「大局観 自分と闘って負けない心」羽生 善治
2016/06/23公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(84点)
■本書を書いたのが羽生41歳。
羽生も大人になったなあ~と、
感じた一冊でした。
今の時代は、過去すべての棋譜が
コンピュータで検索できる情報化社会。
コンピュータが一流棋士に
勝ってしまう時代なのです。
それに対応しようとしている
羽生さんの気持ちが
伝わってきました。
・今は情報があふれるほどあるため、
選らばなかった選択肢に関しても
多くのことを知ることができる。
そのぶん、我々は後悔しやすい環境のなかで
生きているのだ(p48)
■そうした情報があふれる世界で、
羽生さんが注意していることが、
情報を受け取るだけでなく
発信側に回ることです。
常に新しい情報を手に入れ、
ただ、それをまねるのではなく、
自分で消化して使ってみる。
そうすることで初めて
迷いが減り、後悔することが
減るわけです。
・情報化社会を上手に生き抜いてゆく方法は、
供給サイドに軸足を置くことだと思う・・・
拾い上げた情報を基本に新たな手を創造をして、
供給側に回るわけである(p127)
■羽生がコンピュータと
戦うときがやってきました。
羽生さんはコンピュータが強くなり
人がコンピュータを研究することで、
両者は似てくるのではないかと予想しています。
人間とコンピュータが、
お互いを高めあう時代が来たのです。
羽生さん、
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・将棋界には、
「反省はするが、後悔はしない」
という言葉がある(p22)
・私は、どんなに
ひどいミスをしても、
すぐ忘れるようにしてきた(p51)
・リスクを取らないことが
最大のリスクだと
私は思っている(p35)
・見通しが立たない状況のなかで
もがくのは、とても大切だと思った・・
スマートではないかもしれないが、
もがき続けて習得したものは忘れにくい。
というより、忘れることができない(p31)
・とにかく毎日、練習を
続けることが肝心だ。
一日でも空いてしまうと、
将棋の感覚がすごく鈍ってしまう(p76)
・「大局観」では
「終わりの局面」を
イメージする(p123)
・実際には何百手、何千手も
考えられるにもかかわらず、
十手先を当てることすらできない(p212)
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【私の評価】★★★★☆(84点)
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■目次
第一章 大局観
第二章 練習と集中力
第三章 負けること
第四章 運・不運の捉え方
第五章 理論・セオリー・感情
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