「成り上がり 金融王・安田善次郎」江上 剛

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成り上がり 金融王・安田善次郎 (PHP文芸文庫)

【私の評価】★★★★☆(82点)


■今、車を運転中は、オーディオCDで
 安田財閥を作った安田善次郎の
 「富の活動 CD」を聞いています。


 CDでは安田善次郎の考え方の
 説明になっていますが、
 この本では小説形式で安田善次郎の
 生涯をたどります。


 江戸時代後期、富山に生まれた善次郎は、
 武士が幅をきかせる世の中で、
 武士と対等に話す商人を見て、
 自分も金持ちになろうと決意します。


 金を稼ぐなら大都市の江戸に出たい。
 安田は親の反対もありましたが、
 20歳で江戸へ出て商売をはじめました。


・金の力は偉大だと思う。
 そして金を持っている商人が一番偉い。
 これが世の中の真理だ。
 武士なんか、空威張りしているだけだ。
 それが証拠に金を持っている町人に頭を下げ、
 へらへらしているではないか(p33)


■最初はおもちゃ売り。
 次はかつお節屋で丁稚奉公。
 25歳で独立し、乾物と両替を商う
 安田商店を開業します。


 この"両替"がまじめで実直な
 善次郎にぴったり合っていた。
 つまり時代が、両替や銀行を
 求めていたのです。


 明治政府が発行した太政官札を
 正貨に切り替えるために
 善次郎は額面割れの太政官札を大量に購入。


 政府のり正金金札等価通用布告で
 善次郎は巨額の利益を手にしたのです。


・倹約して貯蓄しろということだ。
 たった一文でも、毎日貯めていれば、
 銭なんてすぐに貯まるのだ。
 一文なんてと馬鹿にして、無駄使いをしたり、
 貯蓄をしない人は、余裕もできない。
 最後には食うにも困ることになるだろう(p52)


■貯蓄・倹約で元手を作ること。


 どんなことがあっても
 自分を支えてくれる友人を持つこと。


 堅実・確実と判断すれば、
 反対があっても投資すること。


 大きな失敗したことは一度もない
 という善次郎の成功への考え方が
 伝わってくる一冊でした。


 江上さん
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・なぜ金持ちになりたいかと問われれば、
 施しではないが、世のため、
 人のためになることをしたいからだ・・
 俺は金持ちになって、世の中から
 一人でも貧乏人を少なくしたいね(p234)


・もしお前が100里(約400キロ)の道を
 10日で歩こうとしたらどうする?・・
 最初は、7里か8里にとどめ、
 慣れてくれば10里、11里と増やしていくのだ。
 そうすれば怪我も失敗もない(p20)


・「とにかく収入の八割で暮らすことだ。
 残りは貯蓄する」(p162)


・酒を五か年間禁じる。煙草も止める。
 第二には、勤勉を守る。
 第三には、他力を頼まず自立する。
 嘘をつかない。人に迷惑をかけない(p62)


・「貯蓄もでき、心も養えるとなれば、
 俺が成功した暁には、禁煙貯蓄、禁酒貯蓄を
 世間に広めてやる」と岩太郎は、心に誓った(p63)


・それともう一つは、善いと信じたら
 実行することだ。目的を達成するために
 躊躇してはならない。躊躇すれば、
 道が閉ざされることがあるからな(p20)


・成功と失敗を分けたのは?・・
 それは、どんなときにも真面目に
 こつこつと努力できるかということに
 尽きるよ。陰日向なく、務める人は、
 間違いなく成功したね。もちろん、
 成功というのは、何もお金持ちに
 なるばかりでないよ。お金持ちではないが、
 温かい家庭を作り、友人に恵まれることも
 大切な成功だよ(p175)


・学問もなく、あまり才能に恵まれて
 いないのに大成功を収める人がいる・・
 才能がないために、これしか道はないと
 思い定めたら、自分の信じる道を、
 ただひたすら歩み続けるからだ(p179)


・多くの人々の中から、頭一つ抜け出し、
 成り上がるためには、
 みんなと同じようにしていてはダメだ。
 彼らが宵越しの金を持たないのなら、
 俺は宵越しの金を持ってやる(p244)


・忠兵衛は、千両の分限者になるためには、
 良き友人を持つことだと思っていた。
 喜八郎、太郎兵衛、捨次郎は心を許し、
 同じ夢を見ることができる友人たちだった(p256)


・人間は、その出自や身分に関係ない。
 能力が高い、志が高いものが正しく評価され、
 報わられねばならない。努力もしないで、
 先祖が偉かっただけで、
 高い地位と俸禄が約束されている、
 こんな世界は壊れてしまうべきだ(p143)


・この前垂れの前では、誰もがお客様です。
 貧しい物乞いの人であろうと、近所の子供
 であろうと、誰にもお客様として
 分け隔てなく接するのです・・
 おの前垂れの前では誰もがお客様であり、
 一番大切にする、この気持ちを持っていれば、
 お客様はどんどん増えるでしょう(p399)


・私は、お貸し出しをしたお客様に真面目で
 あることをお願いしている。真面目に仕事を
 していただければ、いくらでもお貸し出しする。
 それは自分にも求めることだよ。
 およそ商売においては秘密やごまかしなど
 もってのほかだ。すべて明らかにしてこそ
 発展がある。赤字であるということは、
 どこかに問題があるということだ。
 それを直して、一歩ずつ進めばよい(p412)


・人にはそれぞれ分限というものがあり、
 それを超えてはならないと思います。
 たとえば生活も収入の十分の九で
 暮らしております。残りの一分は、
 貯蓄もしくは非常時の備えにするのです。
 貧しいときも、富むときも、この分限を
 守る姿勢を変えなかっただけです(p425)


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■目次

第一章 龍神と雷神
第二章 寺子屋商人
第三章 最初の出奔
第四章 親不孝
第五章 再び江戸へ
第六章 試練
第七章 はじめての奉公
第八章 太陽に学べ
第九章 行商人暮らし
第十章 転職と天職
第十一章 両替商修業
第十二章 母の死
第十三章 投機
第十四章 失敗と独立
第十五章 安田屋開店
第十六章新妻房
第十七章商機
第十八章飛躍
第十九章 千里の道も一歩から



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