「政治の修羅場」鈴木 宗男
2015/06/16公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★★☆(88点)
■政治家の世界というものは、
なかなかわからないもの。
一度、堀の中に入り、
地獄を味わった鈴木 宗男さんから、
その一端を教えてもらいましょう。
政治とは、
人間関係であることが、
ひしひしと伝わってきました。
・中川先生から教わったことはたくさんあるが、
「大きな出世をするなら下の面倒を見ろ。
小さな出世をするなら上にお世辞を使え」
という言葉も忘れられない(p230)
■政策を決めるにも、
閣僚人事にしても
人間関係、力関係が
影響することがわかります。
いわゆる義理と人情。
派閥があれば、
どういった親分子分の関係の中で
生きていくのか。
金の調達はどうするのか。
そういった、
どろどろした関係の中で、
国家が動いているということなのです。
・まずは一緒に飯を食って、
信頼関係を作るのが一番だ。・・・
夜は宴会を二軒三軒ハシゴして、
野党の委員長方に頭を下げて回った。
そのとき、「こういう案もありますよ」
と、暗に知恵をつけることもあった(p119)
■理も大切だが、情もないと
勝ち残れないのだなと
感じました。
人は、理屈や金だけでは
動かないのです。
政治の世界も、
人が作る世界なんですね。
鈴木さん、
良い本をありがとうございました。
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■この本で私が共感したところは次のとおりです。
・角栄先生はいつでも満面の笑みをもって、
「ああ、よく来た、よく来た。北海道からか」
と気持ちよく会ってくれた。(p20)
・竹下先生や金丸先生によく言いきかされたのは、
「国家の基本は、安全保障、外交、教育、治安だ。
この四つだけはしっかり頭に入れておかなければ、
政治家として失格だ」ということ(p124)
・出世コースというものが、自民党にもあった。
それは、総務局長か内閣官房副長官を経験することだ。
総務局長は選挙の責任者。内閣官房副長官は
官僚のとりまとめ役だ。どちらも仲間が増える(p139)
・私は、党の国会対策副委員長に就任した・・・
予算審議がストップした。そんなとき野党と
国対委員長会談を開き、落としどころを探ったりする。
総理を委員会に出席させて答弁させるとか、
法案に付帯決議を織り込むとか、
さまざまなカードがある。(p119)
・防衛庁(当時)の入口の両脇に、歩哨が立っている。
彼らは、沖縄を除く全国の郷土部隊から2週間交代で
派遣されてくるエリートだ。将来、その郷土部隊の
幹部になる人材だ。私は木村屋のあんぱんを
毎週1万円分、差し入れることにした(p126)
・私は、若手議員を「ムネムネ会」に集めて言ったものだ。
「当選3回までは選挙区優先で行け。
しかしバッヂを着けたときから、
オレは何をやるのかという
ライフワークを考えておけ(p172)
・モサドの長官が来日した際、
小渕総理と会う段取りをつけた・・・
会見は土壇場でキャンセルになった。
野中官房長官が総理に代わって、
赤坂プリンスホテルで会談した。
前任の橋本総理は、モサドの長官と
いつも非公式に会っていた(p182)
【私の評価】★★★★☆(88点)
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■目次
第1章 ズバ抜けた政治勘 田中角栄
第2章 両刃の剣「情の人」 中川一郎
第3章 人間関係の達人 金丸信
第4章 壊し屋の正体 小沢一郎
第5章 日露を動かす プーチン
第6章 宿敵の研究 田中眞紀子と小泉純一郎
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