「「国家」の逆襲 グローバリズム終焉に向かう世界」藤井 厳喜

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「国家」の逆襲 グローバリズム終焉に向かう世界(祥伝社新書)

【私の評価】★★★★★(90点)


■日本のバブル崩壊、リーマンショック等を
 予測し、的中させてきた
 国際問題評論家、藤井さんの一冊です。


 藤井さんが予測する未来は、
 国境なき世界ではなく
 英国のEU離脱に見られるような
 国民国家の復活です。


 理想主義者が推進してきた
 グローバリズムの流れが
 逆転してきているのです。


・東アジアでEUのような共同体が出来たとして、たとえば北京に議会があって、ソウルに最高裁があって、上海に本部の官僚機構がある。そんなところで決めた勝手な規制を日本人に押しつけてきたら、日本人はとても耐えられないでしょう(p26)


■そうした流れの中で、税制は、
 タックスヘイブンでの節税は規制され、
 国家が徴税を強化していく。


 EUの移民が問題化し、
 EUの金融危機が再発し、
 EUを離脱する国が増えていく。


 中国の経済バブルは破裂し、
 中国の国内問題の高まりにより
 中国近海で軍事危機が発生する。


 大きな変動が今、
 起きようとしているのです。


・G20は2016年4月、パナマ文書の騒動を受けて、BEPS(税源浸食と利益移転)規制のさらなる強化について合意し、各国間の税務情報を自動的に交換する共通プラットフォームを構築することになった(p92)


■藤井さんの日本への提案は、
 英国が中国から離れることを前提とした
 英国と日本との連携強化です。


 マスコミで報道しないこと、
 私の知らないことが
 数多く出てきました。


 世界の実情を知る藤井さんが
 見通すことのできるのは、
 既に起こっている未来なのでしょう。


 藤井さん、
 良い本をありがとうございました。


───────────────


■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・今回のブレグジットで、スコットランドの英国離脱とスコットランド単独でのEU加入(残留)がほぼ確実となった(p115)


・シティは不思議なことにロンドン市からもイギリス政府からも独立した自治体で、独自の法体系を持っている・・(p90)


・憲法を改正して自衛隊を国防軍にしようと言っただけで、凄まじい反発が起きるのは、まさにドイツとは異なる敗戦コンプレックスに他ならない(p36)


・私たちはよく「主権」という言葉を使うが、この言葉は国家がバチカンの権威に対抗するために作り出した概念だ・・主権国家は平等であり、バチカンからも内政干渉を受ける謂れはない(p128)


・ヨーロッパに流入する難民の振る舞いを見ていると、軍隊の形を取っていない侵略という印象が強い(p160)


・ファトカは、アメリカの企業や個人が外国に持っている口座の実際をすべて、アメリカの国税当局に知らせることを義務づけた法律で、アメリカはこの法律に基づいて世界的な脱税の取り締まりに乗り出した(p30)


・日本のマスコミで正しく伝えられていないトランプ現象の単純な事実は、トランプがものすごく人気があるということだ(p40)


・サンダースは「特定の宗教に属さない」と言いながら、自ら自出がユダヤ系であることを認めている・・トランプの娘のイヴァンカは、職業がモデルで、選挙キャンペーンをずっと手伝ってきたが、ユダヤ教徒である(p52)


・日本ではFATF(金融活動作業部会)の規準を満たす条件が整っていない・・・マイナンバー制度の履行が不可欠(p93)


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藤井 厳喜
祥伝社
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■目次

序章 「国家」の逆襲―英国EU離脱の衝撃
第1章 トランプ現象とは何か―大衆に支持される理由
第2章 パナマ文書が暴いた世界―税金逃れを許さないという国家の決意
第3章 イギリスEU離脱の意味するもの―日米は勝ち組、中独は負け組
第4章 EU共同体幻想の崩壊―ドイツの横暴が招いた自業自得
第5章 難民流入問題の行方―偽善と本音の狭間で
第6章 ドイツ発ヨーロッパ金融危機―ドイツ銀行という時限爆弾
第7章 チャイナ経済バブルの崩壊―ミンスキー・モーメントへまっしぐら
第8章 チャイナの軍事膨張主義―着々と進む南シナ海、東シナ海への侵略



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