて、2015年7月、9月、10月と3回にわたって辺野古に人を派遣し、「座キャンプ・シュワブゲート前で行われている座り込み行動へ参加し、沖縄での辺野古新基地建設反対の闘争に連帯」した、と報告しています(p81)


 特に、沖縄県の辺野古移設反対運動や高江ヘリパッド建設反対運動などは政府が無理に建設を進めているようなマスコミ報道が行われています。しかし実際には、中核派、革マル派、自治労などの労働組合、左翼活動家が反対運動に連動しているということなのです。仮に中核派、革マル派が海外の組織から支援を得ているとすれば、労働組合もそうした組織と連動しているということなのでしょう。


・中核派は革マル派よりも幾分謙虚で・・・2017年3月2日発行の中核派機関紙『前進』では・・『労働者民衆の国際連帯で朝鮮侵略戦争を阻止しよう!』と国際連帯・共同行動沖縄の3・19結成総会への賛同と参加が呼びかけられています。沖縄米軍基地を、日米の朝鮮侵略戦争の最前線基地にさせるな!辺野古での海上着工弾劾!韓国民主労総に続く沖縄ゼネストで、すべての米軍基地を撤去しよう(p83)


 本書の後半に、なぜ消費税増税が民主党・社会党のときに行われるのか、その理由が書いてあります。市民のための民主党、社会党がなぜ市民の負担を強いる消費税増税を推進するのか?私も不思議でした。著者は、民主党、社会党を支える自治労が、消費税という財源を欲しているからとしています。


 右傾化反対、戦争反対を叫びながら暴力革命を目指す組織と連携し、一方で市民を圧迫する消費税増税を目指しているのが自治労、というのが著者の主張です。仮にマスコミにも浸透しているとすれば、闇は深いと思いました。


 森口さん、良い本をありがとうございました。



この本で私が共感した名言

・東京都職員の場合、清掃職員の平均年収は792万2865円で、民間企業で働く同職種の方の395万2300円と比較すると約2倍・・・用務員も都職員569万0477円、民間企業227万4400円、守衛も都職員723万6605円、民間企業370万7700円(p3)


・2017年の初頭。白タク行為の犯人を捕まえてみれば市役所の課長で、かつ中核派のメンバーだった・・・反原発運動の参加者を有償で運ぶ白タク行為をしたとして、埼玉県警は、道路運搬法違反の疑いで、同県加須市障がい者福祉課長、A容疑者(58)ら過激派「中核派」の活動家3人を逮捕した(p50)


・自治労には非共産党系極左のほとんど全てが潜伏・・・日本労働党も自治労の中ではある程度の力を有しています。さすがに毛沢東の暴力革命支持を明確に言うと選挙に受からないので、政党名を隠して「○○元気クラブ」「○○わくわく会」といった市民政党の名乗り地方議員を排出しています(p69)


・自治労の体質を象徴する人物に山城博治という人がいます・・1952年生まれ。・・沖縄県庁に入庁。・・自治労沖縄県職労の副委員長に就任しました。その後、県庁職員の身分を有したまま、2004年に「沖縄平和運動センター」の事務局長に就任します。2008年に県庁を退職し、2013年には沖縄平和運動センターの議長に就任し、普天間基地の辺野古移設反対運動や高江ヘリパッド建設反対運動のリーダーとして、現地で反対活動を指揮しています・・・2016年には高江で防衛局職員に暴行したとして公務執行妨害・傷害容疑で逮捕されました(p76)


・中核派や革マル派も辺野古に集結しています。例えば、革マル派(日本革命的共産主義者同盟・革命的マルクス主義派)は、ホームページに機関紙『開放』を公開していますが、第2467-2468合併号(2017年5月15日)では、「4月25日・・辺野古新基地建設のための埋め立て工事についに着工した・・この暴挙にたいして、沖縄県学連の学生たちは、『挑戦核戦争阻止!日米新軍事同盟強化反対!』を掲げ、怒れる労働者・人民の先頭で奮闘した(p82)


・ソ連は滅びたが中国は滅びなかった。そして、地方自治体や社会保険庁など左翼活動家の生息場所を根絶できなかった。この2つが、日本が未だに共産党から国会議員が選出され、共産党以上に過激な極左が社民党や民進党の国会議員として生きていける元凶(p91)


・腹の据わった首長以外は、労働組合となれ合う・・・具体的には、組合費の徴収(天引き)を無償で請負い、公的財産である庁舎の一角を無償で貸与し、勤務時間内の組合活動に目をつむり、ヤミ専従を黙認するというのが典型的な手法です(p103)


・不条理に果敢に挑んだのが橋下大阪市政でした。大阪市の職員団体はもちろん、労働組合の組合費天引きもすべて止めてしまったのです(p104)


・大阪市役所ヤミ専従事件・・・カラ残業・・超過勤務命令簿の記入さえしないで4~5時間分の手当を支給ヤミ管理職手当・・単年度で38億円以上・・ヤミ年金・退職金・・条例に基づかない年金を、生命保険会社を通じて支払っていました・・イージーオーダースーツの配布・・単年度で約3億4500万円・・自治労本部にまでヤミ専従職員を派遣していました(p110)


・自治労が心待ちにしている財源は、ズバリ消費税です。民進党を応援している人も不思議に感じるのが、民進党が消費税増税派である点ではないでしょうか。実態はともかく民進党など左翼の政党は、弱者の見方のフリをしています。それならば、消費者の懐を痛める消費税増税に反対してもよさそうです。この疑念は、民進党が自治労のために動いていると知れば氷解します(p185)


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【私の評価】★★★☆☆(72点)

目次

第1章 地方公務員優遇のからくり
第2章 過激派に蝕まれる自治労
第3章 自治労にひれ伏す首長
第4章 粉飾自治体を食いつぶす自治労
第5章 自治労解体は日本再生の一里塚



著者経歴

 森口朗・・・教育評論家。中央教育文化研究所代表。元東京都職員。1995~2005年まで、都内公立学校に出向経験がある


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