「日本史を動かした外国人」武光 誠
2012/08/23公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(73点)
■日本、中国、韓国の歴史を勉強するために、
歴史の本を何冊か読んでいます。
今日の本は読みやすかったので、
ご紹介しましょう。
江戸時代までの
日本と外国人との
付き合いの歴史をおさらいします。
・聖徳太子の時代の交際関係・・
隋朝が日本を「化外慕礼(けがいぼれい)」
の国と呼ばれる格の高い国として扱うこととなった。
百済と新羅は、日本より格下の隋朝の属国(p21)
■歴史を通してみると、
日本という国は、一環して、
植民地化された他のアジアの国とは
違った国であったことがわかります。
好奇心が高く、組織を持ち、武力もあり、
人口も多く、自尊心を持っている。
一筋縄では植民地にできない国
ということです。
・領民を無理やりにキリスト教に改宗させて、
領内の社寺をすべて壊して、代わりに教会を建設せよと迫った。
カブラルは、教会を武装して日本征服の拠点にしようと
もくらんだ。・・・のちに豊臣秀吉の出したバテレン追放令
(1587年)につながるのである。(p61)
■そうした日本にも、植民地が
できたことがありました。
九州の長崎と、北海道の七重村です。
いずれもそれらの土地は日本に
戻りましたが、一つ間違えば、
どうなったかわからなかった。
当時の日本人が、
国家の自立に努力したのです。
・北海道の一部が、ドイツ人に占拠される事件・・・
慶応三年(1867)に、ドイツ人ガルトネル兄弟が
幕府の函館奉行から、七重村の若干の土地を租借した(p189)
■こうして長いスパンで歴史を見ると、
国際関係とは自国の影響地域を拡大しようとする
遠大な行動であるとわかります。
現在でいえば、アメリカも自由主義諸国の
拡大を図っているし、
共産主義・独裁を維持しようとする国もある。
今も歴史が作られているということなのでしょう。
武光さん、良い本を
ありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・七世紀末に天武天皇が貴族たちに、
中国風の衣服を身につけることを命じている・・・
中国の古典をよみこなすことが
知識人の条件とされていた(p15)
・サンダは世界地図を見せて、「スペイン王はこれだけ
広い領地を持つのだから、スペインに逆らうと重大な
仕返しを受ける」と言ったのである。・・・
「スペインはまず多数の宣教師を送り、キリシタンを増やす。
そしてキリシタンに改宗した者と力を合わせて
諸国の君主を倒してきたのだ」(p107)
・ラクスマン来航(1792)のとき松平定信は、
蝦夷地を幕府領にしてロシアの侵入を防ぐ計画をたてた。
文化四年(1807)に東西蝦夷地が、幕府の直轄地とされた(p168)
・シーボルトはまず塾生に、自らの手でさまざまなことを
検証する西洋の近代科学の理論と方法を教えた。
そのあとでかれらに課題を与えて、
オランダ語で論文を書かせた(p180)
・『ガリヴァー旅行記』は本来は「小人の国」、「巨人の国」、
「飛び島」、「馬の国」の物語をひとまとめにした形で出版された・・・
「飛び島」の物語でガリヴァーは、太平洋上の飛び島ラピュタを
訪ねる・・ガリヴァーは、最後に日本に来て、
そこからオランダ船に乗って帰国したとされる。(p158)
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【私の評価】★★★☆☆(73点)
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