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「日本史の内幕 - 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで」磯田 道史

2018/04/20本のソムリエ メルマガ登録
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日本史の内幕 - 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで (中公新書)


【私の評価】★★★★★(90点)


■「武士の家計簿」の磯田先生の
 雑誌連載をまとめた一冊です。


 古文書を読むと、
 日本史の本当の姿が見える。


 古文書を読む磯田先生の
 ワクワクが伝わってくる
 一冊でした。


・黄門さま以来、水戸は歴史に執念を燃やした藩で色々と史料があつまっている。それを読みたさに茨城大学助教授とうものになって8年間水戸にいた(p86)


■衝撃だったのは、
 明治維新後の日本が、吉田松陰の
 提言どおり進んだことです。


 こちらから攻めなければ、
 西欧列強にやられてしまう。
 いわゆる富国強兵です。


 もし対米戦争さえ避けられれば、
 大日本帝国は現在も
 存在していたかもしれない。


 現在は、
 中国が漸次進取の勢いを
 示しているのでしょう。


・松陰は「幽囚録」で提言した。・・兵学校で砲銃歩騎の兵を操練せよ。方言科(外語学科)を置き蘭・露・米・英の原書を講じよ・・「蝦夷を開墾して諸侯を封じ、間に乗じてカムチャッカ、オホーツクを奪い、琉球を論して国内諸侯と同じく参勤させ、朝鮮を攻めて人質を取り朝貢させ、北は満洲の地を割き、南は台湾・ルソンを収め、漸次進取の勢いを示せ」。松陰の門下生とその後の日本はほぼこの通りに実行した(p183)


■まさに歴史はおもしろいと
 思いました。


 そして磯田先生が楽しそうに
 古文書を読み、遺跡の保存など
 提案している姿が好感できました。


 磯田さん
 良い本をありがとうございました。


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・日本史の内幕を知りたい。そう思うなら、古文書を読むしかない。私は15歳で古文書の解読をはじめた。教科書のなかには、知りたいと思う歴史はなかった(p1)


・本願寺は本能寺の変で信長が死ぬと秀吉に接近・・本願寺は秀吉の戦場に次期門主・教如を陣中見舞いに派遣。富山の佐々成政を秀吉が討伐した時も「秀吉より御異見(御指示)ゆえ」教如が直接金沢まで行って秀吉を支援している(p17)


・浅倉屋は東京でも最古の書店。貞享年間(1684~88)から続いている奇跡の古書店だ。こういう店があるから東京もフィレンツェに負けない文化の薫りがする(p19)


・謄写本「加藤嘉明軍紀」硯田叢書(けんでんそうしょ)を発見し・・「敵の人数は多く言わざるものなり。敵の人数を五千とみたら二千余りか三千余という・・大将もその分別して聞くもの也」とある・・味方の士気を高めるため、物見役は人前では敵の人数を半分くらいに報告する習慣があったのだ。長年歴史を研究しているがこんな記述は初めてみた(p21)


・立派な人物の話を書くと、大抵、子孫が手紙をよこして名乗り出てくる。今回はそれが全くない・・・宮城県大和町吉岡に「酒の穀田屋」という酒販店をみつけて電話をかけたらご子孫だという・・「あのう、子孫だと名乗り出られなかったのはご先祖の教えですか?」。穀田屋さんは温顔でコクリと、うなずいた(p29)


・大阪では江戸より大っぴらに、くじが売られていた・・・まず現代より富札は高い。金二朱(約四万円)ぐらいからだから、庶民は割札と言って四人や八人で共同買いした・・・現代の宝くじの控除率は約55%で、かなりとられる。しかし、江戸時代の富くじは寺社への奉納金が一割前後(p142)


・江戸期の史料をみる限り、婚礼は<1>夜間に<2>自宅で<3>神主の関与なしで行っていた・・それから、いよいよ「床入り」になる・・自室で介添え役が二人の様子を監視するマニュアルになっている(p145)


・日本の出版文化の充実ぶりは、世界を見渡しても類例がない・・幕末史は書物で動かされた面があった。例をあげると、頼山陽の『日本外史』や『通議』である(p150)


・400年前の東日本大震災のあと最初に大地震が襲ったのが「熊本」であった。1611年に慶長三陸地震がきたあと、8年後に肥後八代地震(1619年)、14年後に肥後熊本地震(1625年)がきた。前回は8年後、今回は5年後であった・・(p240)


・日本人口の世界シェアが最高になったのは、犬公方とよばれた徳川綱吉や赤穂浪士の元禄時代であって、この時、二十人に一人が日本人であった1700年 世界人口6億人 日本人口3000万人(p195)


・昔は「先生」と呼ばれたら家に落語家を呼んでいた・・慶応義塾の小泉信三は古今亭志ん生をひいきにし自宅に招いていた。吉田茂もそうで・・(p159)


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■目次

第1章 古文書発掘、遺跡も発掘
第2章 家康の出世街道
第3章 戦国女性の素顔
第4章 この国を支える文化の話
第5章 幕末維新の裏側
第6章 ルーツをたどる
第7章 災害から立ち上がる日本人



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