「「国境」で読み解く世界史の謎」武光誠
2017/11/19公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(74点)
要約と感想レビュー
■世界史を学び直す一冊です。
世界史は侵略と戦争の歴史です。
そして、国境が変わっていくわけです。
そしてその侵略と戦争は、
今も続いているのでしょう。
■世界史とは社会人こそが
学ぶべきことだと思いました。
世界史を学ぶことで、
これから起こる世界の事件も
背景が見えてくると思うからです。
武光さん
良い本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・朝鮮民族は「朝鮮民族は一つ」という意識を強く持っているが、「政府のもとに一つにまとまりたい」という意欲はそれほど強くない。北朝鮮も韓国も、多数の地域や仲間意識の強い親族集団の寄せ集めにすぎないのであろう(p63)
・もとはヨーロッパの一つの地域を治めるモスクワ公国住民であったロシア人が、16世紀末にはヨーロッパ東端の大半を自分たちの土地にした。さらにかれらはヨーロッパとアジアの境界とされるウラル山脈を超えて、シベリアをロシアの領域に組み込んだうえに、18世紀はじめにはアジアの東端にまで達した(p86)
・女真族が中国北部に建てた金朝の時代には、金朝の女真族が中国人となり、元朝ではモンゴル人や「色目人」と呼ばれた西方の人々も中国人として扱われた。モンゴル帝国という大きなまとまりの中では、モンゴル人もトルコ系の諸民族もアラブ人やロシア人、漢民族、色目人も、同じ帝国の人間とされた(p133)
・1521年にコルテスが現在のメキシコにあったアステカ王国を、1533年にピサロがペルー、ボリビア、エクアドルにまたがるインカ帝国を滅ぼした・・16世紀なかばまでに、ブラジルを除く中南米とカリブ海沿岸の北アメリカの一部が、スペインの領土に組み込まれた。このような征服は、数百人程度の私兵の集団によってなされた。彼らはスペイン王室の許可を得て行動したのだ(p223)
・アラブには、西洋風の個人主義の発想が全くない。アラブ人は、部族社会の一員として自分自身を集団の中に位置づけて生きている。部族社会は、遊牧民の生活の中でつくられた(p277)
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【私の評価】★★★☆☆(74点)
目次
第一章 同じ島国の日本とイギリスで、国境の変遷が全く違う理由とは?
第二章 朝鮮民族はなぜ、分裂国家の時代が長いのか?
第三章 古代中国の海洋政策から考える、中国の海洋進出の目論見とは?
第四章 ロシアはなぜ、北方領土の領有に固執するのか?
第五章 モンゴルはなぜ、ロシアと中国の二大国の間で独立できたのか?
第六章 なぜ新疆ウイグル自治区とチベット自治区は独立できないのか?
第七章 ロシアによるヨーロッパへの領土拡大の目的とは?
第八章 EUが行き詰まり、ヨーロッパが一つになれないわけとは?
第九章ルクセンブルク、モナコなどの小国はなぜ生き残れたのか?
第十章 中南米にヨーロッパ諸国の飛び地が残っているのはなぜか?
第11章 アメリカがメキシコとの国境の壁にこだわるのはなぜか?
第12章 南米諸国の中でブラジルの国土がずは抜けて広いのはなぜか?
第13章 かつて西パキスタンと東パキスタンに分かれていたのはなぜ?
第14章 なぜイスラエルとイスラム諸国の紛争は長く続いているのか?
第15章 アラブ諸国で紛争が起こり続けるのはなぜか?
第16章 ソマリア、南スーダンなどのアフリカ各地の紛争の原因とは?
終章 強国が力ずくで書き換えてきた国境の歴史