「悪魔を出し抜け!」ナポレオン・ヒル
2017/12/27公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(81点)
要約と感想レビュー
人間は親、教師、社会から影響を受ける
「思考は現実化する」の後に、ナポレオン・ヒルが書いた一冊です。この本によると98%の人間は親、教師、社会から影響を受けて、悪魔に支配されてしまうのだという。つまり、この人達の言葉によって、幼く弱く素直な私達は暗示をかけられてしまうのです。
悪魔に支配された人々は、失敗と貧困を恐れるため挑戦せず、批判を恐れるためすぐに諦め、自分と目標を見失ってしまうのです。それだけ、失敗、貧困、批判は人を保守的にし、挑戦を妨害する強力な悪魔の武器なのです。学校とは知識を与えてくれますが、先生の持つ影響力は大きいのです。
人間とは、意識と習慣で構成されたロボットのようなものです。親や教師(悪魔)は人間の意識の中に一つひとつ普通の社会人らしい習慣を刷り込み、最後にはその人の意識を完全に支配するのです。だからこそ、できれば良い学校、良い先生を選びたいのです。
人間は学校を卒業するとすぐ、生計を立てること以外の何の明確な計画や目標もなしに、最初に見つけた仕事につく。これにより、私(悪魔)は彼らに「流される」ことを教えるのだ。このトリックを使って、私は何百万もの人間を貧困という恐怖の中に一生閉じ込めておく(p140)
レベルの低い人との関係から離れる
こうした悪魔のマイナス思考は、そうした人と触れ合うことで、私達の思考・習慣の中に浸透してきます。人はいとも簡単に、考えない習慣、やりたいことをやらない習慣、失敗したら諦める習慣に捕らわれてしまう!のです。
こうした習慣から離れるためには、意識的にこうしたレベルの低い人との関係から離れるしかありません。そのためには何名かの師匠というかメンターを持つことが効果的です。過去の成功者は必ず何人かのメンターを持ち、自分の目標を持ち、それを達成するための助言を受けていたのです。
ヒル:本物の「考える人」がなかなか現れないのはなぜですか?
悪魔:批判されることを恐れるからだ!・・批判への恐怖は私(悪魔)が人間を鞭打つのに使える唯一の武器なのだ(p214)
他者の幸福の手助けをする
人間が成長し、知恵を得て、成功に近づいているのは、「失敗」と「困難」に出会ったときだと、ナポレオン・ヒルは主張します。人は逆境に陥ると、虚栄心とうぬぼれから解放されるのです。そして、とても乗り越えられそうにないような困難に直面したとき、信念とやる気さえ持っていれば、どこからか知恵が出てくるというのです。失敗して簡単に諦めず挑戦し続ける人にだけ、知恵と成功は訪れるのです。
特に苦境に陥ったとき、もっと過酷な境遇にある人に手を差し伸べることも有効です。自分の富を求めるだけでなく、他人の成功を助けることで、自分の困難をうまく克服することができるようになるという。これは他人の協力なしには何事も成功しないという知恵と、同じ種類のものなのでしょう。利己的な人間は、真の成功に近づかないのです。
幸福を見つける唯一の方法は、他者が幸福を見つける手助けをすることである(p37)
学校や教会が否定的な考え方を広めている
この本が70年間出版されなかったのは、この本が学校や教会が否定的な考え方を広めている!と批判しているからでしょう。そもそも、学校は経営者を育成するようにはなっていないし、成功者の作り方も知らないのです。仮に知っているとすれば、学校という事業によって世界一の金持ち組織になっているはずだからです。
ちょっとブラックな内容でしたが、成功哲学系らしい良い本でした。ヒルさん、良い本をありがとうございました。
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この本で私が共感した名言
・新しい祈り方・・欲しいものをあれこれとねだるのではなく、すでに持っているものを自分が無駄にしないようにと祈る(p79)
・ヒル:どんな方法を使って人間を「流される」ように仕向けるのですか?
悪魔:非常に効果があるのは「失敗」だ!ほとんどの人間は、何かにぶつかったとたん「流される」ようになる。二度三度と失敗しても挑戦し続けることができるのは一万人に一人もいない(p175)
・それまでただ習慣で歩いていた道がとうとう行き止まりにきてしまった、その状態が失敗なのだ。行き止まりまで来てしまったら、その道はあきらめて、別の道を行くしかない。それが、新たなリズムを作り出すということなのだ(p342)
▼引用は下記の書籍からです。
きこ書房 (2017-07-03)
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【私の評価】★★★★☆(81点)
目次
第1章 アンドリュー・カーネギーとの出会い
第2章 「もう一人の自分」の偉大なる力
第3章 悪魔との対話
第4章 「流される」習慣
第5章 最も重要な告白
第6章 ヒプノティック・リズム
第7章 引き寄せの法則
第8章 代償の法則
第9章 善と悪は、常に同時に存在している
第10章 自制心について
第11章 成功は、常に過去に経験した失敗の数に比例している
第12章 「無限の知性」とつながる
著者経歴
ナポレオン・ヒル(Napoleon Hill)・・・1883~1970年。バージニア州ワイズ郡生まれ。十代で新聞記者になると、元テネシー州知事、のちの合衆国上院議員ロバート・L・テイラーに認められ、彼の所有する『ボブ・テイラーズ・マガジン』の記者に採用されて成功物語を書くようになる。ジョージタウン大学の法科大学院に入学。1908年、鉄鋼王カーネギーとのインタビューに派遣されると、カーネギーから、成功の原則をもとに世界で最初の成功哲学をまとめるよう提案される
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