「火天の城」山本 兼一
2016/10/19|

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【私の評価】★★★★☆(86点)
■勢力を拡大する織田信長は、
天下統一を見据え安土城の
築城を決意します。
信長の要求は南蛮風にすること。
山の周囲には石垣を積む。
西洋の城を目指したのです。
宮大工にとっては、
一世一代の大仕事です。
・毎朝、どの番匠よりも早く、作事場に入った。
天主台入り口で、深々と拝礼し、柏手を打った。
父がそうしていたのが、
自然に身についていた(p268)
■信長の無理な要求に、
設計変更を繰り返す。
職人間のいざこざを、
納める。
スパイの謀略にひるまず
作業を続ける。
総責任者である棟梁には
考えるべきことが
多いのです。
・お前のはただの私憤だ。
わしのは法だ。
作事場の法は、戦陣同様
厳格でなければならぬ(p293)
■棟梁というプロジェクトマネジャーの
立場の辛さと、人を育てる難しさが
伝わってきました。
安土城は信長の死によって
燃えてなくなりました。
木造の悲しさですね。
山本さん、
良い本をありがとうございました。
───────────────
■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・木を組むのが番匠の仕事で、
人を組むのが棟梁の仕事か。
棟梁のなすべき仕事がすこしだけ、
わかった気がした(p276)
・いらだった大工たちをなだめ、
不公平が出ぬように目を配るのも
総棟梁の大切な仕事だ。
城は腕で建てるのではない。
番匠たちの心を組んで建てるのだ(p143)
・なにか心に乱れることがあると、
台鉋(だいがんな)や鑿(のみ)の刃を研ぐ。
鋸の歯を鑢(やすり)で目立てする。(p130)
・角材に拝礼し、柏手を打った。
八百万(やおよろず)の神々に祈った。
一厘の狂いもなく墨を打つのだ、
と自分に言い聞かせた(p202)
・胴突で土を突き固めていく。
これは、近江の百姓女たちの仕事だった。
男が急いで突き固めるより、
女の力でなんども突いたほうが、
土がよくしまる(p55)
【私の評価】★★★★☆(86点)
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■目次
江戸庶民のラクに生きる知恵
カンニング女子
立派な計画はいらない
ときには、羽目を外すのも
言い争いの無意味
「天気味報は当たらない」と言われたときに
本当の「友だち」って?
オーディションに、2度やって来た男
練習が好きな理由
さらけ出せる人 他