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「武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新」磯田道史

(2003年7月29日)|

武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書)

【私の評価】★★★★☆(82点)


大きな社会変動のある時代には、「今いる組織の外に出ても、必要とされる技術や能力をもっているか」が人の死活をわける。


●江戸から明治に生きた猪山家の
 37年間の家計簿を分析した一冊です。


 明治維新で武士がいなくなりましたが、
 武士は借金だらけだったのも
 原因なのかもしれません。


 武士として対面を保つための費用が、
 ばかにならないくらい多いのです。


・猪山家の場合、祝儀交際費が消費支出の11.8%になる・・召使いを雇う費用。親類や同僚と交際する費用。武家らしい儀礼行事をとりおこなう費用。そして、先祖・神仏を祭る費用。(p75)


■1両がだいたい30万円というのは、
 覚えておこうと思いました。


 1000両で3億円ですね。
 面白い!

 
 磯田さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・菊池家のような千石取りの武士は小さくても領主である。米が1000石とれる土地には、普通、500~1000人の領民がいるから、行政というものが必要になる(p19)


・武士は城下に屋敷を拝領し、そこに常駐することが義務づけられ、許可なく農村に立ち入るわけにはいかなかった。大袈裟にいえば、近世中後期の武士は城下町のなかに監禁された状態(p36)


・江戸時代の貨幣と価値
 米1石 金0.9両 銀67.5匁 銭5670文
 現代感覚27万円 (p55)


・猪山家の負債一覧・・年収の二倍である・・年利18%というのが最も多く、年利15%は低いほう・・鳥取藩士の場合、年収の二倍の借金は、むしろ平均的な姿であった。(p57)


・債権者の顔ぶれを見てみると・・1町人、2藩役所、3武士(親類)、4武士(家中)、5知行所・・一番多いのは1町人で、負債総額の五割近くを占めていた・・家中の武士からの借り入れ・・これが四割にもなる(p58)


・江戸時代は国内総生産の25~50%が武士の財布に入る世の中であった・・(p69)


・江戸時代の結婚は長くは継続しないものである。宇和島藩士の結婚カップル五十六組を追跡すると、わずか三年で二十組が離死別していた。二十年も継続した結婚は四分の一にすぎない(p93)


・江戸時代の人々は、向こうから「袴を着けた人物」が接近してくると、お辞儀・土下座などの心の準備をはじめるものであった。袴は強力な身分シグナルであり、袴をはいている人物には無礼を働いてはならず、無礼を働けば斬られる可能性があることを示していた(p119)


・葬儀費用の大きさには驚かされる。年間収入のほとんど四分の一を費やしているのである・・・江戸時代の武家では百回忌・二百回忌というような法事も珍しくはない(p129)


武士の家計簿 ―「加賀藩御算用者」の幕末維新 (新潮新書)
磯田 道史
新潮社
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【私の評価】★★★★☆(82点)



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