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「百年以上続いている会社はどこが違うのか?」田中真澄

2015/03/12公開 更新
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百年以上続いている会社はどこが違うのか?


【私の評価】★★★☆☆(79点)


要約と感想レビュー

 百年以上続いている会社には、共通点があるようです。まず、顧客からの信頼を最も大切にすること。気配り、心配りで、ファンを増やしていくこと。三方よしでWin-Winの関係を作るのです。


 そして、利益ばかり追うのではなく、コツコツと着実に稼ぐ。高利な金貸しや、リスクのある事業は慎重にする。人に迷惑をかけるような商売はしないということです。社会のためにならない会社が、100年続かないのは当たり前のことでしょう。


・三井高房の「町人考見録」・・富家没落の原因となったのは大名貸である・・金山や新田などの山事も、・・かえって没落の原因となる・・(p51)


 いつの時代にも共通の商売の鉄則があるように感じました。鉄則を守りつつ、時代に合わせて商品を開発していく。そうした会社が生き残っていくのでしょう。


 田中さん、良い本をありがとうございました。


この本で私が共感した名言

・近江商人・・中村治兵衛が遺した家訓・・他国に行商する時、すべて我がことと思わず、その国の人のためにと高利を望まないで、利益は自分の努力に対して天から与えられる恵みと考え、あくまでもその国の人々を大切にすること(p87)


・ファミリービジネスを小規模事業と中小企業の中に含まれると解釈すれば、日本にはファミリービジネスは586万社あり、全事業所数の99.1%を占め、全従業員数の86.2%強の5059万人を雇用していることになります(p14)


・個業をスタートした人と出会った時の私は、「やるなら十年間は歯を食いしばって、年中無休の精神で頑張って続けてくださいね」と伝えることにしています(p19)


・顧客へのビフォア・サービスとフォロー・アップに力を注ぐことです・・老舗はこの二つのサービスに命を賭けています(p22)


・「手まめ」の習慣・・・礼状・感謝の便り・・見舞いの励ましの便り・・弔電・・転勤・退職・独立の際には、感謝・激励の便りを出す・・祝福の便り・・成功者ほど常に即時対応を心掛けているものです(p23)


・初代三井高利の家憲・・みんな共に睦まじく力を合わせ、家運の強固をはかれ・・各家の内より一人の年長者を挙げ、老分と称してこれを全体の総理とし、各家主は皆、老分の命を聞くものとする・・かたく奢 贅沢を禁じ、厳しく節倹を行うこと・・賢者能者を登用することに最も意を用いよ。下に不平怨嗟の声がないように注意すること(p50)


・企業が永続するには、規模の大小にかかわらず、何のために事業を行うのか、その目的を明確化するための経営理念と、その理念を具現化していくための具体的な行動指針が欠かせません(p84)


・おれがおれがのが(=我)をおさえ、おかげおかげ(下=)で生きよ(p146)


百年以上続いている会社はどこが違うのか?
百年以上続いている会社はどこが違うのか?
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田中真澄
致知出版社 (2015-02-28)
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【私の評価】★★★☆☆(79点)


目次

第一章 日本は圧倒的に世界一の老舗大国
第二章 老舗が激動の時代を乗り越え生き残ることができたのはなぜか
第三章 老舗に学ぶ事業永続の秘訣
第四章 老舗の家訓から見えてくる「まともな日本人」の生き方
第五章 老舗が挑む地域再生の姿
第六章 老舗に学び三十六年間独立人生を歩んできた私からの提言



著者経歴

 田中真澄(たなか ますみ)・・・昭和11年(1936年)福岡県出身。東京教育大学(現筑波大学)卒業。日本経済新聞社・日経マグロウヒル社(現日経BP社)を経て、昭和54年(1979年)独立。ヒューマンスキル研究所を設立、所長に就任。社会教育家として講演・執筆に活躍中


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