「日本の「安心」はなぜ、消えたのか―社会心理学から見た現代日本の問題点」山岸 俊男

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日本の「安心」はなぜ、消えたのか―社会心理学から見た現代日本の問題点

【私の評価】★★★☆☆(77点)


■この本では日本社会について
 分析していきます。


 日本の社会の基本は
 「安心社会」です。


 「安心社会」とは、
 江戸時代の農村のように、
 だれもがお互い知っている社会。


 全員が内輪ですから、
 相手が信頼できるかどうか
 心配する必要がありません。


 集団のルールに従わない人は、
 "いじめ"ることで
 排除すればいいのです。


・集団のルールにしたがわずに、みんなに迷惑をかけても
 平気な人には排除をはじめとする「いじめ」で、
 思い知らされるしか方法はないというわけです(p37)


■ところが、そうした「安心社会」は、
 世界的に見れば特異な社会です。


 グローバル化などという名のもとに、
 「安心社会」が崩れていきました。


 相手が信頼できるのかどうか
 よくわからない社会。


 日本の外側には、
 騙されないように考えながら、
 いろいろな人と付き合っていく社会があったのです


 このような相手の信頼度を評価していく社会を
 「信頼社会」としています。

・信頼社会において人間が他人を信頼し、
 手を組もうと考えるのも、相手を信じても馬鹿を見ることがない、
 損をすることがないという前提がなくては始まりません・・・
 その前提を維持できる最大の力となるのは、
 やはり法制度なのではないかと筆者は考えます(p223)


■これからの日本は、どんどん
 「信頼社会」になってきています。


 「安心社会」のつもりで、
 簡単に相手を信頼したら騙されます。


 そうしたリスクを理解しつつ、
 新しい相手を探していくという
 商人的なセンスが必要になっているのでしょう。


 山岸さん、
 良い本をありがとうございました。


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■この本で私が共感したところは次のとおりです。


・私たちは普段の生活において、
 「今、自分はどう振る舞ったほうがトクをするか」ということを
 意識的に、あるいは無意識に判断しながら暮らしている(p58)


・中国の人たちが一生懸命に働くようになったのは・・・
 国営企業時代は「働かなくても食べていける」社会だったのが、
 今度は「働けばもっといい生活ができる」社会になったから・・(p28)


・ジェノアの人々は商取引で何か問題が起きたときに、
 それを公正に解決する場として裁判所を作りました(p219)


・「無私の精神」が崇高であるのは、
 あくまで閉鎖社会の中だけのことであって、
 それを信頼社会に持ち込むとおかしなことになる・・・
 共存共栄していこうとする「市場の倫理」と
 共存できるものではないからです(p250)


・利他的な精神を身につけた人たちは社会に対して、
 つねに協力的であろうと心がけますが、
 そういう人たちがいればいるほど、利己的な人たちは
 「ただ乗り」の恩恵をより受けることができる(p179)


日本の「安心」はなぜ、消えたのか―社会心理学から見た現代日本の問題点
山岸 俊男
集英社インターナショナル
売り上げランキング: 91,511

【私の評価】★★★☆☆(77点)

■目次

第1章 「心がけ」では何も変わらない!
第2章 「日本人らしさ」という幻想
第3章 日本人の正体は「個人主義者」だった!?
第4章 日本人は正直者か?
第5章 なぜ、日本の企業は嘘をつくのか
第6章 信じる者はトクをする?
第7章 なぜ若者たちは空気を読むのか
第8章 「臨界質量」が、いじめを解決する
第9章 信頼社会の作り方
第10章 武士道精神が日本のモラルを破壊する


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