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「世界を騙し続けた [詐欺]経済学原論 「通貨発行権」を牛耳る国際銀行家をこうして覆せ」天野 統康

2019/01/09公開 更新
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世界を騙し続けた [詐欺]経済学原論 「通貨発行権」を牛耳る国際銀行家をこうして覆せ


【私の評価】★★★☆☆(73点)


■通貨発行権について
 考えた一冊です。


 通貨とは不思議なもので
 単なる紙なのですが、
 その紙を集めるために
 人は必死になっている。


 通貨は金貨の預り証から発展し、
 現在では金貨に裏付けなしに
 大量に流通しているのです。


・銀行家が最も恐れるのは、取り付け騒ぎが起こり、詐欺がバレることだ・・金庫には十分な金貨が存在しないので、銀行家の契約違反がバレてしまう(p72)


■面白いところは、アメリカ独立前に
 イギリスがアメリカ植民地の通貨発行権を
 禁止したことです。


 また、リンカーン暗殺の1ヶ月前に
 リンカーンが通貨発行権は政府の特権と
 発表していた。


 アメリカ独立、リンカーン暗殺にも
 通貨発行権の問題が影響していた。


 つまり通貨発行権に関わるということは
 非常に恐ろしいことだということなのです。


・18世紀に北米大陸に入植した植民者たちは、銀行券とは違った独自の紙幣を自ら発行していた・・それをイングランド銀行は脅威に感じ、英国王ジョージ3世に働きかけ、1764年に通貨法を成立させた。これによって米国植民地が独自に通貨を発行するのを禁止し、イングランド銀行が発行する紙幣を使うように強制したのである。自ら通貨を作ることができなくなった結果、米国植民地の通貨量は半減し、大不況に陥った。さらに増税である茶税を課せられたことを発端に遂に市民の我慢は限界に達し、独立革命を起こしたのである(p97)


■通貨発行権、基軸通貨がいかに
 重要な権力であるのか
 ということなのでしょう。


 通貨の量をコントロールできるということは、
 景気をコントロールできるということ。
 株価も債権価格もコントロールできる。
 打ち出の小槌なのです。


 日本で通貨の量をコントロールしているのは
 大蔵省と日本銀行なのでしょうか。
 もう少し調べたいと思います。


 天野さん
 良い本をありがとうございました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・国際基軸通貨の発行者は必ずシステム支配を保証する軍事力の保有国でなくてはならない(p37)


・現在の中央銀行システムの元祖といわれているのは、1694年に中央銀行としては2番目に作られたイングランド銀行である・・民間銀行家と、その仲間であったスコットランド人ウィリアム・パターソンは、戦争資金を貸し出す交換条件として以下の提案を行った。
  ・紙幣の発行権を認めること ・政府の銀行になること(国債を購入する)
  ・戦費を貸し付ける代わりに、国は8%の利子を払う
  ・預金業務を認める(p77)


・リンカーンは1862年から政府紙幣を発行し、銀行家に頼らず自ら戦費を調達することに成功し、戦争を勝利に導いた。さらに1865年に、「通貨を発行することは政府に属する最大の特権である」とする意向を発表した。これに仰天したのは国際銀行家たちだった。その発表の1ヶ月後の4月に暗殺者の銃弾を受けてリンカーンは死亡してしまう(p99)


・1928年にFRBは、それまでの政策を180度変化させて、金融政策を引き締め・・1929年8月には金利を6%に上昇させた・・株価は売り一色となり10月24日に大暴落を起こした・・担保価値の暴落は多くの銀行を倒産させ、個人を破産させた。一方で、ロックフェラーやモルガンなどFRBの株主と仲間たちは高値で売り抜けており、暴落した企業の株や、破産した個人の土地を買い占めた(p111)


・ニューヨーク連邦準備銀行の1984年の株主は・・・
 ・シティバンク 15%
 ・チェース・マンハッタン 14%
 ・モルガン・ギャランティ・トラスト 9%
 ・マニュファクチャラーズ・ハノーヴァ 7%
 ・ケミカル・バンク 8%(p38)


・国際銀行家は独裁制とも相性が悪い。なぜなら、政治権力が巨大だと自らの権力に介入を受けやすくなり、いつでも資産を没収される危険があるためだ(p63)


・銀行財閥が通貨発行権を独占し、貸し出しによって通貨を作る資本主義経済の発展は、必然的に社会を借金漬けにした。その副産物として、欧州は大発展を遂げることになる。前述したように社会全体が借金漬けになることで、購買力が拡大すると同時に、借金をした人々の勤勉性によって経済成長のプレッシャーが強くかかるようになったためだ(p89)


・銀行が国債を購入すれば通貨量は増加するが・・この時期の日本の銀行は国債を購入した場合、ほぼ同額分の貸出金を減らした。そのためこの点からも信用創造量の増加は起こらず通貨量は変化しなかった(p237)


・世界中の一般市民は、量的緩和政策で中央銀行から受け取った700兆円の通貨を、銀行は企業や個人に貸し出すだろうと思っている。しかし、その通貨は殆ど貸し出しには使われない・・・一方、国債や株など中央銀行が最大の買い手として登場した金融経済は取引が増加する・・長期的には実体の伴わないバブルは崩壊する。そのため国際銀行権力は高値で売り抜ける(p245)


・国際銀行権力は、量的緩和政策の影響など初めから分かっていたことであり、意図的な金融バブルを作り出しているのだ(p248)


・中央銀行が行っている量的緩和政策は、実体経済の目標インフレ率の達成を掲げて行っているが、金融経済にばかり向かう(p250)


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【私の評価】★★★☆☆(73点)


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■目次

第1章 なぜ、開かれた社会である自由民主制が、操作されるのか?
第2章 国際銀行権力による通貨発行権の独占と自由民主制の乗っ取りの歴史
第3章 人類史上最強の経済システム、資本主義経済の謎と操作方法を解き明かす


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