「日本史の内幕 - 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで」磯田 道史

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日本史の内幕 - 戦国女性の素顔から幕末・近代の謎まで (中公新書)

【私の評価】★★★★★(90点)


■「武士の家計簿」の磯田先生の
 雑誌連載をまとめた一冊です。


 古文書を読むと、
 日本史の本当の姿が見える。


 古文書を読む磯田先生の
 ワクワクが伝わってくる
 一冊でした。


・黄門さま以来、
 水戸は歴史に執念を燃やした藩で
 色々と史料があつまっている。
 それを読みたさに茨城大学助教授
 とうものになって8年間水戸にいた(p86)


■衝撃だったのは、
 明治維新後の日本が、吉田松陰の
 提言どおり進んだことです。


 こちらから攻めなければ、
 西欧列強にやられてしまう。
 いわゆる富国強兵です。


 もし対米戦争さえ避けられれば、
 大日本帝国は現在も
 存在していたかもしれない。


 現在は、
 中国が漸次進取の勢いを
 示しているのでしょう。


・松陰は「幽囚録」で提言した。・・
 兵学校で砲銃歩騎の兵を操練せよ。
 方言科(外語学科)を置き
 蘭・露・米・英の原書を講じよ・・
 「蝦夷を開墾して諸侯を封じ、間に乗じて
 カムチャッカ、オホーツクを奪い、
 琉球を論して国内諸侯と同じく参勤させ、
 朝鮮を攻めて人質を取り朝貢させ、
 北は満洲の地を割き、南は台湾・ルソンを収め、
 漸次進取の勢いを示せ」。
 松陰の門下生とその後の日本は
 ほぼこの通りに実行した(p183)


■まさに歴史はおもしろいと
 思いました。


 そして磯田先生が楽しそうに
 古文書を読み、遺跡の保存など
 提案している姿が好感できました。


 磯田さん
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・日本史の内幕を知りたい。
 そう思うなら、古文書を読むしかない。
 私は15歳で古文書の解読をはじめた。
 教科書のなかには、知りたいと思う 
 歴史はなかった(p1)


・本願寺は本能寺の変で信長が死ぬと秀吉に接近・・
 本願寺は秀吉の戦場に次期門主・教如を
 陣中見舞いに派遣。
 富山の佐々成政を秀吉が討伐した時も
 「秀吉より御異見(御指示)ゆえ」
 教如が直接金沢まで行って
 秀吉を支援している(p17)


・浅倉屋は東京でも最古の書店。
 貞享年間(1684~88)から
 続いている奇跡の古書店だ。
 こういう店があるから
 東京もフィレンツェに負けない
 文化の薫りがする(p19)


・謄写本「加藤嘉明軍紀」硯田叢書
 (けんでんそうしょ)を発見し・・
 「敵の人数は多く言わざるものなり。
 敵の人数を五千とみたら二千余りか三千余という・・
 大将もその分別して聞くもの也」とある・・
 味方の士気を高めるため、
 物見役は人前では敵の人数を半分くらいに
 報告する習慣があったのだ。
 長年歴史を研究しているが
 こんな記述は初めてみた(p21)


・立派な人物の話を書くと、大抵、
 子孫が手紙をよこして名乗り出てくる。
 今回はそれが全くない・・・
 宮城県大和町吉岡に「酒の穀田屋」という
 酒販店をみつけて電話をかけたらご子孫だという・・
 「あのう、子孫だと名乗り出られなかったのは
 ご先祖の教えですか?」。
 穀田屋さんは温顔でコクリと、
 うなずいた(p29)


・大阪では江戸より大っぴらに、
 くじが売られていた・・・
 まず現代より富札は高い。
 金二朱(約四万円)ぐらいからだから、
 庶民は割札と言って
 四人や八人で共同買いした・・・
 現代の宝くじの控除率は約55%で、
 かなりとられる。しかし、
 江戸時代の富くじは寺社への奉納金が
 一割前後(p142)


・江戸期の史料をみる限り、婚礼は
 <1>夜間に<2>自宅で
 <3>神主の関与なしで行っていた・・
 それから、いよいよ「床入り」になる・・
 自室で介添え役が二人の様子を
 監視するマニュアルになっている(p145)


・日本の出版文化の充実ぶりは、
 世界を見渡しても類例がない・・
 幕末史は書物で動かされた面があった。
 例をあげると、頼山陽の『日本外史』や
 『通議』である(p150)


・400年前の東日本大震災のあと最初に
 大地震が襲ったのが「熊本」であった。
 1611年に慶長三陸地震がきたあと、
 8年後に肥後八代地震(1619年)、
 14年後に肥後熊本地震(1625年)がきた。
 前回は8年後、今回は5年後であった・・(p240)


・日本人口の世界シェアが最高になったのは、
 犬公方とよばれた徳川綱吉や赤穂浪士の
 元禄時代であって、この時、
 二十人に一人が日本人であった
 1700年 世界人口6億人 日本人口3000万人(p195)


・昔は「先生」と呼ばれたら
 家に落語家を呼んでいた・・
 慶応義塾の小泉信三は古今亭志ん生を
 ひいきにし自宅に招いていた。
 吉田茂もそうで・・(p159)


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■目次

第1章 古文書発掘、遺跡も発掘
第2章 家康の出世街道
第3章 戦国女性の素顔
第4章 この国を支える文化の話
第5章 幕末維新の裏側
第6章 ルーツをたどる
第7章 災害から立ち上がる日本人



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