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「日本よ、情報戦はこう戦え!」山岡 鉄秀

2019/01/18公開 更新
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日本よ、情報戦はこう戦え!


【私の評価】★★★★★(97点)


要約と感想レビュー

日本の戦争犯罪を糾弾する中韓連合

2014年、著者の住むオーストラリアの町に「日本の戦争犯罪を糾弾する中韓連合」という反日組織が結成されました。仕掛け人である中国人が、オーストラリアの韓国人に声をかけて慰安婦像の設置活動を始めたのです。


著者は慰安婦像設置に関する公聴会で"慰安婦像の設置目的が、日本がどんなにひどい国か、世間に知らしめるためであり、日系の子供たちに差別やいじめが発生している。これは反日キャンペーンであり、女性の人権を取り上げるならば、他の国の女性も含めなければ差別になる"と主張しました。


そうした反論に対し、「これは女性の尊厳がテーマである。日本人批判ではなく、女性への気持ちをあらわすものだ」と相手も土俵を変えてきました。著者は、それに対し「女性ということなら、戦争の被害者は韓国人だけではないだろう。それはある意味、人種差別である。慰安婦になっていた日本人女性もいっぱいいた。なぜ日本政府批判のデモンストレーションを行うのか」と切り返したという。


間違った主張には、すぐに反論しなくては、海外では通用しないのです。平成30年にソウル市とソウル大学が「アメリカの国立公文書館のアーカイブから新たな資料を発掘した。ビルマ戦線で戦争の末期に慰安婦が30人ぐらい日本軍に虐殺された映像が出てきた」といって公開したときには、著者は、遺体は日本兵で、中国人兵士がその遺体からいろいろ剥ぎ取っているシーンであると、英語で論記事を書いてインターネットで公表したという。


著者はオーストラリアの議員、市職員、州議会議員、国会議員、政府機関に粘り強く状況を説明しています。海外では普通の日本人市民が、反日組織のプロパガンダにより子供の差別、いじめの恐怖にさらされているという現実があるのです。


・韓国側が例によって、「日本軍はかつてこんなひどいことをした・・・こちらはあえて、現地に住んでいるオーストラリア人をそろえ、「そもそもそういう議論をここに持ち込むべきではない・・ここにはいろいろな人種が集まって仲よく融和的に暮らしていく場所、そうデザインされている場所である・・・個人レベルで議論したければいくらでも議論するが、コミュニティレベルに持ってくるのは根本的に間違っている」というように、議論のベースを変えてしまう(p59)

嘘・謀略によって敵を偽りの罪に陥れる

こうした活動が自然発生するはずもなく、その背後には中国共産党の指示により工作員が活動しているという。こうした嘘・謀略によって敵を偽りの罪に陥れることを、中国では誣告(ぶこく)といい生き残るための知恵なのです。日本人の"嘘は泥棒の始まり"、"謝れば許してくれるだろう"、は中国人、韓国人にはまったく通用しないのです。いわんや誠意をもって対応すれば、相手も誠意をもって対応してくれるだろうなどは現実ではありえないのです。


韓国人は、ベトナム戦争でベトナム人女性をレイプして何千人もの混血児、ライダイハンを残しました。現在も韓国人売春婦を世界中に輸出していることには恥じることなく日本を非難するのです。このように日本人には到底できないことを、韓国人は平気でやれる国民性であることを知らなくてはならないのです。


そもそも、1990年代、宮澤喜一総理の下で慰安婦を認めた河野談話が、韓国人の千年の恨みというパンドラの箱をあけてしまったと著者はいうのです。韓国人に謝罪することは罪を認めることであり、韓国人の場合は、水に流すどころか、そこから尽きることのない恨みの世界が始まるのです。そもそも、詫びてお金を払うということは、全世界の人々は「日本人はやっぱり相当ひどいことをやったから認めざるを得なかったんだ」と確信してしまうのです。宮澤総理と河野は、明確な間違いを犯したということなのです。また、日韓合意のときも、韓国がまた反故にしてくるのは想定内であり、約束を破るとわかっている相手に譲歩してしまったら、負けなのです。


・中国や韓国では逆で、まさに息をするように嘘をつくのが当たり前で、そうしなければ生き残れなかったという長い歴史があることを理解して対応しなければならない(p68)


慰安婦問題は朝日新聞の誤報が原因

慰安婦問題では、朝日新聞が虚偽の事実を報道してここまで問題を大きくしました。朝日新聞の英語版では、慰安婦に関する記事には「confort women who were forced to provide sex」と表現し、朝日新聞は「どこにも"性奴隷"とは書いていない。強制連行したとは書いていない」と主張しますが、この表現をネイティブスピーカー、英語話者が見れば、「これは強制連行のことを言っているんだな」という印象を持つような 表現で書かれているのです。


慰安婦問題については裁判も起こり、朝日新聞は誤報を認め、記事を撤回しています。しかし、朝日新聞は日本国内に向けては記事を撤回していますが、海外に向けてはきちんとした訂正をしていません。韓国では、「強制連行」はなかったという事実はまったく信じられておらず、韓国では「反日」教育を行い、日本の子供をいじめたり、いやがらせをする子供が存在するのです。


・慰安婦問題では、・・・朝日新聞は日本国内の読者に向けては詫びを入れたつもりかもしれないが、海外に向けてはきちんとした訂正をしていない(p23)


中国、韓国の工作活動が浸透

実は、オーストラリアで大問題になっているのが、中国の「静かなる侵略」なのです。政治家に金をばらまき、「パンダハガー」といわれる親中派を作っているのです。また、孔子学院という学校を作り、学校の中で思想的に中国びいきの教育を行うとともに、中国人留学生や移民を工作員として活動させ、オーストラリアを中国の属国のようにしようとしているという。さらに、港湾などのインフラやメディアを中国は買収しているのです。


日本では、いわゆる従軍慰安婦、日本軍が強制的に女性を連行したことはないといったことを主張すると「ネトウヨ」「右傾化」などと批判する人が存在します。これも中国、韓国の工作活動が浸透している証拠であり、著者は手遅れかもしれないとしています。


情報戦という「戦争はもうはじまっている」・・「侵略が始まっている」・・という著者の言葉が実感として感じました。今後、こうした反日プロパガンダに対してどのように対処していくべきか指針となる一冊です。山岡さん、良い本をありがとうございました。


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この本で私が共感した名言

・A氏が「もともと韓国語には『約束』という言葉がない」と教えてくれた(p76)


・中国もそうだが、功成り権力を握ったら、身内に便宜を供与しない人はものすごく「不徳」ということなのだ・・・たとえば、日韓合意でも、身内が「反対」と騒いだら、そちらの意見に沿うのである(p77)


・悪事はもみ消す「避諱(ひき)」という文化と伝統・・・社会の安定のためには君子の犯した過ちは隠し、逆に功績はことさら大げさに讃え、威信を高めることが大事なのだ。それは道徳的に正しい行為だとされている(p70)


・こちら側が、日本人だけではないことが重要だ。中韓対日本ではなく、中韓対残りのコミュニティ全般という構造をつくることが必須だ。日本だけで孤立してはいけない(p60)


・オーストラリアで反中の機運が高まるとどうなるかといえば、中国は貿易で圧力をかけてくる。つまり、オーストラリアのワインも牛肉も輸入禁止にする。そういう圧力を露骨にかけてくるのだ(p84)


・中国は自分たちが弱いときは、「将来の世代に託すのが賢明だ」などと言うが、自分たちに力がついたら、もうどんなことでもして屈服させようとするのである(p86)


日本よ、情報戦はこう戦え!
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山岡 鉄秀
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【私の評価】★★★★★(97点)


目次

第1章 情報戦が世界一苦手な民族・日本人
第2章 優位戦の議論と劣位戦の議論を峻別せよ
第3章 議論する相手の性質を見極めよ
第4章 内なる敵を克服せよ
第5章 反論より立論に注力せよ
第6章 即時性の重要性を理解せよ
第7章 カウンター・ナラティブを英語でつくれ―実例集
第8章 情報戦に勝つための自己変革



著者経歴

山岡鉄秀(やまおか てつひで)・・・1965年、東京都生まれ。中央大学卒業後、シドニー大学大学院、ニューサウスウェールズ大学大学院修士課程修了。2014年、豪州ストラスフィールド市において、中韓反日団体が仕掛ける慰安婦像設置計画に遭遇。子供を持つ母親ら現地日系人を率いてAJCN (Australia-Japan Community Network)を結成。2015年8月、同市での「慰安婦像設置」阻止に成功した。


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