「日本の「安心」はなぜ、消えたのか―社会心理学から見た現代日本の問題点」山岸 俊男
2010/02/16公開 更新本のソムリエ [PR]
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【私の評価】★★★☆☆(75点)
要約と感想レビュー
■昔の日本人は真面目だった・・・
今の若いものは・・・といった風潮に、
「ちょっと待った」をかける一冊です。
人間というものは、基本的に
環境に適応する動物であり、
これまで典型的日本人といわれてきた人たちは
その環境に適応してきただけであると
分析しています。
たとえば、休みも取らず、
残業しまくりで働く日本人は、
単にそうすることが出世の近道であった
ということです。
・日本のサラリーマンが会社に忠誠心を示すのは、そうやって振る舞うことが日本の社会において最も適応した行動であるからに他ならない(p49)
■村社会、日本的終身雇用が崩れるなか、
そうした安心社会が崩壊してきました。
次に来るべきは、信頼社会、商人道である
というのが著者の主張です。
正直ものが得をするという
まっとうな社会です。
つまり市場で勝つ人が正しいのであり、
コネや身分や根回しで勝つのではなく
実力が試される社会になるということです。
・市場の倫理=商人道が教える「他人や外国人とも気やすく協力せよ」という精神はまさに信頼社会の根本原理・・・「正直たれ」「契約尊重」「勤勉たれ」「楽観せよ」という道徳律は必要不可欠です。(p242)
■本というより論文のような本でした。
これからは信頼、ブランドが
大切になるということに
確信が持てましたので、
本の評価としては★3つとしました。
山岸さん、よい本をありがとうございました。
この本で私が共感した名言
・いい評判を積み重ねていくことで自分のところに人が集まってくる(p233)
・正直な人、約束を守る人たちが少しでもトクをする社会を作っていくということです(p209)
・「もし、ここで他人のわがままを許せば、それを理由に私自身が他の人たちから責められるのではないか」と恐れてしまう(p107)
【私の評価】★★★☆☆(75点)
著者経歴
山岸 俊男(やまぎし としお)・・・1948年生まれ。一橋大学を経て、1980年ワシントン大学哲学博士。北海道大学助教授、ワシントン大学助教授を経て、現在、北海道大学大学院教授。
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